file1-4 地下のスクリーム
前回のあらすじ
2階の捜索に踏み込んだ2人は初めの部屋でここの居住者が女の研究者か発明家であることがわかる、さらに次の部屋で鍵を使おうとしたが使えず普通にキレる。そしてその後に行った展望テラスでグーレウスと戦闘になるが、背中のスイッチをOFFにして勝利する。そして2階を探索しても見つからず、一階の壁を調べていると地下への道が見つかるのだった…
句崇刃「やっぱ地下だと暗いな…今懐中電灯つけるな」
剣呑「地下か…不測の事態でないことを願うだけだが…」
句崇刃「それもそうだな、とりあえず近場から少しずつ調査していこう…何かあったらとりあえず出口まで逃げることにしとこうか」
剣呑「それで構わない」
そうして2人は地下の捜索に…
句崇刃「うわ、わかりやすく牢屋だなぁ…」
剣呑「こんな古典的な牢屋、罠かもしれません」
危機管理、大事
入ったら閉められるとかありそうだもんな
うらめしやされるかもしれない
句崇刃「そうだなぁ…でもなんかあるかもしれないし俺一人で入ってもし扉が閉まったらそん時は頼む」
剣呑「あっ…あぁ!任せてくれ」
お前…なんて荷が重いことを
パワハラですか?
電話番号はっと…
句崇刃「実力を信じてるってことにしてくれ、それにまだ何が起こるとか決まったわけじゃないしな」
そうして句崇刃が足を踏み入れるが、特に何も起きなかった
句崇刃「まあとりあえずは良かったとするか…何かあるのかな…」
そうして牢内の物色をしていくと…
句崇刃「これは日誌か…?何が書いてあるのか…」
そしてその日誌には以下のことが書いてあった
この牢に閉じ込められてから適度に生かされているように感じたこと
週に一度は目隠しされて何かをされているかもしれないと感じるようになったこと
他にも人がいることを感じたが次第にそれも消えていったこと
そしてこれ以降のページには何も書かれておらず
背表紙には血がついたような跡があった
句崇刃「マジか…地下でこんなことが、だから入り口はああいう風に隠されてたわけなのか」
剣呑「このような行いは許してはおけぬ」
そうだよな
まさか本当に幽霊屋敷だったのか!?
それともその研究者って女が余程ヤバいやつなのか
句崇刃「もしその女研究家が黒幕だっていうなら、そのツケは必ず払わせる。もしそれ以外で過去になんかあったりしたのなら、探偵としてその謎は解き明かさなければならない」
剣呑「そうだな…犠牲者の為にもここで止まるわけにはいかない…」
そうして2人は更に奥へと進んでいく…
句崇刃「にしても地下とは思えない広さだな…」
剣呑「そうだ…な?」
剣呑が俊敏に振り返る…その先にあるのは壁だった
句崇刃「そっちに何かあるの……なんだと?そこはさっき来た道のはず…」
剣呑「不味いですね…既に敵の術中かもしれません」
句崇刃「出口を塞ぐってことはこっちを誘導してるのか??戻れねえなら先に行ってみるしかねえか」
〜2人は更に奥に進む〜
句崇刃「この部屋は…テレビ?なんでこんな地下室なんかに…」
そんなことを言っているとそのテレビからホラー映画が流れてくる
剣呑「キャッ!?」
句崇刃「うぉ!?いきなりだな!って大丈夫か??」
剣呑「すいません…ホラー系は苦手で…」
句崇刃「そうか……とりあえず消すか」
そうしてテレビを消そうとするが電源が落ちない
句崇刃「チッ…人を怖がらせることに余念がねえ…な!」
句崇刃のかかと落としでテレビは壊れた
剣呑「あぁ…怖かった」
かわいい
今度は怖がらないようにしようね
この地下で怖がらせることに意味があるのか??
