不幸中の幸い
家財道具も焼け落ちたと思っていたが、ワタクシの守護者の2人が救い出そうとした結果、衣服などは異空間に収納してくれているらしい。これこそ奇跡だなあとも思いながら、ワタクシはそれを届けて来てくれた『空の神』という遠足の1日後に契約した従魔のおかげである。かの者は空における障害を自由自在に操れる精霊族に似て非なる存在ならしい。ワタクシは『空の神』を使いっ走りにしていることに罪悪感を感じながら、とりあえずお金などは火事場泥棒に盗まれていたのを取り返してくれた、と緊急連絡が届く。
とりあえず被害状況をさっさと確認したいがエルメアにこう言われてしまう。
「心配なのはわかりますけれども、明日に備えて、眠ってくださいな」
ワタクシはその言葉を聞いて最高級のベッドで静かに寝息をたてて、久方ぶりに悪夢を見ずに済んだのだ。
一方その頃、エルメアは静かに寝息を立てている思い人のことを案じながらも、犯人を急いで見つけ出して断罪しなければならないと決意する。
そうしなくては、彼女を案じる存在のせいでこの国が滅びてしまうかもしれないと彼女たち王族は正しくこの状況の危機を理解していた。
ちょうど数時間ほど前、神々は聖教国の人間たちに、神々の裁きを与えるべきかと言うことを会議しあっている。神々が気に入っている人間の2人ともに害を与えて、1人の青年を悪辣なる策謀で殺して、今世で幸せになろうと努力している現幼女の愛しいお家を焼き滅ぼしたまででなく、彼女の宝物の神像をぐしゃぐしゃに踏み潰して壊した。このことは紛れもなく神々の嘲弄であろう。そのような者たちのせいで、神々が望み、そして不可能だと言っていた理想郷が再現されているような国が滅ぶのは少々ではなく、憎悪するには十分すぎるほどの理由だった。さらに、神々には彼女の失われた笑顔をもう一度見たいという願いがあった。
だから神々は彼女に祝福を授けることにした。ありとあらゆる災難から身を守り、神々の加護をより強固にしていく。創造神の加護は創造神の祝福に、破壊神の祝福は破壊神の寵愛へと進化していく。
またその日から聖教国に神罰を与えることを過半数以上の賛成により可決されて速やかに神罰が発動される。ちなみにこの神罰とは、賛成した神々の特性により変化していく。例えば農業神ならば、作物が一切育たないなどなどの神が与える加護の真逆のような立ち位置で、与えられた神罰は愚弄した存在が破滅するまで終わらない。
その日から聖教国は、静かに滅びていき、草も育たない不毛の地へと姿を化した。これにより、聖教国の騒動は終止符がうたれることとなった。




