第一次世界大戦 エリュー編 前編
エリューがピンチになる未来しか見えない。だって、実の母親を失ってしまって、精神的にも辛いですよね。登場人物と主人公が出会ったお話はpixivやまたアナザーストーリーで書きます。
ワタクシは帝国が戦争を仕掛けて来る3日前ほどから、悪寒を感じている。このままでは殺されてしまうだろう、と思う。だからこそ、先の先を探して手を打っておかないとならない。先の先を見据えて、ある奥の手を神の力を借りても、一体しか作れないのであるが、一体だけでも作っておく。それだけでも、保険となる。さらに、それを裏付けるように、飛竜が南の大陸から幾たびも転生しても続くストーカーからの恋文と言う名の数多の情報の入った貴重な資料を持ってきて、やって来る。それを開いて、軽く一読しただけでも、これは伝えなければならない情報だと確信する。
要約すると、帝国はクーデターの準備や戦争の準備しているから気をつけてね、という情報と、またいつかこちらの方まで行くよ。
なるほど、面倒くさいな、がワタクシの最初の感想だった。元々、この国は資源が多いように見えて、実は未開拓地が多い。この国は戦争や紛争などによく巻き込まれる配置上、開拓する余裕もないのだ。だからこそ、この王國は、天然の要塞で敵国からの侵略を幾たびも防いできたのだが、今回ランディス帝国が敵に回るならば、厳しい戦になるだろう。
ランディス帝国の兵は強い、ただただ強い。
ワタクシが、2日前にしたことと言えば、御守りを丹精込めて二人分作って渡したことぐらいだろう。そのために、ワタクシは山奥のハイエルフの隠れ里まで、ハイエルフの文通友達に連れて行ってもらい、破魔矢を生産しておいて、ハイエルフの宴会に付き合わされる。でも、不安も緊張も消えて、リラックス出来たので、人間好きなハイエルフと別れて戦いに挑む。ハイエルフの穏やかな日常は壊させない。ワタクシは、静かにそう決意する。
ワタクシは戦争が始まる1日前に、訃報が届いて誰もいない場所で、哀哭する。その悲しみは、途絶えることを知らない。悲しみの中にも、幸せがあるのならば......
ワタクシは久しぶりに幸せな夢を見た気がする。
ワタクシは戦争当日に配置された場所は、帝国に隣接する平地。先遣隊を奇襲して、情報を伝えさせないという任務を背負う奇襲隊の隊長だった。何故、そうなったのかも理解は出来ていないが、戦いには理性など不要だし、感傷もいらない。
敵軍を倒して、ようやく手に入れた愛しの我が家を守るのだ。奇襲するために、隠蔽魔術を自身の軍勢にかけておく。
先手を打ったのは、まさかの帝国軍であった。
エリューの最大のピンチが幕を開けようとしていることに、まだ誰も気づいていなかった。
一方その頃、南の大陸の西全土を統べる女王エニヂは、謎の直感で、飛空竜兵団を全軍の九割出して、全勢力を使い2日間かけて帝国と隣接するムオ平地へと向かっていた。
「ダーリン、待っててね。アタシがダーリンのピンチを変えてあげるわよ」