file1-2 ポルターガイスト
前回のあらすじ
先輩探偵のエマから噂の幽霊屋敷の依頼を教えられ、事件解決に向かった。共同捜査となり、新人探偵の剣呑身怜と一緒に一階から調査するがいきなり手荒い歓迎を受ける…
句崇刃「にしてもこの部屋結局何もなかったな…」
剣呑「………そうだな、次の部屋に向かおう」
にしても広い屋敷なのにあまり部屋が見当たらねえな
元々古めの建造物だからな
やっぱり幽霊がいるんじゃ…?
〜次の部屋に〜
句崇刃「この部屋にはなんか手掛かりあるといいが…」
剣呑「(やっぱりあの事件を解決した名探偵…所作全てがかっこいい…ってしっかりしなさい!今は仕事中でしょ!?)」
句崇刃「ん?どうした、初めての探偵業で疲れているのか?」
剣呑「ん゛っ!なんでもない…」
句崇刃「そ、そうかなんかすまねえな」
あ〜、今のは名探偵さんが悪いんだ
年頃の女の子にそんな刺激の強いことを…
責任!責任!責任!責任!
句崇刃「えぇ…今の俺が悪いのか…幼馴染のアイツにはウケがいいんだが、一般的にはそうでもないのか」
剣呑「(幼馴染の子がいるのですか…まぁこの方にいい人がいないわけありませんね)」
句崇刃「気を取り直して調査するか…」
剣呑「そ、そうしようか…」
動揺隠しきれてませんよ
でも幼馴染の話が出たから少し落ち着いたよな
まあまた頑張ろうな
そうして部屋の中を探索していく中、剣呑が棚にある一冊の本を見つける
剣呑「……これ」
句崇刃「なんだこれ…学術書か??」
見つかった本は何かの学術書だった。すぐに開いて中身を見ようとしたが内容は全く訳のわからないものばかりだった。
句崇刃「この本におかしなところは…ん!?」
よく見ると本の背表紙に指紋のような汚れが残っている
句崇刃「これは確実に人が読んでいた形跡があるな…やっぱりこの屋敷には人が住んでいる??」
そうした思案を巡らせていた瞬間だった
剣呑「!?キャアアア!」
句崇刃「何!?周りのものが勝手に動いただと、まさかポルターガイストか!?」
まるでその部屋にいるものに危害を加えるかの如く椅子が跳ね回ったり棚が倒れようとしたり壁に飾ってあった絵画が不規則に浮いていたりする。
句崇刃「おい!大丈夫か?」
剣呑「あぁ…まだ怪我はしていない」
句崇刃「クソッ…とりあえずなんとかするかしねえか!」
そうして2人はポルターガイストに立ち向かう
句崇刃「鬼岩拳!」
剣呑「居合!一都裂!」
2人は徐々に暴れる無機物達を鎮めていく
句崇刃「鬼破攻!」
剣呑「居合!裁禍是!」
そして2人はポルターガイストを完全に鎮めることができた
句崇刃「ふう…なんとかなったか、怪我はないか?」
剣呑「あ、あぁ大丈夫だ」
句崇刃「にしても人がいるのか幽霊がいるのかどんどんよくわからなくなっていくな…」
そうして2人はポルターガイストを沈めたが…
2人とも!?後ろ!!
おい!気づいてくれ!
句崇刃「…!?おい!危ねえ!」
剣呑「えっ…」
2人の後ろにあったガラス戸のタンスがポルターガイストの影響がなくなることで倒れ込んでくる!
剣呑「(これ…間に合わ…)」
危うく剣呑が巻き込まれようとしたが…
剣呑「….えっ……句崇刃さん!?!?」
句崇刃が身を挺して庇ったことで剣呑は無事だった
お、おい!大丈夫か!名探偵!!
ガ、ガラスが背中に
配信見てられねえよ!!
