妄想シアター
この先へ進んで後悔しませんか?
今、わたしは狭い部屋に仲間達といっしょに閉じ込められている。
最近わたし達の仲間が、次々と消える事件が起こっていたので、けっして油断なんかしなかったのに。
家のまわりがなんだかザワザワした。
ここで飛び出したら危険とわたしの本能が告げるのでじっとしていた。
しばらくしたら静かになった。ほっとしたとたん、入口が吹き飛んだ。
何がなんだかわからないまま、布をかぶせられて家から連れだされてしまった。
あっという間で反撃する事も出来なかった。
連れて来られた部屋には、先に消えた仲間達がいた。
皆似たり寄ったりな状況で集められたらしい。食事も十分与えられ、寝床も清潔だが、無理矢理連れて来られた場所に馴染めるはずもない。
隙を見て逃げ出そうとしたが、尽く失敗した。
一体何が目的なのかさっぱりわからない。
そんなある日、3匹の人間が来た。
「あらあら、こんなに震えて。可愛わね。」
クスクス笑いながらわたしを抱き上げる。
わたしは腰抜けじゃない。相手が縄張りを狙って戦いを挑んで来る同族だろうが、天敵たる犬族だろうが、たとえ人間にだって怯んだ事などなかったのに。
この人間はどこか違う。
わたしの体に馴染みのない震えが沸き起こる。
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恐怖の余り固まってしまった猫。耳はペッタリと頭に張り付き、全身の毛を逆立てている。
怪人1「あらあら、こんなに震えて。可愛わね。」
怪人2「怖いことなんかないからね~」
怪人3「お姉さん達が新しい世界へ連れていってあ・げ・る」
クスクス笑いながら哀れな猫達に魔手を伸ばす怪人3人組。
阿鼻叫喚ではなく、絶え間無く咽がなる(以降自主規制)
そうして怪人3人組が立ち去った後には、腰が抜けたかの様に床にペタリと倒れ伏した猫達の姿が累々と残されたのである。
やがて3人組の徘徊する地域からは、猫の姿を見ることは無くなったと伝えられた。
了
怪人の2人は猫好き徘徊仲間のお二人に捧げます(返品可)