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君のトナリ  作者: 0407
2/12

1頁目  春の話





「ほら桜莉、クラス分けだよ。」


 


後ろで文句をブツブツと言っている桜莉を呼んだ。




「蒼とだけは同じクラスになりたくないわね」




と言いながら駆け足で蒼の側に寄った。




「あ~!私A組だっ…蒼は~と…」




言いながら下に目をやっていくと蒼が肩に手を置いて、「残念だったね」という顔をした。




嫌な予感がしながら恐る恐る下を見ていくと、A組の中にきっちり『冥王寺 蒼』の名前が書いてあった。




肩を腰までガクリと落とした。




(何でこう蒼とは同じクラスになるんだろう…)




何て考えていると後ろから声がした。




「ちょっと、いつまでそこに突っ立っているの?見えないじゃない。」




振り向くと、顔の整った子が立っていた。




「あっ、ごめんなさい!」




とその場をどいた。





(あちゃー…もう入学初日から何やってるのよ…!)





また落ち込んでいると後ろから腕を引かれた。




「!?」




「…そこも邪魔になってるよ?」




腕を引いた人物は蒼だった。




「はっ?」




腕を引かれる意味が分からないという顔を、嫌そうな顔で表すと、呆れたように蒼は溜め息をついた。




「そこ、新入生の入り口だから。」




「…あ~…」




納得しました。




そしてまた肩を落とすのだった。





(そりゃあ、入り口の真ん中にいたら通行の邪魔になるよな…)





厄日だ…と小さい声で呟いた。







「ほら、教室行くよ?」




そのまま掴まれた腕を蒼に引かれていく。




「あっ…ちょっ…分かったから、離してよっ。歩きずらいから」




新入生入り口から入り自分の下駄箱を探す。




「えーと、あっあった。」




下にあったためしゃがんでそこに靴を入れ、上履きを履く。




立ち上がるともう既に蒼は上履きを履いて待っていた。




「何でそう行動が早いのよっ!!あんたは」




「そうかな?桜莉が遅いんじゃない?」




ニコリと笑う顔に何にも言えなくなり、俯いてると蒼が手を握ってきた。




「なによ」




「そこ邪魔だよ?また、怒られたいの?」




「言われなくても分かってる!」




「じゃぁ、行こうか?」




蒼が歩き出した。




それに合わせて桜莉が歩く。





(今日最下位って合ってたのかも…あーあ、せめて教室では失敗しないようにしなきゃ)





「~莉?桜莉?」




呼ばれてることに気がついて「はっ。」と我に戻る。




「教室着いたよ?」




「えっ!?あっ、うん。」




教室に入り、自分の席を…




「桜莉の席あそこだから。それと、僕の席はあっち。分かった?」




指を指して教えてくれた…が裏があるに違いない




「蒼の席がどこにあろうと興味ないわよ!」




「うん。分かってるよ。」




そう言うと蒼はするりと握っていた手を離して、自分の席に座った。




桜莉も右手が自由になった途端自分の席へ歩いていった。







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