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アンケート  作者: 菊池まりな


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第5話 鍵

その日、美佳のスマホには新しい通知が届いていた。


 差出人は「R-000」、差出時刻は未明の3時33分。眠っていた時間帯だったはずなのに、スマホの通知履歴には“既読済”と表示されていた。




 表示されたメッセージは、たった一文。




> 『次の扉は、あなたの記憶の中にあります。』








 美佳は息を呑んだ。ふと、脳裏に浮かんだのは、あの──黒い扉の夢だった。


 重く冷たい鉄の扉。無数の手が伸びてくる。壁に刻まれた、無機質な数字の羅列。




 (……何なの、これ)




 震える手でスマホを伏せ、ベッドに深く沈み込む。


 それでも背筋に這い寄るような感覚が、じっとりと汗になって背中を濡らしていた。




 




 




 午後、美佳は街へ出た。


 繁華街の片隅に、旧校舎を模した建物がある。ガラス張りのアーチと白い壁が特徴的な複合施設──そこに設置された案内板が目に止まった。




> 《藍都学苑 OB/OG 同窓会 ー 特設フロア ご案内》








 その下には、美佳の通っていた進学校「藍都学苑」の旧ロゴがあった。




 (……偶然? それとも……)




 通りすがりの視線に追われるように、美佳は自販機の影に身を隠した。


 と、そのとき、ふいに後ろから声がした。




「……やっぱり、美佳じゃん」




 振り返ると、そこには懐かしい顔──七海彩音(ななみあやね)が立っていた。




 柔らかな笑み。短めのボブカット。


 高校時代、よく昼休みに一緒にパンを分け合った友人だった。




「えっ、彩音……? 本当に?」




「まさかこんなとこで会えるなんて。あ、同窓会……来るんでしょ?」




「う、うん……うん、そう、たまたま見つけて……」




 答えながらも、美佳の脳裏には警戒の灯がともっていた。




 (彩音も“あのアンケート”に──?)




 答え合わせは、もうすぐだった。


 同窓会という名の再会が、美佳を“かつての記憶”と、“失われた真実”の扉へと導いていく。





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― 新着の感想 ―
面白いです、他の作品の激長題名の作品にうんざりしてきてたなか、見つけてあらすじも読んでみたら読んでみたら興味をそそられました。応援します
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