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第17話 「近づく二人」

お互いを見つけた恭介と山本・・・


二人は気まずそうにしばらく向かい合った。


「こんばんは・・・」


声をかけたのは恭介のほうだった・・・


「こんばんは、ここで何してるの?」


「あっ・・・なべの奴とちょっと飲みに・・・」


恭介が言うと


一人しかいないことを確認し、


「渡辺君は?」


聞き返す山本


「あっちへ逃げていった・・・・」


指で別の方向をさして


「そういう、山本さんは?」


「わたしもさっきまで、るみちゃんと・・・」


「野村さんは?」


「逃げてったわ!久保君を見て・・・」


「なべも山本さんを見て、逃げてった・・・」


二人に笑みがこぼれた・・・・


そこには両手を組んで話しかける普段の山本がいた


「久保君のおかげで、今日はひどい目にあったわ。」


「そりゃないですよ・・・」


「何?それじゃ私が悪いとでも?」


「いえ」


「それにるみちゃんに説明するのに苦労したんだから・・・」


「すみません。」


「本当に・・・」


「ところで軽くどうです?」と恭介が誘う


「ひょっとして・・・誘ってるわけ?」


その言葉にしばらく考える恭介


そして


「今日は悪いと思って・・・・」


「じゃぁ・・・おごってくれるの?」


「はい・・・」




二人は、近所の居酒屋に消えた。


二人の光景を渡辺と野村は別々の場所で見ていた・・


生中が二杯とどいた。


「とりあえず・・・」と考え込む恭介


その隙に


「久保君の失恋を記念して・・・かんぱーい」とグラスをあわす山本


「し・・・失恋って・・・」


恭介はそう言いながら目の前でおいしそうに飲む山本を見ていた。


「あ~おいしい!」と一口目を飲み、その余韻に浸る山本・・・


それをにこやかに見ている恭介。


「あれ?久保君・・・飲まないの?」


きょとんとした目で山本が言うと


「飲みます。」


と言い恭介は一口飲み


「ひどいじゃないですか。失恋って・・」


恭介が情けない顔をした


「あらそうじゃない・・・どう見ても、もう挽回はできないわ」


山本はさらっと答えた。


「そんな身もふたもない・・・」とうなだれた。


「でも、久保君はついてるわよ」


「なぜです?」


「失恋の記念に私になぐさめてもらえるなんて・・・」


と言い山本はふぅーとため息をついた。


「どうしたんですか?」と聞く恭介


「どうなの?こんな美人を前に・・・」


「・・・それは、ありがたいですけど・・」


「けど?」


「これって・・・傷口に塩を塗られているみたいで・・」


「ちょっと・・・せめてアルコールで消毒してもらっているくらいと思いないよ。」


「アルコール消毒ですか・・・それはいい。」


それまで情けない顔をしていた恭介に笑みがこぼれた。


「そうよ。これが渡辺君だったら、どうなっていたことか。」


「そうだよなぁ。明日には、失恋のうわさが会社中に流れてたかも」


「でも、わたしもしゃべっちゃうかも」


「それだけはご勘弁を・・」


それを見て、山本は再び、ふぅーとため息をついた。


「どうしたんですか?なんかいつも・・・」


「いいじゃないの・・」とまた溜め息をつく・・・


「ほら・・また・・・」


じーっと見つめる恭介・・・・


それに気付いた山本は


「なっ何よ!  そんなに見つめて」と少し恥ずかしそうに言い返す・・


「そんなに大変だったんですか?俺のせいで・・」


「そのことじゃないわよ・・・」


山本がじっと今度は恭介を見つめ返す・・・


今度は、恭介が恥ずかしそうに「なんですか?急に見つめて・・」


「そうねぇ~やっぱり、久保君をお・・・」と山本言おうとした瞬間。


「仲いいでんすね。お二人さん・・」


野村が横から声をかけてきた。

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