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プロローグ
夢の中。どこからか悲痛な声が聞こえる。
『誰か…誰かいないのか??』
周りを見回すが、真っ暗で何も見えない。
「…誰?」
暗闇に向かって問いかけてみる。すると、すぐに反応があった。
『俺の声が聞こえるのか?お願いだ、助けてくれ!』
顔が見えなくてもわかる、必死だ。
だが突然すぎて、何のことか理解できない。
「え、なに、どういうこと?」
質問には答えずに、謎の声は続ける。
『やっと見つけた…頼む、この世界を救ってくれ!』
《転送を開始します。》
不意に機械的な音声が鳴り、周りが光に包まれる。
一体何が起きているの??
『説明している時間はない。次の満月の夜に、また会いに来るから…』
「待って!どういうことなの!!」
そのまま私の体は光に包まれ、声は聞こえなくなった。