1.なんか早速決意表明
書くのむずい…ちょうむずい…
「…!……!!……………!」
誰かの喋り声が聞こえる。
(…んっ?…なんだ?)
朦朧とした意識の中、俺は重い瞼を開けた。
顔があった。
(うわっ!顔近っ!しかもデカイ!?いや、誰だよこの人!?)
驚きのあまり朦朧としていた意識はすぐに覚醒したが、眼前の光景がなんなのかは分からなかった。
(……確か幼女女神は転生って言ってたよな。って事は俺は今赤ん坊になってるってことか…?)
俺は自称女神の幼女との会話を思い出し、自分の状況を確認した。
手足は小さく赤ん坊特有のプニプニとした見た目。逆に頭は大きく身長は三頭身半ほどだと思う。そして体が思うように動かせない。何より…
「ビエェェェェェェェェン!…グスッ…ビェェェェェェン!…グスッ…」
自分の意思とは裏腹にずっと泣いている。まぁ赤ん坊の本能?だから仕方ないとは思うが中身は25歳だから割と本気で恥ずかしい。
自分のことが確認できた俺は周りを見て見た。
先ほどの顔はよく見ると女性で、黒髪で目はタレ目。肌は白いく(病的な白さではなく健康的でハリのある白さだ。)その表情は慈愛に満ちた表情で俺を抱きかかえていた。
多分この人が俺の母さんなんだろう。そう思った。
そして母さん(多分)の横にいる人は全体的に細く、前世の俺でも勝てそうな体格の男性だった。しかし、顔立ちは整っていて10人中8人はイケメンと言うであろうものだった。その人も優しそうな笑みで俺を見て、優しく俺の頭を撫でていた。
あぁこの人が俺の父さんか。
…そう思ったところで俺は強烈な睡魔に襲われた。
______泣き疲れて眠ってしまっていたらしい俺は、気を取り直して再び観察を始めた。といっても近くに両親の姿はなく、代わりに木の柵に囲まれたベッドのようなところに寝かされていたので、俺は寝返りをしながら周囲を見渡した。
木の天井に木の壁。壁には正方形に穴が開いてあり底にかの柵がはめられていて窓のようになっていた。そして部屋の中には木の椅子に木のテーブル。テーブルの上には木の器に木のスプーンとフォークがあった。
……何から何まで木製だな。鉄とかガラスは流通していないのか?まぁいっか。とりあえず現状はわかったし。……よし!寝よう。
…睡魔には勝てなかったよ。
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転生して1年が過ぎ、1歳になった俺は幼少期特有のなんでも吸収する脳で様々なことを覚えていた。
まずは言葉。俺はこの1年で両親の会話だけを頼りにこの世界の言葉を覚えた。この世界の人間は共通して人族語というものを使っているらしい。安直だが分かりやすいな。
次に俺自身のことだが、俺はエルマー・コンラートという名前でこのコンラート家の一人息子だ。両親や村の人たちからはエルと呼ばれている。
そして俺の父さんはオリバー・コンラート。見た目はヒョロヒョロだったが引き締まった筋肉を持っていて狩りなどで村の人たちからは頼りにされていた。でも母さんには弱いらしく尻に敷かれている。
母さんはアーニャ・コンラート。生まれた瞬間に見た優しそうな見た目通り、すごい優しい。でも時々父さんが何かやらかした時に起こっている姿は超怖かった。そしてめちゃめちゃ頭がいい。村の人たちの相談役として頼りにされていた。
そして俺たち家族が住む村の名称は《グルック村》という。母さん曰く、王都から馬車で大体3時間ほどの距離にあり、周りは森に囲まれているが森の魔物はそこまで強くないので、この村はとてもいい立地だという。
王都があるのはブルグリンド王国という国で、この世界で一番広大な土地を有しているらしい。そのため広大な土地を生かした農業が盛んで世界一豊かな国とも言われているらしい。これも母から聞いた。
そして最後にこれが一番重要なことだが、この世界には魔法なるものがある。
魔法には火、水、風、土、光、闇の六属性がある。そして魔法には個人個人で適正属性がありその適正以外の魔法は全く使えない。
ちなみにこの世界には魔王と勇者がいるらしく、魔王は全属性が使え、勇者は聖属性という特別な属性を持っている。
そして魔法の根源である魔力は生物なら誰しもが持っており鍛えれば鍛えるほど魔力の量は増えると言われる。
俺はそれを聞いた瞬間喜びのあまり俺用の椅子から落ち、母さんにすごく心配された。
だが俺は決意した。
(さすが異世界!あの自称幼女女神には感謝だな!よし!今から魔法を猛特訓して俺TUEEEするぞ!そうすれば念願の異世界ハーレムが!…ぐふっ)
こうして俺の秘密の魔法特訓が始まった。
はい。主人公はエルマー(エル)君です。
一章の一話ですがなんというか現状の説明回みたいになってしまいました…。読むのは好きなんですが書くのはすごい難しいですね。
次回はちょっと動きを入れて見たいと思います(笑)
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