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【4位感謝】水牢に沈む濡れ髪の女 奴隷貿易と赤い女の幽霊…地図にない場所…描けない池…  作者: 夏風
第一章 水牢に沈む濡れ髪の女 奴隷貿易と赤い女の幽霊 剣巫女・剣奈の肝試し
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11 最終話 剣奈、鍾乳洞で渾身の巫女舞を舞う

「ひどい……」


 あまりに壮絶な仕打ちに剣奈は絶句した。


 アタ……シ……ハ…………

 ムラデ……ミ……ンナト……

 ト……モニ……イキタ……カッ……タ……


 池に沈められた篠の思念は強く残った。篠は助けてくれた村のみんなと一緒に生きたかった。村に恩返しをしたかった。弥右衛門様、皆様に恩返しがしたかった。どうしてこんなことになってしまったのか。笑顔が足りなかったのか。もっと自分から誘えばよかったのか。

 そんな想いが篠をこの地に縛り付けた。成仏できなかった篠はときおり水にゆかりのある場所で目撃されるようになった。

  

 篠の「村に恩返しせねばならぬ」、「男に奉仕せねばならぬ」との強い思念は周りに漂う思念を引き寄せた。

 死の思いにとらわれた者も知らず知らず引き寄せられた。入水して命を落とした者たちの成仏できない魂は篠に引き寄せられて篠を取り巻いた。

 やがて怪異や幽霊の目撃談や入水の名所などの噂が広まった。それを恐れた人々の想いもまた思念エネルギーとして篠の思念に捕らわれることになった。

 人々は怪異を恐れた。祟りを鎮めるために幾度か池に人身御供が沈められた。「サンマ」である。しかしそれらはむしろ篠を取り巻く怪異エネルギーを増幅させる糧になるだけだった。

 

 篠を取り巻く思念や魂塊は繭となり、成長して怪異「赤い服を着た女」あるいは怪異「白い女」になった。金山ダムの噂、「赤い服の女を見た」、「すすり泣く声や子守唄が聞こえる」。鮎屋ダム下流の鮎屋の滝の噂、「滝に向かって歩いていると背後に白い女が立つ」、「けして振り返ってはならぬ」。

 篠が最後に着ていたのは白の肌小袖だった。背中から貫かれて赤く染まったものの、足や腕は白いままだった……

 

 「村に恩返しせねばならぬ」、篠の強い想いから水辺に近づいた男を追うのが怪異の本質となった。明確な意識がないまま篠は水辺に近づいた男を追いかけた。「男に奉仕せねばならぬ」、篠はそう信じ込まされていた……

 追いかける男に追いつくと篠は奉仕をするために前に回り込んだ。しかし篠の手はもはや生身に触れることは出来なくなっていた。

 奉仕できぬ無念をかかえたまま篠は水にもどった。篠が消えたあと、篠のいた場所には水だけが残された…… まるで篠の涙のように……


「もてなしが足りなかったから村を追い出されたのだ」


「心を込めて沢山もてなせば村に戻れる」


 もてなせない悲しみが募るごとに篠の「想い」は益々強く重くなった。想いの折り重なった強力な思念核はますます浮遊霊や人を引き寄せるようになった。そして篠の自我が薄れるとともに纏わりつく相手の性別は関係なくなった。


 篠のもう一つの心残りは産めなかった我が子だった。恩ある村の子。篠は子を産み、村に感謝をしつつ育てたかった。

 恩に報いられず水に流してしまった子を想い篠は涙を流した。悲しげに哭いた。声を聞いた人は「すすり泣く声が聞こえる」と怯えた。噂が広まった。

 

 流れた子を想う慚愧の念は篠に子守唄を唄わせた。それらは近づいた人の耳に入ることもあった。哀しい唄声は人の心を揺さぶった。「子守唄が聞こえる」。噂が広まった。

 

「けして振り返ってはならぬ」


 それは篠が無自覚に人の闇を増幅してしまうから……

 篠の強い想いと入水した魂の負力は近づく人の心の闇を刺激した。闇の意識に囚われた人はふらりふらりと水に誘われた。「入水の名所」として知られるようになった。

 

