聖教国vs王國ニヴルレイム
ウィルクネーゼ公爵家当主であるウィルクネーゼ・キュイ・クゼオスンこと俺は聖教国の下劣な戦法で家族を、大切な愛娘を、傷つけた聖教国の軍勢を生かして帰らせるつもりなんてなかったのだ。
だからこそ、俺がまず最初に行ったことは、炎獄結界と呼ばれる逃亡者を焼き尽くし、一片の肉体すらも残さない恐ろしい魔術であった。さらに、俺の忠実なる相棒でありながら、僕僕でもある煉獄に住まう上級悪魔であったスルト=サタンを呼び寄せた。スルト=サタンの炎の魔力を込めた威圧で、敵は壊滅状態である。後は、俺が敵を叩き潰すだけである。
「まだ死んじゃ困るぜ。ドーマン」
俺は、召喚魔術で、煉獄に住まう魔獣を五、六体召喚して、リューカの容態を見に行くことにした。俺に向けられた下手くそな魔術は、残念なことに、俺の僕僕である、炎狼の餌になっただけだ。
振り返りざまに、魔力弾で俺に攻撃をしたゴミを消しておいた。
「後は、好きにしろ!炎狼」
「「「「御意!」」」」
炎狼が念話でそう告げて来て、俺はエルフの城キュイカルに戻った。
キュイカルにいた俺の愛しい愛娘は、エリクサーを振り撒けられて、その目の傷は完治していた。
ただし、エリクサーの効能は失ったものであるのならば、全盛期であった頃のチカラになるのだ。
例えば、老兵士にエリクサーをかけると、若々しく全盛期の肉体に老兵としての技量を持つ兵になれるのだが、しかしこれが良く出来ていて、赤龍の中でも王級の怪物の血と、この王國の中でも、普通に開拓が不可能なレベルなまでに土地が荒れている場所や、S級冒険者のパーティで、完璧なまでに連携をとれていて、さらに、技量を極めた者たちでも、瞬殺されかけるレベルで強い魔物で、赤龍の帝級の魔物が普通に捕食されるような魔物植物がうじゃうじゃいる存在で採れる霊草を採りにいかないといけないらしいうえに、さらにとんでもない存在達の魔境で採れる素材を超一級の技師でないといけない。
そういうのは、俺のお抱えの薬師と王國宮廷医師団にしかできないのである。
さて、この戦争が圧倒的な自軍の勝利で終了した。
自軍での死傷者は数人、敵軍での生存者は0人。
この戦争で聖教国の軍勢は、ほぼ再起不能である。




