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浦川 日歌里ノウラジュウニシ【side:U】

ちっぽけな孤島とでっかい大陸

作者: 歌川 詩季

 狭いところが好き。

 ちっぽけな孤島ごときにおさまろうと

 肩をちぢこませてやがるだろう

 身の(たけ)にあわないことをするんじゃない

 もっと広いところにうってでなと言ってやりたいが

 小さな座布団に胡座(あぐら)をかいて座るのが

 落ち着くんだって ひかえめに笑うもんだから

 こんなちっぽけな孤島で 最期を遂げるがいいさと

 うなずいてやるしかできねえ



 でっかい大陸じゅうにのさばろうと

 肩をいからせてやがるだろう

 身の程を知らないことをするんじゃねえ

 もっと狭いところにひっこみなと言ってみたものの

 大きなベッドで手脚(てあし)のばして眠るのが

 誇らしいんだって 豪快に笑うもんだから

 こんなでっかい大陸で途方に暮れるがいいさと

 見守ってやるほかねえんだな

 狭いところで、ちぢこまって眠るのが好き。

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【同一課題作品】
時をかける
作者:日浦海里先生
― 新着の感想 ―
[良い点] こう言う作品もあるのですね。多才さが、にじみ出ています。ただただ凄いです。
[一言]  過小でも過大でも、間違いには違いない。  身の丈に合った、を識ることは、本当に難しいことだと思います。
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