表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

18/32

悪役令嬢ひのこ、職員室に呼び出される(悪役令嬢底辺編)

前回のあらすじ:底辺スタート

「ちょっと、どうしたの、ひのこさん。前回の中間テストの結果がひどく落ち込んでいたのだけど、何かあったの?」

「い、いえ、何もありません」


 私は職員室に呼ばれていました。

 担任の眼鏡マリア先生は、厳格な面持ちで私を見ています。


「目の下の黒い隈に、荒れた肌。どうやら、最近、疲れているようですね。私の、英語の授業も時々、居眠りをしているようだし」


 眼鏡マリア先生は、そのことに根を持っていたのか、私にチクリと言います。


「すみません。勉強のしすぎで・・・ちょっと」

「はあぁ・・・」眼鏡マリア先生は私にわかるようにため息をつきました。「そんな、はっきりとわかるような嘘をつくのはおやめなさい。テストの結果をみればわかるのよ。あなた、全教科赤点だったでしょ」

「へ?私、そんなに悪かったんですか?」


 毎日、生活に追われ、

 授業のほとんどを睡眠に当て、

 テストが返ってきても、

 夢うつつに受け取り、

 それを無造作に鞄につっこんだままでいた私は、

 テスト結果をまだ見ていませんでした。


「ほら、みなさい。勉強しているなんて、大嘘よ。あなたをマリア様が見ていますわよ」


 眼鏡マリア先生は、職員室に飾られているマリア像に目を向けながら、私を叱責します。



 私は聖マリアンヌ女学院に通っています。

 全国屈指のキリスト系お嬢様学校で、

 入学するのには学力だけなく、

 家柄もかなり重要視されるとか。


 ちまたでは、かなりぶっ飛んでいると噂のお嬢様学校です。


 ただ、その分、格式豊かな海外の高校とも強いつながりがあり、

 卒業、即、イギリス皇室に入った女性もいるとか、いないとか・・・。


「すみません。けど、私、次のテストでは、必ずいい点をとりますから」

「はあぁ・・・」眼鏡マリア先生は再び大きくため息をつきます。「今のあなたのそんな言葉は信じられません。以前のあなたはもっと輝いていましたわ」


 私はその言葉を聞き、ピキリとなった。


「次は・・・次は・・・必ずいい点を取りますから」


 私は震える拳を握り、必死に怒りに滲んだ声をころします。


「だから、言っているでしょ。あなたの・・・」


 と眼鏡マリア先生が再び言いかけた時、私はその言葉にかぶせるように、

「いえ、必ずとります!」と強く言いました。


 私は、もえていました。

 ブラック様を見返すために、より美しい自分になるために、

 努力してきたのに、

 この眼鏡マリアのクソババアはこうも簡単に否定してきた。


 例え、睡眠時間がほとんどなくなろうとも、

 この眼鏡マリアのクソババアを見返すために、

 次のテストで必ずいい点を取る。


 まずは、それからです。

次回予告:嫉妬、妬み、ざまぁ

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