変態同士の夏冬論争
ちょっと卑猥な表現が……
あるかも?
「夏は良いよな」
今は授業中、隣の席で突っ伏したままの親友が小声で話し掛けてきた
因に今の時間は現文な
「あ?何でよ、夏とか裸でもあちーし」
俺の言葉を聞いた親友はチッチッチと指を左右に振りながらゆっくりと此方を向いた
ムカついたのでペンケースに有った定規の線引くとこで殴っといた
「っきなり何すんだよっ」
「いや、スゲー腹立つから、つい」
「ついじゃねーよ…」
「てへぺろ(*ゝω∂)」
…仕方無いんだ拓、お前がウザイのが悪い
「てへぺろでもねーよ!」
小声でツッコミごくろーごくろー
「じゃあ何だよ」
そうだそうだ、こいつ何か俺に話そうとしてたんだと思い出し尋ねてみる、決して拓が面倒だからではない((
俺は話が有るなら最後まで話してもらえなくても夜は目を瞑ると三分以内には寝れる
…は冗談として、最後まで聞かないと何か気持ち悪いじゃん?
「あーそうそ、夏って良いなって話な」
「そら聞いた」
俺が聞いたのは理由だっつーの
「いやさ、何が良いってやっぱ女子の露出が増える事だよなぁ」
ファッ!?!?!?!?!?
いやいやいや待て待て待てこいつは今何とほざいた
露出?露出が増える事と言ったか?
「だってよぉ、たまちゃん見てみ?あの服」
たまちゃんてのは現文の先生、珠恵で、たまちゃん
俺は親友の指差す方を見た
「どうよ?」
見てみると身長の低いたまちゃんが頑張って黒板に教科書の一文を書いていた…頑張れ
「あの二の腕たまらんべ?」
我が変態親友はどうじゃどうじゃといった顔で此方を見てくる
…後で殴る
確かに淡い水色の、普通のTシャツに比べると幾分か生地が薄く短い袖口から伸びるほっそりとしているが健康的で色白な腕は黒板のドス黒緑なんかよりも目に優しい
目に優しい…しかし
わかっていないのは貴様だ拓!!
「フッ…」
「な、何鼻で笑ってんだよっ!?いーじゃん?制服のブラウスから下着透けたりすんだぜ?」
そんなの…
「夏だ露出だって餓鬼じゃあるまいし」
「何だよロマンがねーの…」
ロマン…ロマンだと?
「ロマンとは冬服にこそ見付けたり!!」
「はぁ?何言ってんだよ冬服とか何が良いんだよ」
だからお前は何もわかってねぇんだって…
「良いか、冬に女子は何を着る?」
「???ブレザー?」
「その下にじゃい馬鹿ちん」
おーおー拓くんや頭に沢山?浮かべちゃって…あ、閃いた
「カーディガン?」
「そう、そしてカーディガンと言えばやはり…萌え袖だっっっ」
え…ちょ、ななな何でそんな顔すんのあらやだ登くん傷付いたわん
「何でそんな顔すんの、良いじゃねーか萌え袖!」
「まじ意味わかんね、え、腕は出してこそじゃん!?」
「ばっか!だぼってる袖口から覗く爪先が愛らしいんだよ」
「いーや、あの半袖から伸びる健康美溢れる二の腕、更に言えばたまにチラリズムってる脇とブラがいーんじゃん」
え…真顔で何言ってんの怖い
「え、ちょっと怖い…じゃあ言わせて貰うけど、ウチの学校の指定コート(女子)の丈…気にした事あるか?」
「え…ねーよ?」
「あれな…スカート折ってる女子だとギリギリ見えるか見えないか隠れるかっつードキドキがあんだよ」
これは拓は弱い筈…
「こえーのは登だろ?んなん体のライン出ねぇだろ?」
何…だと………
拓の奴何時の間に好みがそっちに…
「リボンが付いた可愛い首元!」
「第二まで開いた大胆な胸元!」
「ミニスカとニーソの絶対領域!」
「いやいやミニスカと言ったら太股だろJK!!」
そんなやり取りを(勿論小声で)続けている内にどうやら教科書を読む為に次々と人が当てられていたらしくそれに気付かず拓の名前が当てられた
彼奴はほぼ無意識だったろう…
立ち上がった
「何で夏服のエロさがわっかんねーかなぁ!!!!」(ガタンッ
それにつられ、俺も
「冬服こそエロいっつってんジャン!」(ガタンッ
そして気付く
今は授業中
授業中…つまり…教室内
二人して羞恥に赤面する
周りからはクスクスとゆう笑い声ややだぁとゆう声、わかるぞ、ドンマイとゆう励ましの言葉が投げ掛けられる
「…二人共、今は授業中ですから、私語は…厳禁です…仲里くん、254Pの五行目…読んで下さい」
「は、はい…」
変態同士の夏冬論争…これにて終了日
此処まで読んで下さり有り難う御座います
皆さんはどちら派…いや、何派ですか?
俺はぁ………うん