覚醒
ウィルクネーゼ公爵家にはある血が流れているといわれている。それは初代魔王の娘の血であった。
初代魔王と初代勇者は約束をして人間界で悪さをする裏切り者の魔族を初代勇者が討伐する代わりに、初代魔王の娘と結婚する栄誉を授けた。
初代魔王の娘と初代勇者は、秘境の地で聖教徒たちから迫害を受けていたエルフたちと獣人たちとともに国をつくった。天然の要請に囲まれた国のエルフ兵は、敵の監視を担当してスタミナのある獣人は、伝令役など戦闘を続けていき、魔王の娘が敵に威嚇をしてなどしていき、領地となった。
魔王の娘には子が2人いた。
弟は分家として公爵家になった。弟は魔王の血を色濃く引き継いでいたために、自分を抑えれるかどうかわからないからという理由もあったからであった。
そんな話を祖父から聞いていたウィルクネーゼ・キュイ・リューカは、いつかその力がきっと君の助けになるよという言葉がわからなかった。
だがしかし、今ならわかるのであった。
内に潜む心の闇に名前をつけよう。
「ルペソナ」
さぁ、私は私が生きるために盗賊といえ、人を殺した罪を受け入れよう。たとえ、それが普遍的な正義でも、私にとっては、それは罪の証なのだから、それを封印し続けよう。