 篠の思念繭が邪気に取りつかれなかったのは僥倖(ぎょうこう)だった。知ってしまえば剣奈はおそらく闘えなかったであろう。


 …………


 ワタ……シ……ハ……

 ム……ラト……ト……モニ……

 イキ……タ……カッタ……

 ダケ……


 篠は話を終えた。


 深い静寂が訪れた。


 剣奈は篠にかける言葉を持たなかった。母の千剣破であれば、祖母の千鶴であれば、篠に寄り添える言葉を話せただろうか。

 篠の心に沈殿した想いは剣奈の心にも流れ込んでいった。剣奈は水中深く篠と沈んでいく錯覚にとらわれた。

 月が水面を照らすのが見えた。キラキラと美しかった。剣奈は光に向かって手を伸ばした。光は美しく、けれど果てしなく遠かった。


 ピチャリ


 光は遠く幽玄の彼方に去り、闇がすべてを支配した……

 

 これが篠の見続けてきた風景……

 

 光の届かぬ深く暗い水の底……

 きつく食い込む縄で無慈悲に締め上げられ……

 呼吸を奪われ石を抱かされて。抗う術もなく沈み続け……

 愛しき胎の子は救いの余地なく槍に貫かれ……

 母子ともども呼吸かなわぬ水牢奥底に……

 数百年の絶望…… 

 数百年の過たれる救いへの渇望……

  

 篠の目に映った生の途切れる刹那の月の光はこの上なく美しかった……

 そして幽玄に消え去ったその輝きの残滓は残酷なまでに心を切り裂いた……

 

 剣奈は篠の意識に同調していた。呼吸が奪われた身動きも取れない苦しさの中で剣奈は言葉を探し続けた。懸命に探し続けた。瞳は固く閉じられ、唇は強く噛みしめられ……


 時は凍り付いたように止まっていた。


 剣奈はうつむいた。血の出るほど唇をかみしめた。そして……瞳を開けた……。


 剣奈は立ち上がった。言葉はあきらめた。同情、慰め、励まし、すべて無意味だと感じた。浮かぶ言葉はすべて水底に沈んでいった。暗い水の底でそれらは虚ろに消え去った。そして……無だけ残った……。


 言葉は要らない。ただ自分にできることをすれば良い。やりたいことをすれば良い。

 剣奈は思った。自分がやりたいこと。篠の穢れを祓い清めたい。心を込めて巫女舞を舞いたい。己があたう全てを行いたい。

 

 剣奈は篠に深く頭をたれた。篠の魂が呪縛から解き放たれて幸せな生を得られるようにと願いを込めた。

 

 剣奈は感ずるままに北東南西の順に深く頭を下げて四方拝を行った。

 

 四方拝を終えた剣奈は高く両手を広げて天を仰いだ。そのまま黙祷して祈りを捧げた。

 

 剣奈はゆっくりとまぶたを開いた。そして緩やかに舞い始めた。

 剣奈はくるりくるりと優雅に舞いはじめた。天に掲げられた両手は舞いとともに徐々に下げられていった。開かれた両腕は身体の回転とともに体の周りで円を描いた。腕は徐々に螺旋を描くように下げられた。


 風が吹いた。剣奈の周りで風が舞った。清らかなるそよ風が剣奈を取り囲んだ。風が剣奈の髪を、衣服を、優しく揺らした。

 

 剣奈は(ひざまず)いた。両膝をついて石筍を掴んだ。洞窟全体を清める依代にするためである。

 

 剣奈は瞳を閉じて祝詞を奏上し始めた。淡路島で国づくりをした二柱、黄泉を司る神様、癒しの神様、夜を司る神様、女性と水と蛇を司る神様、海を守護する神様、そして祓戸の四柱に呼びかけた。

 おのころの島から葦の船、天磐櫲樟船(あめのいわくすふね)に乗せられて水に流れされた蛭子命(ひるこのみこと)。後に恵比寿神とも言われ、また少彦名命と同一視されることも多い。

 神話や伝承で蛭子命と少彦名命の関係は直接記されていない。しかし両柱には「小さな神」、「水に流れる(流された)神」、「漂流する神」、「再生、復活を司る神」など共通点が多い。そのため両柱を同じとする伝承は多く散見されるのである。

