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 今から採集したところで、似た物を別の物だと勘違いして使ってしまう可能性があるので、素材をこの場で調達することはできない。紛い香は、類似点が多ければ多いほど、本物と偽物の区別がつかなくなって、偽物を本物だと思い込んでしまう。


 玄天川に生息している木々の中には、似たようなものもある。プロでも間違えるようなものは流石になくて、素人でも図鑑と見比べれば正しい判断ができるレベルものもしかないが、今のわたしたちにはその程度でも間違えることがあり得るのだ。


「――他、他に何かあったりしませんか」


 わたしは、ついさっき採集したものだけでなく、何か持っていないか、と鞄の中身を漁る。

 わたしの持っていた、斜めかけの鞄の中にはクマクの種がぎっしり。手持ちのかごの中にもクマクの種はあるけど、詰められるだけと詰めた。後は財布とハンカチくらい。配達のときの鞄だったら、ペンやメモ帳、いくつかの修理用万道具やよく使う素材なんかが詰め込まれているけれど、生憎、これはお出かけ用の鞄なのでそういったものは一切ない。

 ……最悪、ハンカチで手を包んで、ヒダノ草を火種にして何か燃やそうか。煙が上がっていれば、誰かしら来るだろう。山火事になったら大変なので、あんまり使いたくない手だが。


 わたしの隣で、豪快にサイドポーチをひっくり返す姫鶴。……以外と手荷物が多い。さては整理整頓が苦手なタイプか?


「ええと、手ぬぐいと懐紙、軍手。あとはペンと鑑定鏡かんていきょう、飴とリップ、それから寮の部屋の鍵、かしら」


「――鑑定鏡?」


「今日採ろうと思っていたものには必要ないけど、使うときはあるから、このポーチにしまいっぱなしなの」


 鑑定鏡とは、素材の鑑定ができるルーペみたいなものだ。長方形で、手のひらサイズ。三分の一くらいが透明なルーペになっていて、そこから素材が見えるように鑑定鏡をかざすと、残り三分の二の部分に文字が浮かび上がってきて、どういう素材なのかを教えてくれる。そこそこ高いやつ。ゲーム本編では、素材の材質をチェックするときに使うアイテムだった。ゲームだったら、どれだけ似ているアイテムでも、別扱いになって判断する必要がなかったからそういう道具ということになっている。


 わたしたちが判断しないのであれば、今から新しく素材を調達することができるはず。


「――これ、貸してもらっても?」


 わたしは姫鶴から鑑定鏡を借りて、辺りに使える素材がないか探す。

 手持ちでどうにかできないのなら、新しく入手してどうにかするしかない。

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