句崇刃「っ…大丈夫か?」
剣呑「……句崇刃さんこそ!血が!」
句崇刃「流石に傷が大きいな…アレを使うか、悪いけど一旦配信を切るぞ」
そうして配信停止のボタンを押した後句崇刃は自身の力である根源の鬼の力を使い治療を開始する
剣呑「…!?傷が…それが句崇刃さんの?」
句崇刃「まあ俺の似力みたいなもんだ、回復できたら色々できるんだがまあちょっと事情があってあんまり見せるわけにはいかなくてな」
剣呑「その…私は見てしまったのだが…」
句崇刃「真面目な君のことだ、そうそう言いふらしたりはしないだろうし探偵が守秘義務を守らないのはな」
ちょっとおどけてそう発言してみせたが…
剣呑「そ、そうか…信頼されているのだな…」
その顔は少し照れているように見えた
句崇刃「(どうして照れているんだろう…またなんかやっちゃったか?)」
とりあえず傷を癒した句崇刃は配信を付け直す
句崇刃「悪いなみんな!怪我は治したから安心してくれよな!」
えっ!あの傷をこの短時間で
何があったんだ
これも似力なのか?
句崇刃「うーん、あんまり詳しく話すことはできねえんだ。すまんなみんな」
やっぱりあの大事件の時に何かあったのかしら
私心配だわ…何か起こるかもしれなくて
まあでも今はこの子を信じてあげましょ
剣呑「(苦労されているのだな)」
そうして部屋がぐちゃぐちゃになってしまったが…
句崇刃「ん?これは」
そこにあったのは明らか何かのソースが付着していた割れた皿だった
剣呑「これは…やはりこの屋敷には人が…」
句崇刃「にしては入り口の鍵は閉めないし、人が入ってきたのにも気づかないのか…トコトン不用心なやつなのか??」
はえー幽霊屋敷かと思ってたけど人がいるのか
もしかして夜に肝試しに行った時に見た人影はここの居住者の可能性があるのか
人が住んでるなら幽霊屋敷にならないと思っていたが…
句崇刃「どちらにせよここには人がいる、まずはそいつに話を聞かねえとな。そしてもしそいつの仕業だった時は…締める」
剣呑「……お顔が怖くなっていますよ」
こわー
居住者の人はやく逃げてー!
怒ってる顔もいい…
句崇刃「とりあえずこの部屋に入ったことで人がいることがわかっただけでもデカい、まずはそいつに会いにいくか」
〜そして廊下に出る〜
句崇刃「とりあえず他の部屋にも行くか」
剣呑「そうしよう…」
句崇刃「そういえばその居合、誰かに習ったのか?」
剣呑「居合自体は独学だ…そこに至るまでの教えを貰った人はいますが…」
句崇刃「独学でこの強さか…凄いな。俺の知り合いにも剣の腕がすごい立つ人がいるが、少しその人の剣技に似た感じがすると思ってな…」
剣呑「句崇刃さんの知り合いの剣士ならばきっとお強い方なのでしょうね。そんな方と比べられるぐらいに思っていただけるのは素直に嬉しいです。」
その顔は褒められた嬉しさで笑顔だった
句崇刃「(よし!今度は上手く話せたな)」
そうして一階の他の部屋にも探りを入れてみたが…
句崇刃「他に見つかったのはこの鍵とこの書類の束だけか…」
剣呑「しかもこの書類…濡れていて読めない、やはり杜撰な人間だなここにいるのは」
句崇刃「一回の部屋は鍵が掛かっていなかった…つまりまあこの鍵は十中八九二階のどこかの部屋だろうな…もしかしたらその部屋にいるのかもな」
そうして2人は二階に登る階段がある玄関前に戻ってくる
句崇刃「それじゃ二階も調査するか!休憩しなくて大丈夫か?」
剣呑「……問題ない」
そうして二階に登ろうとするが、上からパキッと音がする
句崇刃「なんだ?っておいおいおい」
剣呑「………危ないな」
階段上の天井に吊り下げられてたシャンデリアが根本から折れて階段に落ちてくる。幸い2人ともこの屋敷がもう普通じゃないことに気づいているため警戒心は高く、すぐに回避した。
句崇刃「さっさと住んでるやつ見つけて事件解決するか…」
剣呑「………そうしよう」
噂の幽霊屋敷の調査を続け、次なる部屋に入るがそこでポルターガイストに襲われる。2人は撃退することに成功したが倒れてきた棚から剣呑を守るために句崇刃が大怪我をする。
それを治療した後その部屋から見つけた指紋のついた本やソースのついた皿を見つけたことでこの屋敷には居住者がいることがわかった。そして廊下で親睦を深めた後、残りの部屋から鍵と濡れた書類の束を見つける。そして鍵を使うため二階に行こうとするが、階段上のシャンデリアが落ちてくる。果たして二階ではどんな謎と現象が起こるのか!
file1-3に続く
???「オァァァ…プシュアァァ…」