 剣奈は水に流れされた赤子の冥福、篠とその子への癒やし、そして輪廻への復帰と再生への想いを深く祈りに込めた。


◆イラスト 剣奈渾身の祈り

挿絵(By みてみん) 


()けまくも綾に(かしこ)き天土に

神鎮(かむしずま)()

(いとも)も尊き 大神達 

ことわけて 

伊弉諾尊(いざなぎのみこと)

伊弉冉尊(いざなみのみこと)

黄泉津大神(よもつおおかみ)

少彦名命(すくなひこなのみこと)

月読命(つくよみのみこと)

市寸島比売命いちきしまひめのみこと

綿津見命(わたつみのみこと)

瀬織津比売命(せおりつひめのみこと)

速開都比売命はやあきつひめのみこと

気吹戸主命(いぶきどぬしのみこと)

速佐須良比売命はやさすらひめのみこと

大前(おほまえ)

慎み敬い (かしこみ)(かしこみ)(まを)さく

今し大前に参集侍(まいうごなは)れる篠と剣奈

高き尊き御恵(みめぐ)みをかがふりまつりて

(かたじけな)(まつ)(たふと)み奉るを以って

今日(けふ)を良き日と択定(えらびさだ)めて、

禍事(まがごと)(かぎり)

祓清(はらひきよめ)めむと、

諸々の禍事 罪 穢 有らんおば、

持ち去りて

祓ひ給ひ 清め給えと白すことを、

聞こしめせと

恐み恐み白す


 剣奈の祈りに応えた神々の神気が鍾乳洞に流れ込んだ。神気は剣奈の手を通じて石筍に注がれた。鍾乳洞が神気で満たされた。神気の風が強く吹きわたった。


 ア……リ……ガ……ト……ウ……


 篠は白い光に包まれ空中に解けた。篠の呪縛と存在は解かれ篠と赤子の魂は輪廻の輪に還された。


 …………


「剣奈!」


 鍾乳洞に吹き荒れる猛烈な神気の嵐は玲奈たちも巻き込んでまばゆく光り輝いた。白蛇と犬の怪異も白黄の光に包まれて輝いた。

 

 そして再び闇が訪れた。


 白蛇の施した結解の術式は瞬時に吹き飛んだ。玲奈は洞窟の奥に向けて走り出していた。玲奈には見えていた。光り輝く奥の石筍が。そして剣奈が。


「剣奈っ!」

「玲奈姉!」


 剣奈は玲奈に抱き着いた。


「あのね……」


 剣奈は篠の物語を語った。


「おい白蛇!その村はどこだ!そいつらの子孫すべて皆殺しにしてやる」


 玲奈は激怒していた。玲奈の境遇に自分の過去を合わせた。身勝手な村の男と女に激しい憤りを感じた。


「玲奈姉だめだよ。今の世でそれをやったら殺人だよ」


 剣奈が玲奈に抱き着いて呟いた。涙を流しながら。


「人って哀しいね。そして怖いね」


 剣奈は瞳を伏せ言葉をつづけた。


 キャウン、ペロペロ


 岩屋の犬が剣奈に駆け寄り足をなめた。


「そいつ、剣奈の神気で浄化されなかったのか」

少彦名命(すくなひこなのみこと)市寸島比売命いちきしまひめのみことの眷属たる白蛇とずっと暮らしておったのじゃからの。おそらく怪異とはいえ眷属扱いになっておるのじゃろ』

「そういうもんなのか?」

『うむ』


 蛇の神である宇賀神(うかのかみ)は今日、弁才天と習合して宇賀弁才天として祀られる。

 蛇弁財天の頭上で白蛇がとぐろを巻く姿や、弁財天の周囲を白蛇が巻いている姿は、日本古来の蛇神である宇賀神との習合に由来する。ちなみに宇賀神は人頭蛇身の姿で描かれることもある。

 白蛇は弁財天の使いとされている。白蛇は縁起のよいものとして神聖視されており財運や繁栄あるいは知恵の象徴と信じられている。

 無自覚にやっている人もいるだろう。蛇の鱗を財布に入れたり、蛇皮の財布を用いると金運があがるとして。

 

