あなたのための初めてのキス(初心者編)
前回のあらすじ:4歳の女の子とキス
「キスの神に、俺はなる!」
ファーストキス?を終えたブラックは自信に満ち溢れていた。
「この開放感たまらない。キス!俺はキスをしたんだ!次に狙うは、新たな領域。そう、新たな女。キスのレベルアップだ」
ブラックは『ろくでなし市場』にある教会の十字架の上から、
街全体を見下ろしていた。
「さて、次のターゲットはどの女にしようか。まずは4歳の女の子を攻略した。次に狙うは、倍の年齢の8歳の女の子だ!」
ブラックはその条件に合う女の子を探し回った。
ただの8歳の女の子ではない。
ブラック好みの8歳の女の子をだ。
ブラックは街中を探し回った。
通りから市場、
壺の中から箪笥の中、
果ては下水道まで探し回った。
そして、『ろくでなし市場』端にある『聖マリアンヌ広場』で一人あそんでいた、
ブラック好みの8歳の女の子をとうとう見つけたのだ。
「お嬢さん、何をしているんだい?」
「見たら、わかるでしょ。一人でブランコで遊んでいるのよ」
金髪碧眼の女の子は、
白いドレスに身を包んでいた。
ドレスにはフリルがふんだんにあしらわれ、
カールした髪が腰にまで落ちていた。
「へえ~、お友達はいないのかな」
「友達はいないわ。だから、私は一人で遊んでいるのよ」
「お父さんとお母さんは?」
「パパとママは教会で働いているの。教会に救いを求めに来る人が多くて、今はすごく忙しいの。だから、私はこの広場で一人で遊んでいるのよ」
「そうなんだ。おじさんね、お嬢さんにお願いがあるんだけど、聞いてくれるかな?」
「何?」
「おじさん、お嬢さんとキスがしたいんだけど、させてくれないかな」
「キス?おじさん、私とキスがしたいの?なら、おじさんは私のお願いをかなえてくれる?」
「なんなりと・・・」
「なら、一緒に遊んで」
ブラックは8歳の女の子と遊んだ。
ブランコに、かけっこ、滑り台、ちゃんばら。
ブラックは女の子にたくさんの魔法も見せてあげた。
さらに、
ファンタジア全土を女の子と一緒に飛び回ったりもした。
夕方、教会の鐘の音が聞こえて来た。
「あ、もうこんな時間、あたし帰らなきゃ」
広場の芝の上に飛び降りながら、女の子は言う。
「もうそんな時間なんだ」
「うん、今日はすごく楽しかった。おじさんのおかげで寂しさが吹き飛んじゃった」
「それはよかった」
「あのね、おじさん。私ね、友達が欲しかったんだ。ずっと友達に憧れていたの」
そんな話よりもキス、とブラックは思った。
「でね、おじさんと遊んでいるとき、ああこれが友達なんだな、って思ったの」
早くキスをしてくれ、とブラックはイライラした。
「ねえ、おじさん、目をつぶってくれる」
キター!とブラックは叫びたい気分だった。
ブラックは喜んで目をつぶる。
女の子の顔が近づいて来た。
そして、
ちゅっ。
「あたしたち、ずっと友達ね」
女の子はそう言って、ブラックの額にキスをした。
ブラックは8歳の女の子を攻略したのだ。
さらに、ブラックのキスレベルは2->3にレベルアップした。
次回予告:ブチュ、ブチュ、ブチュ