2-3 性奴隷…剣奈の絶望…(イラストあり)
「昨日の大地震にはびっくりしたがの……」
「ああ、山に見回りに来たらまさか縛られた小娘が転がっとるとはの」
「篠がおらんようなってどうもやる気が起こらんなったが、こんな上物が転がっとるとは」
「昨日の地震は我らが神様のご加護っちゅうことか?」
「ちげえねえ。これぞ天の恵みっちゅうもんだ」
「しかしのう。抱くにはちいと幼すぎはせぬか?」
「わしは全然いけるがのう」
「しかしなんでこの娘は縛られておるのだ?」
「生贄にされたのではないか?雨乞いのために龍神様に捧げられたとか」
「むふふ。とするとこの娘を探しに来るやつらはおらんということか」
「ならやりたい放題じゃのう」
「ぐひひひひ」
「ん……」
「おや気づいたようじゃぞ」
剣奈の耳には男たちの声が何処か遠くから響いていた。
シュッ
ナニカがはまった感触がした。突然剣奈の耳に男たちの声が生々しく聞こえ始めた。その声はだんだんと近づいてきた。生々しい声であった。剣奈はこれが夢ではなく、現実だと感じた。
「あっ。い、いや。い、痛っ!」
剣奈は自分が高小手胸縄縛りされていることに気づいた。
「あれ?なんでボク、ボク……縛られてるの?」
「ボクだと? 奴婢か?」
今日では男子が自分を指す呼称として「ボク」は普通である。しかし室町時代後期から戦国時代にかけての世では「ボク(僕)」と自らを呼ぶことは極めて異例であった。貴族や武士どころか、庶民でさえ、である。
この時代、「ボク(僕)」は男の召使い、しもべなどを指す言葉だったのである。自らへの「ボク」は下男や奉公人、下僕、奴隷などが主人や目上に自らを低く卑下するときに使う言葉だったのである。「ボク」という名乗りは、男たちに強いへりくだり、謙称や従属を感じさせた。
しかも、である。緊縛された小娘が「ボク」という蔑みの男性呼称を名乗っているのである。それは「奉公人?」、「下働きの身分?」、「奴隷?」などの詮索をはるかに超えさせてしまった。それらよりもさらにひどい身分蔑視の対象に剣奈は自らを貶めてしまったのである。
剣奈はそれに気づいていない。
「ボクだと? 奴婢か?」
小娘の腕は背後で交差させられ、大きく反らされ、高く縛り上げられていた。縄が肩の付け根に食い込んでいた。
乳房の上下できつく緊縛された縄は剣奈の小さなつぼみを強調させていた。
男たちは天から降った美しい獲物に気色ばんだ。
「奴婢、奴隷なら何をやっても構わねえよな?さては……そんな小さななりして性奴隷かっ!」
「ちっ、違…っ、痛っ…」
男たちの足音が、剣奈に近づいた。
「性奴隷の分際で白を切るとは。どこから逃げてきやがった?」
「そっ、そんなのじゃ…!」
剣奈は反論しようと身をねじった。言葉の前に、縄が剣奈の身体をきつく締め上げた。手首が、腕が、そして胸が激しく締め付けられた。
「あっ!かはっ!」
「へへっ」
誰かが低く笑った。
「ふん……縛られた姿でどうした?売られた先から逃げてきたのか?」
「ほう……濡れておるな。さては川を渡って逃げよったか?」
「いやいや水の濡れだけじゃねえよな」
「はは、もっともだ」
胸縄が剣奈の呼吸と言葉を奪った。剣奈は短いあえぎ声を洩らした。
「あっ、ああ……」
「へっ。煽るじゃねえか。そんな小さいなりしてもう淫売か?もう待ちきれねえってか?」
男たちはゲラゲラ笑って剣奈を取り囲んだ。
クイッ
「あっ」
男の指が剣奈の顎を持ち上げた。剣奈の視界に粗野な笑みが迫った。剣奈は恐怖にガタガタ震えた。それは男たちの嗜虐心をさらに煽ることになった。
「助けは来ぬ……なら、好きにしても良いよな?」
◆イラスト 性奴隷…剣奈の絶望……
「そうだ。覚悟しな。お嬢ちゃん」
「へへへ。その顔そそるぜ」
「ヒイヒイ言わせてやるよ。毎晩な」
「ぐへへへへ」
薄闇の中、男たちの嘲笑が響いた。それは縄のきしむ音と混じって剣奈の心を絶望で満たした……
「かはっ」
男は無造作に剣奈を持ち上げて肩に担いだ。剣奈は男の肩で弓なりにそらされた。背骨が痛んだ。胸の縄がさらに胸郭に食い込み、息苦しさを増した。
剣奈の瞳に青白い三日月が見えた。その輝きは美しかった。しかしその光は遠く、剣奈に慈悲の手は差し伸べてくれそうになかった。
「だ、誰か…… 助けて……」
ポトリ
剣奈の瞳から涙が流れた。男たちは剣奈を担いで水辺から遠ざかっていった。
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助けは来ぬ…
好きにして良いよな?
薄闇の中、男たちの
嘲笑が響いた
縄のきしむ音……
剣奈の心に
絶望が満ちた
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