 弁才天あるいは市寸島比売命いちきしまひめのみことは剣奈と玲奈に縁の深い神様である。

 宝塚の塩尾寺(えんぺいじ)断層の闘いや甲山の闘い、そして越木岩神社でのお礼参りの時など、剣奈の呼びかけに反応し、剣奈たちに深い加護を与えた。

 玲奈の魂の一部である怪異の片割れは夫婦岩に囚われていた。玲奈は無自覚に夫婦岩や越木岩神社に惹かれ、たびたびバイクでそこを訪れていた。

 その様子を女性守護の神である市寸島比売命いちきしまひめのみことはずっと見守っていたのである。

 あるいはそのずっと前から。玲奈が神戸の座敷牢に囚われていたときからも。

 

 仏教で弁財天と呼ばれる神はインドの神様サラスヴァティーを由来とする。 सरस्वती(サラスヴァティー)とは水を持つものであり、そこから水と豊穣の女神を意味する。

 聖なる川はサラスヴァティー様の化身であり、川に流れる言葉、知識、音楽、芸術などを司る。

 日本神話では市寸島比売命いちきしまひめのみことが水の神様である。そのことからサラスヴァーティは弁財天であり、また市寸島比売命であるとされている。


「おぬしからは懐かしい風をいくつも感じる。おぬしの側におると心地よい。妾はおぬしの友となってしんぜようぞ」

「うん。友達が増えるのはいいことだよ。白蛇様はボクの勇者パーティーに加入したんだね。これからボクたちはパーティーメンバーだね!」剣奈が嬉しそうに言った。

「またおかしなメンバーが増えやがった。おい白蛇、お前名前はあるのか?」玲奈が言葉悪く言った。


 あの……玲奈さん?白蛇は神様の御使いだぞ?いいのか?その言葉遣いで。まあ玲奈は玲奈だ。仕方ないか……

 

「人は妾を「おしら様」と呼ぶ。「しろちゃん」と呼ぶことを許そう」白蛇が返答した。

「おしら様?東北で農業の神としておしら様信仰があるね。けれどその正体は蚕じゃなかったかな。ご神体は桑の木で作られることが多かったと記憶しているのだけど」藤倉が突っ込みを入れた。

「細かいやつじゃのぉ。おなごとつきおうたことがなさげじゃ。そんなんではもてぬぞ?」


 白蛇が藤倉を揶揄した。そして付け加えた。


「ちなみに妾はよくその桑の木とともに描かれておるぞよ?」

「桑の木と?そういえば桑の木は雷除けの木でもあったけ。そして蛇や龍は雷として描かれることも少なくないよね。その縁かな?いやまてよ。津軽の伝承で「たこ」の正体が蛇で「おしら様」として祀られるという話も聞いたような気がする」藤倉が思い出しつつ語った。


「別にどうでもいいだろ?こいつが自分のことを「白ちゃん」っていうんだから、こいつは白だ」御託を並べる藤倉にうんざりした玲奈が吐き捨てた。

「うん。白蛇ちゃんは白ちゃん。それでいいよ。おいで」剣奈が言った。


 白蛇は、白ちゃんは、剣奈の足に巻き付いてチロチロと舌を出した。


「ん?なんか臭えな。ションベンの臭いがする」


 玲奈がスンスンと鼻を鳴らした。


「え?いや、その」


 剣奈が挙動不審になった。玲奈は藤倉から取り上げたオイルランタンであたりを照らした。白ちゃんの結解が吹き飛ばされてオイルランタンは火がつくようになっていた。

 そして玲奈は見つけた。見つけてしまった!石筍の側に広がる黄色い水たまりを。

 玲奈は剣奈の股間に視線を移した。見てしまった!剣奈の股間にじっとりと濡れた跡があるのを!染みが広がっているのを!


