夏の○○が好きだった!!【WEB】
夏の○○が好きだった!!
夏のビーチ!
めっちゃ暑い!
むんむんむんむんと若さを弾かせて、砂浜にはめっちゃ色々な熱風が渦巻いている。
老若男女わんさかわんさ、キャッキャキャッキャしている。
ビーチバレー、バナナボートの飛沫。
次から次へと押し寄せてくる人の波。
もうビーチは大混雑、芋荒い状態だ!
わたしは櫓の上、少し高い所に座り、○○を覗いてみんなを注視している。
赤、青、黄、緑、黒、黒、黒、黒、白、カラフル。
カップル! カップル! カップル! カップル! カップル!
家族連れ。家族連れ。カップル! カップル! 家族連れ。
砂上の城、埋められた可哀想な奴、ビーチバレー楽しそう。お尻の砂をはらってる。
BBQの炭火でやかれた海鮮野菜お肉の美味しそうな匂いだけがここへと立ち上ってくる。
少し遅いお昼休憩まで、後10分。
ポニーテールのあの娘の運んでくる焼きそば大盛りと、キンキンに冷えた瓶コークが浜茶屋の裏の休憩所で待っている。
んんん……何だ? わたしの覗く○○に飛び込んできた、怪しげな男を発見!
怪しげにビーチパラソルの下で、キョロキョロしてるな?
わたしの管轄ではないので、取り敢えず本部にレシーバーで連絡だけしておこう!
わたしは波に紛れて現れる、黒い参角を見逃さないようにしなければならないのだ。
それがわたしの役目なのだ。
でもついついついつい、岡の上のカラフルな参角の方に目がいってしまう。悲しい性だ。
くる年もくる年も、毎夏毎夏決まってわたしはここへ座り、長年○○でこのビーチを眺めて来たが、今だかつて黒い参角が波間に見えたことは、ただの壱度も経験したことはない。
このビーチで黒い参角を目撃したと言う報告も、未だかつて壱件も上がっていない。
そう言った事もあり……ついついついつい岡の上のカラフルな参角に、○○を向けてしまうわたしの悲しいサガ。
そんな時!
きゃ~っ! と、ビーチの賑わいをつんざく、上下白いビキニの20代後半と見られる88、65、91の健康的な女性の悲鳴が! すかさずわたしは○○で悲鳴の先へと向け、悲鳴の元となるものを探さなければならない。
わたしの中に戦慄が走る、黒い参角でなければいいのだが……?
ざわざわざわざわざわざわざわざわ……。
いかん見逃してたのか?
慌てて○○で網のブイの内を探す探す探す探す……。
いた! 黒い参角だ? しまった!
ピイイイイイイイイイイイッ! ホイッスルを思いっきり吹き鳴らした。
集中しろ!
○○でようく眼を凝らして見てみる……。
おや……? あの怪しげな男が頭に黒い参角を着けて泳いでいた!
あの野郎!
本部にレシーバーで連絡!
程無くして屈強なライフセーバーのイケメン集団が駆けつける。
連れだされていく、あの黒い参角を着けたキャプの男。
ふう……びっくさせんじゃねえよ! まったく。
そんな壱夏の想ひで……。
わたしは、夏の○○が好きなのであります。
今年のも夏がもうすぐやってくる。
そして、○○を磨いてほくそ笑むわたしがいる。
「ねえママ! おじいちゃんが笑ってるよ?」
「お父さん……」
ピッ! ピッ! ピッ! ピィ〰️ーーーーーー。
わたしは、夏の○○が好きだった。