句崇刃「恐怖……恐怖か」
剣呑「何か思いつきましたか?」
句崇刃「いや、師範代の信館さんから聞いたことがあるがそういう恐怖を元に増長する妖怪とかがいるって話をな…」
剣呑「なるほど…バケモノの仕業であればいいのだがな…」
〜更に奥に進んでいく2人〜
句崇刃「この牢屋は……クッ…」
剣呑「一体何が…」
句崇刃「見ない方がいい…配信にも映せねえ」
句崇刃の眼前に映るのは白骨化した死体だった…数人分はある
剣呑「まさかそこにあるのは…」
マジかよ
スクエナカッタ…
句崇刃「まったく……察しのいい連中と新人で困るぜ、俺は」
まあでも俺たちも事件を見に来てるわけだしな…
今更気を遣わなくてもいいやつも多いだろうぜ
句崇刃「ありがとな、みんな。とりあえず早めに事件は解決するに越したことはねえ、先に進もうぜ」
剣呑「そうだな…事件解決することで弔いとしよう」
〜そうして奥に進む中で色々な恐怖を煽る部屋を見てついに最奥部に繋がるドアに到達する〜
剣呑「ここにいるのですね…全ての元凶が!」
句崇刃「そうだな…どっちか知らねえが!ツケは既に許容範囲を大きく超えてるぜ」
そうして2人はドアの先に入る…
そこにいたのは顔のない八つの尾が生えた大狐のようなバケモノだった
このバケモノはその後、禅尾の座する禍狐と仰々しい名前がつけられて、事件解決後に研究されている。長々しいのでよく禍狐と呼んでいる。
禍狐はけたたましい叫び声をあげるが、ここに来た2人ともがまったく恐怖せずにこちらに立ち向かおうとしてくるのを見て、少し興味が湧いたのか攻撃をしてみることにした
句崇刃「そんな軽い攻撃じゃダメージにもならねえぜ!」
剣呑「全くだ、この程度で仕留めることなどできぬ!」
2人は難なく攻撃をいなしていく
禍狐は更に攻撃をしていく…
句崇刃「思ったより強くはなさそうだな!鬼突破!」
剣呑「居合!桐冨士!」
しかし2人の攻撃は禍狐には当たらない
句崇刃「何!?すり抜けただと!?」
剣呑「まさかこのバケモノには攻撃が通用しないのか!?」
マジかよ
難敵だな
どう攻略するのか
句崇刃「うーん、無理やりしてもいいけど新人ちゃんもいるしなー…」
えぇ…
無理やりで解決できるのかよ
こわ…
剣呑「私のことは別に…」
句崇刃「いや…良くて生き埋めだから流石に…」
剣呑「スンマセン他の方法考えてください…」
そんな話をしていると一つのコメントが見える
あれ?さっきまで閉じてた道開いてないか?
句崇刃「本当だな…なんで今になって戻れるように…とりあえずチャンスだな!」
そういうと句崇刃は剣呑を抱えてきた道を引き返す!
剣呑「えっ!いきなりどうしたのですか!?」
責任!
女の子には刺激が強すぎるよ…
句崇刃「アイツはわざわざ自分のフィールドに誘き寄せてきた、つまり地下ではアイツに攻撃が通用しない何かがある可能性がある。わざわざ敵に有利なフィールドで戦ってやる必要もねえ、それに広いとかなら最悪俺も暴れられるしな。」
剣呑「そ、そうか…とりあえず一回屋敷に戻って対策を立てるってことでいいのか?」
句崇刃「そうだな…流石にあんなのそのまま地下に置いておくのは不味いから討伐するしかなさそうだしな」
〜そうして2人は一階の屋敷に戻ってきた〜
剣呑「それで結局どうするのですか?」
句崇刃「最悪は俺が暴れてなんとかする……屋敷の修理費は考えたくないな」
剣呑「最悪はってことはまだ手があると?」
句崇刃「あぁ…この屋敷でまだ会ってない人物がまだ1人いるだろう…」
剣呑「ここにいるであろう研究者さんか」
句崇刃「あぁ…敵であれば締め上げて対抗策なりを吐かせればいいし、味方なら早めに話し合ったほうが何か解決策が出るかもしれない」
そうか…どっちの立場でも会うべきなのか
しかし敵であればリスクもあるか
句崇刃「ただまあ、普通に敵ではないと思ってるよ、あんなバケモノを使役してるならわざわざロボ作る必要なんてないだろうし」
剣呑「居場所を知っていそうなのは…まあ」
句崇刃「あのロボに聞いてみるしかないな」
〜そうして展望テラスに戻ると、既にグーレウスは動いていた〜
グーレウス「アッ!サッキハヨクモ!テカマダイタンダネ、ハヤクカエリナヨ」
句崇刃「地下に行って狐みてえなバケモンと会ってきたよ」
グーレウス「エッ…アレト?シカモソノママニゲキレタノカ…」
剣呑「やはり何か知っているのですね」
句崇刃「俺たちはここが幽霊屋敷だという通報を受けて調査している、そしてそれは間違いではなかった。事件解決の為に俺たちをお前のご主人と思われる人の所に案内してくれないか?」
グーレウス「エッ…デモォ?」
???「いいよ、そいつら連れてきな。手をこまねいてるばかりだったけど突破口がありそうだ」
グーレウス「マー、マスターガイウナラ…ツイテキテ」
そうしてついて行った先にあったのは天井についている避難用に使われそうな扉だった
句崇刃「なるほど…天井裏か。わかりにくい配置にしてある」
剣呑「一体どんな人なのだろうか…」
グーレウス「マスター、ツレテキタヨ」
童鏡「初めまして、私が発明家にして研究者の童鏡・T・スーリアだよ」
壁に隠されていたボタンによって現れた地下室に踏み込んだ2人は、そこで人の恐怖を煽る数々の状況を目にして、奥に待ち構える存在に立ち向かう決意を固める。そこにいた禍狐と戦闘になるが、攻撃が通らず千日手になってしまう。一度屋敷に戻ってグーレウスに会い最後のピースとなる女研究者(?)の元に行く。そこにいたのは発明家であり研究者の童鏡・T・スーリアだった!果たして禍狐をなんとかすることはできるのか!?
file1-5に続く…
禍狐
人の恐怖を糧にする1世代前の妖怪とバケモノのなり損ない。しかし恐怖の際限はない為、時に凶悪な個体も存在する。