「剣奈、テメエ漏らしやがったな?」


「あ、あの、その…… 怖くって……」


 剣奈は真っ赤になった。そして叫んだ。


「もう!玲奈姉のいじわる!」


 剣奈は入り口に向かって走りだした。


「藤倉、拭いとけ。環境保全だ。剣奈の清らかな気にさらされた聖水だ。キサマにはむしろご褒美だろ」


 玲奈は藤倉にそう言い捨て、剣奈の後を追った。そして鍾乳洞から出た。いつの間にか太陽が昇り始めていた。真っ暗だった丘はいつの間にか明るくなっていた。


 キラッ。朝焼けは剣奈の背を明るく照らしていた。神々しい輝きだった。

 

 剣奈は広がる海を見ていた。考えていた。この地に捕らわれつづけていた篠の魂を。

 この地の怪異談、幽霊談のもとになった篠。壮絶な人生だった。


 ボクは少しでも彼女の苦痛を癒す手助けができただろうか。彼女は輪廻の輪に還って次こそは幸せな人生をおくれるだろうか。

 

 剣奈は頭を垂れ、深く祈りを捧げた。

 

 波は静かに海岸に打ち寄せ、返し、また打ち寄せていた。人の生の繰り返しを暗示するように。


 風は剣奈を取り巻き、優しくそよいでいた。 



  

Fin……


 

…………


『夏休み、夜の海辺の洞窟で 剣巫女・剣奈の肝試し』、改め『奴隷貿易と赤い女の幽霊 夏休みの夜の洞窟で 剣巫女・剣奈の肝試し』、以上で完となります。お付き合いくださりありがとうございました。

 

 剣奈のお漏らしをほんわかムードで書きたいという思いから始めた本作でした。なぜこんな陰惨な話になってしまったのでしょう。解せぬ。


 ちなみに剣奈が清めの依代に用いた石筍は位相の重なりとともに現世同座標の石筍にも神気を流します。両石筍は神気を共有することになります。

 

 やがて現世で霊感の強い人が清らかな神気を放つ石筍を見つけ、淡路島の新たなパワースポットとして有名になるのです。でもそれはまた別のお話……


 ここまで読んでくださった皆様に心から感謝の念を捧げつつ、剣奈の夏休みのキャンプとうかつな肝試しのお話の筆をおきたいと思います。


 ありがとうございました。


 

 後悔は、剣奈に花火をさせてあげられなかったことです。篠さんの言葉遣いがゆっくりなのと(ん?あれはゆっくりというのかな?)、内容も盛り沢山だったのです。篠さんはそれでいいのです。

 ただ、「あぁ!夜が明けてしまった!」、「花火できんくなった!」、「浴衣を着た剣奈がしゃがんで線香花火をするはずがぁ!」、「玲奈が剣奈にニヤリと笑って告げる罰ゲームがぁ!」、「玲奈にテントお追い出されて夜に外ですごすはめになったもんもん藤倉エピソードがぁ!」などと一人頭を抱える夏風がそこにいました。

 夜の浜辺、浴衣姿の線香花火。お話を考えはじめたころからそのスチル絵は頭にイメージしていたのです……

 まあそれらは今後SS書く機会があればその時に書かせていただきましょう。

 夏風はそっと心の引き出しにしまい込むのでした。


 本作は淡路島の伝承、怪談をもとに執筆しました。本編で「おのころの島」の章がありますが、その後日談の位置づけです。

 淡路島はいいところです。本編では淡路島の他の伝承をもとにいろんな怪異に登場していただいてます。 

 淡路島に詳しくない方は今作で登場した地名や神社などになじみがないかと思います。グーグルマップさんの地図を白地図的に使わせていただいて地名をわかりやすく追加したマップを追加しておきますね。

 

 実は地図を見ていただいてわかる通り、野島鍾乳洞と海はすこし距離があります。本作では海も描きたかったため、海が見える設定をイマジナリーに追加させていただきました。

 きっと玲奈さんも藤倉さんも目と耳がいいのでしょう。幽世では遮蔽物がなくきっと海が見えるのでしょう……たぶん。

 夏風?もちろんそこから海は見えません。ましてや波の音は聞こえません。すいません。


◆淡路島怪異譚マップ(剣巫女シリーズ 奴隷貿易と赤い女の幽霊)

挿絵(By みてみん)

 

 そして…… 末筆におねだりしちゃいます……


 もしよろしければ フォローとか★とか、いいね♡とか、ブクマとか、感想とか、リアクションとか、いただくことが出来ましたらとっても嬉しいです!!


 皆様にご多幸ありますように


 2025年7月吉日

 

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