file.2-1 狙われた博物館
あの幽霊屋敷の事件から1ヶ月後……
句崇刃「そういえば…治療の方はどうなんだキサラ?」
鬼沙羅は持っている手帳に文章を書いた
うん…一応お医者様には1週間に一回は見てもらってるんだけど…確かに喉の状態は悪そうって言われてはいるんだ。でも声が出せなくなるほどのことでもないとも言われてるから…やっぱりローレライを無茶して使ったから何かあったのかもと思ってたまに家の蔵をもう少し探してみてるけど…そっちもあまりまだ手掛かりはないね…
句崇刃「そうか…俺も何かしら手伝える状況であれば良かったんだがな…」
渡部「まぁ…所長になっておられる以上しょうがないことではありますがな…」
宏衣「アタシたちがやってもいいとは言ってたけど…出張探偵が多くてどうも事務ワネ…」
句崇刃「本来は俺が動けた方がいいんだが…まあ名織組の手も借りることができるしあまり無理をすることでもないか…」
そう雑談していると一本の電話が入る
句崇刃「何処からかな…っと電話相手は、リアン・モンテネグロ博物館か…ハイエンミュラーが運営しているあの…」
ハイエンミュラー、かつて悪夢となった船での戦いで初邂逅した怪盗である。その後イストリアで戦死したが、キサラの似力で復活して今までの行いを反省した後は、博物館を1から建ててそこの館長になっている…まぁ表向きは義賊みたいなもんだしな、特に他のみんなも今は気にしていない。
句崇刃「もしもし?こちら句崇刃探偵事務所だが…」
ハイエンミュラー「久しぶりだね、句崇刃君」
句崇刃「本人じゃねえか!一体どうしたって言うんだ?」
ハイエンミュラー「単刀直入に言おう、うちの博物館に怪盗からの予告状が届いている。それの事件解決をお願いしたいんだ…」
句崇刃「ん……?それならそこにいる探偵事務所とかに頼めばいいのでは?」
ハイエンミュラー「それがそうもいかないんだ…何故なら僕の部屋に直接刺された予告状には僕がフェルヴェーレングにいたことを知ってるとも書かれていてね…」
句崇刃「…つまり元フェルヴェーレングの誰かがやっていると?」
ハイエンミュラー「その可能性が高いってことでね…だからできれば関係してた君の力を貸して欲しいってことなんだ」
句崇刃「まぁ…事情が事情だし協力はするが…こっちから他に誰か連れて行った方がいいか?」
ハイエンミュラー「まぁ…フェルヴェーレングのどうこうは僕と君で解決すればいいから…そっちの事務所から応援出してもいいし…他の知り合いから募ってもいいよ…そこは任せる」
句崇刃「まあ大変そうだってのはわかったよ、こっちでどうするか決めてからすぐそっちに向かうな」
ハイエンミュラー「ありがとう…こんな自分勝手な依頼ですまない…」
句崇刃「そんなこと言うな、頼られるのも探偵の仕事のうちだ」
そうして電話を切る…
句崇刃「さてと…どうしようか」
宏衣「マタ、依頼ですカ?」
渡部「もし某達の力が必要であれば一緒にいきましょうぞ!」
句崇刃「そうだな…少し考えてみるよ…」
〜そうしてリアン・モンテネグロ博物館へ〜
ハイエンミュラー「ようこそ…前に招待した時以来だね。それで連れてきたのは…」
渡部「やぁやぁ!貴方が句崇刃殿のご友人の!某は渡部鴉刃之介と申します!是非よろしく!」
ハイエンミュラー「またなんかかなり古風な探偵さんだね…ちなみになんでこのお方を連れてきたんだい?」
句崇刃「うん?普通に似力採用」
渡部「言い切りましたね…まあ間違ってないんですが…」
そういうと渡部は右手をかざす、するとそこに数羽のカラスが集う
ハイエンミュラー「これって…カラスを操ってる?」
句崇刃「まあカラスってより結構動物全般いけるな…まあどうせ怪盗は夜に現れるだろうけどワンチャン昼に来るかもしれないから両対応できる人をって思ってな」
渡部の超常似力は鳥獣手飼、その力は近くにいる人間以外の動物を一種類と意思を疎通して行動させることができる。
渡部「できれば近くに自然にいてくれるのが助かりますが…念のためいつも連れているカラスの秀羽だけは連れてきましたよ」
そういうと離れていくカラスの中で一羽だけ肩になったままのカラスがいた
ハイエンミュラー「確かに探偵として良さげな能力だね…僕はハイエンミュラー、よろしく」
句崇刃「とりあえずどういった内容の事件か、聞いてもいいか?」
〜そうして3人は応接室で話し合いをすることに〜
