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君のトナリ  作者: 0407
7/12

6頁目  友達





結局、あれから色々あって家に着いたのが6時過ぎ。蒼が家まで送ってくれた。




「あぁ~!疲れたぁ…」




真っ先に部屋に向かいベッドにダイブした。




「全く、入学式の日から部活見学があるなんて、珍しい学校もあるもんだなぁ」




寝転がりながら今日を振り返ってみた。





(朝からテレビで天秤座最下位だって言われて、蒼が迎えに来て朝から無駄に体力使ったなぁ…)





抱き枕に力を込めた。





(しかも蒼と同じクラスだし、何か知らないけど弓道部に引きずり込まれたし…最終的には「僕が君たちに教えるから」…なんてさ~)





握っている手が震えだす。





(しかも麻倉先輩に手を握られてたし…てか麻倉先輩、ふんわりしてたなぁ~先輩はきっと倉敷先輩が好きよね!)





手の力が抜けてきたのか抱き枕のシワが少なくなった。





(倉敷先輩と言えば、満さんだよね…ちょっと可愛かった、かな……)





いつの間にか、桜莉は寝息をたてて眠っていた。










--同時刻--倉敷家--









「お兄ちゃんっ!今日、カッコ良かったよっ」




満の頬は赤く染まり、軽く興奮気味で兄‥龍に話していた。




「さすが!私のお兄ちゃんだよっ!あの、蒼って子も凄かったけど、やっぱり、一番はお兄ちゃんなの!」




聞いている龍は「はいはい」と適当に相槌を打っていた。




もっと丁寧に付き合ってやりたいところだが、毎日こんな調子なので適当になってしまうのだ。




「そうだっ!お兄ちゃん、私、今日ご飯作ったのよっ!…カレーなんだけど、いい、かなっ?」




満と龍はほぼ二人暮らしをしているようなものだ。




父と母は兄妹が幼い時に離婚。母の元で暮らしているが、母は働き詰めで殆ど家には帰って来ない。




仕送りは毎月してくれているから、生活に支障はない。




ご飯は順番に作っているが、部活で遅くなる日が多いので満がよく作る。




「カレーか。早速食べるか。満が作ってくれたんだからな…」




その言葉が嬉しくてまた涙目になる満。




2人は向かい合わせに座り、手を合わせた。




「そういえば、何で満は弓道部に入るんだ?運動苦手だっただろう?」




ぱくりとカレーを食べながら満に聞く。




「えっとねっ!!お兄ちゃんを見ていたいからとね!それとお兄ちゃんと一緒に帰りたいのとね!お兄ちゃんと…」




顔の前で手を組んで嬉々として自分のことを話すのでいたたまれなくなる。




「……分かった。もう、いい。」




心なしか頭が痛い気がする。




満がこうゆう性格なのは前々からだが最近では更に磨きがかかっていると思う。




「お兄ちゃん?食べないの?もしかして、美味しくなかった?」




じわっと満の瞳に涙が広がる。




「そんなことは無い。最近は更に美味しくなってる。」




ニコッと笑い、満の頭を撫でる。




「本当に!!良かったぁ。」




ホッと安堵の息をもらす。




「朝練も来るのか?明日」




「うん!!行くつもりだよ!!どうして?」




「だったら早く寝た方がいい。」




「うん、分かった!!」











こうして夜は更けていく。










そして、次の日




--天宮家--




ピピピピ

ピピピピ

ピピピピ




「んん………うるさいなぁ…」




カチッと目覚まし時計を止める。




「んー」




昨日と違って寝坊せずに起きれた。




ベットの上で腕を上に伸ばす。




「おーりー?起きてるー?」




1階からお母さんの声が聞こえてくる。




「起きてるよー!」




1階に聞こえるように大きな声で言った。




「……が来て…早く……」




「何ー?聞こえないよー?」




服を制服に着替えて1階に降りていく。




リビングに向かうと蒼が平然とした顔で座っていた。




「何でいるのよっ!」




「おはよう、桜莉」




「昨日より早く来てくれたから、玄関に立たせておくのはかわいそうでしょ?あっそうよ、ご飯はそこに出来てるから、早く食べてね。」




今日の朝ご飯はご飯と味噌汁、目玉焼きだった。




「いただきます。」




顔の前で手を合わせる。




その後に数分とせずに食べ終わった。




その隣で蒼がククッと笑う。




「何よ!?」




「そんなに急ぐこと無いのに。でも、ちょうど良い時間かもね。」




「えっ、うそっ!もう、そんな時間!?」




ガタンっと椅子から立ち上がり玄関へと向かう。




「では、ありがとうございました。」




蒼はお辞儀をして玄関に向かう。




「じゃぁ、行ってきまーす!」










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