ハイエンミュラー「ことは数週間前のことなんだ…いきなり僕の執務部屋に一枚の予告状が刺さっていた、当然場所なんて従業員ぐらいにしか伝えてないし直ぐに聞いてみたがその時は誰も部屋に入ってないらしくてね。」
句崇刃「それで怪盗の仕業だと?」
ハイエンミュラー「うん、僕がやってた怪盗としてのやり方と酷似してるなと思ってね。そして直ぐ予告状を見たらこう書いてあった」
私はこの博物館へ盗みを3回働く…
一つは最高級の宝石を…
一つは負をもたらす絵画を…
そして最後には…
私は貴方が裏でやってきたことを全て知っていますよ
渡部「なるほど…確かにこれからの盗みの予告状ですね…」
ハイエンミュラー「盗みの予告状だけなら良かったんだけど最後の一文がさ…」
句崇刃「知っているって…これフェルヴェーレングのことだよな?」
ハイエンミュラー「そうなんだよね…でもそのことは漏れることなんてあるのか?って思ってて、だから元フェルヴェーレングなのかなって。実際最悪生きれるようにって盗みを教えてしまった子供はそれなりにいてね…今となっては後悔しているけど」
渡部「まぁ…生きさせるためとはいえ盗みの技術が世のためいいとは言い難いところはありますが…それでもそれで助かってる人はいると思いますよ」
ハイエンミュラー「……ありがとう。とりあえずこの3回の盗みを阻止して、あわよくばこの怪盗の正体を知りたい…それが依頼だ」
句崇刃「わかった…俺も無関係とはいいがたいしな…受けるぜ。とりあえず今後どうするか決めていこう」
渡部「しかしいつ来るかわからない、しかも3回もですか…」
ハイエンミュラー「いや…1回目と2回目は実は何故かいつ来るか書いてあるんだ…」
句崇刃「えぇ…もしかしてそっちはあまり重要じゃなくて、もしかしたら最後の盗みに何か意味があって他はカモフラージュなのかもな」
ハイエンミュラー「ちなみにこの最高級の宝石と負をもたらす絵画は多分これっていうのは検討がついている、今から見に行くかい?」
句崇刃「そうだな…見ておいて損はないだろう」
〜そうして3人は宝石の元へ…〜
句崇刃「これは…確かに凄い輝きを放つ宝石だな」
渡部「確かにこれを盗めば生活などには困らないとは思いますが…」
ハイエンミュラー「まぁ、あくまでこの博物館で一番価値がありそうな宝石がこれってだけだからね…ちなみにこれはこの博物館を建てるまで他の場所で頑張ってた時に是非と気のいい老夫婦に渡されたものでね…流石に僕としても盗まれるわけにはいかない」
その顔は少しの覚悟が取れて見えた
句崇刃「そうだな…次は絵画の方を見てみよう
〜続いて絵画の方へ…〜
渡部「これは……確かに負と呼ばれても仕方ないぐらいかなり恐怖を煽る絵画ですね…」
句崇刃「これ…誰が書いたんだ??」
ハイエンミュラー「ユーロディッヒって人が書いた、デッドリー・カンフルっていう絵画で…彼の遺作なんだ…」
句崇刃「何かあったのか??」
ハイエンミュラー「あぁ…彼は元々絵を描くにつれて精神的に参っていることが多くてね…僕はあまり関わりは少ない方だったけど。それでこれをかきあげた後に自殺しちゃってね、他のところも気味悪がって引き取らないからウチで引き取ることにしたんだ」
句崇刃「それで今は大人向けのところに置いてるってことか…」
ハイエンミュラー「関わりが少ないとはいえ彼の他の作品もここに渡してくれたのが何枚かあってね、だから遺作でも世に出ずじまいなのはどうなのかなって思ってさ…」
渡部「いい心がけではないでござるか」
句崇刃「とりあえず戻ってどうするか決めるか」
〜そうして応接室に戻ってくる3人〜
ハイエンミュラー「とりあえず1回目の盗みは明日で、2回目の盗みはその2日後だと書いてある…全てを鵜呑みにするわけじゃないが、フェルヴェーレング絡みなのもあってあんまり嘘をついているようにはな…」
句崇刃「とりあえず警備自体は毎日やるから、明日の盗みとやらに備えていこうか」
幽霊屋敷の事件から一ヶ月後、キサラの体調を気遣いつつ雑談していると、あのハイエンミュラーから電話がかかってくる。どうやら運営している博物館に怪盗の予告状が届いたらしく、しかもそれは元フェルヴェーレングの可能性が高いことが知らされる。そして句崇刃は渡部と共にリアン・モンテネグロ博物館に向かい、ハイエンミュラーから話を聞くことにする。そうして予告状に何故か書かれていた1回目の盗みの日である明日に向けて作戦を立てていくのだった…
file.2-2に続く…
???「………ッチ、まさかあの探偵に助けを求めるとはな…だが私に迷いはない、為すべきことは決まっている」




