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払雲花伝〈ある花人たちの物語〉【呼び水版】  作者: 讀翁久乃
                         ※)以下、修正予定。暫定的内容
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【3】あらすじ『色移葉の山を越えて』


色移葉うつろいの山を越えて…… 変化の峠、その先


 猛威を振るった不治の病――黒同舟・宋愷(そうがい)との対決。

 釣り天井の魔薬。




◍ 何にも知らないくせにぃぃぃーーーっっッッ‼ と叫びたくなる編……


( 知らないふりを強要する主人公 )




◍ テーマ…… “同類なかま” って何

        仲間割れ・板挟み・立場・それぞれの大切なもの

        葛藤・秘密、真実を抱え込む者

        臆病・勇気




◍ 時間軸…… 《 秋:九月末~十月初め(異界) 》



………………………………………………………………………………………………






   “ 仰いで天に()じず、()して人に()じざるは、二の楽しみなり ”

                    


 君子には三つの楽しみがある。だが、天下の王になることは、このうちに含まれない。

 

 第一に、父母がともに健在で、兄弟に事故がないこと。

 

 第二に、天を仰いでも恥じることがなく、地にうつむき、やましく思うことがないこと。


 第三に、優れた人物を弟子にして、教育すること――。





 これは嘘ではない。だが、心の底から思うことが、欲のある生き物に叶うだろうか。


 

 心の底から思えるとしよう。このうち一つでも良い。

 

 だが、いずれも得難い楽しみならば、



 一つとて望めば、それだけで、欲深いのかもしれない――……。






【 あらすじ 】



 実は、当に過去の記憶を取り戻し、飛叉弥との関係や、自分の正体を思い出していた皐月。

 飛叉弥をはじめとする上層部にだけ、あらためて対黒同舟花連に協力・花人として軌道修正を図る意思を示し、ようよう華瓊楽(カヌラ)から帰国――。



 しかし、幼馴染の少女・茉都莉(まつり)が、なぜか薫子(かおるこ)によって華瓊楽へと連れ込まれたことを知り、とんぼ返りすることになった皐月は、そこで新たな任務を引き受けることに……。



 皐月の一番の理解者でいるつもりだった茉都莉は、そんな自分に疑問を抱きはじめた今日この頃、飛叉弥の妻と噂される、萌神荘(ほうじんそう)の侍女・五十鈴(いすず)と引き合わされ、心打ち解ける。



  *



 そのころ、対黒同舟花連は、前回の一件を引き起こした魔薬・ケリゼアンの被害拡大阻止に挑むため、ひいなの故郷・茶万(チェマン)村を訪れていた。


 山岳民にとって自給自足は必須。だが、ケリゼアンによる土地の汚染問題を理由に不自由を強いられ、配給を待ち望む生活となっていた彼らの前で、貴重な食糧を木っ端微塵にするという新隊長・皐月の、とんでもない行動に目を剥く。



 作戦を台無しにしただけでなく、いつにもまして態度が悪い皐月を妙に思った嘉壱は、打ち明けられた驚愕の真実に動揺。

 他のメンバーは、理由も言わず、あからさまに皐月の味方をするようになっていく嘉壱を批難。

 とりわけ、兄弟のように仲が良く、同じ葎生(むぐらう)まれとして切磋琢磨してきた関係である啓との間に、確執が生じて……?



  *



「ありゃ、一種の “憑き物” ってやつでね……」


 華瓊楽(カヌラ)の隣国・朱地雲(シュジウン)の元宮廷侍医――智津香が秘めてきたケリゼアンとの因縁が明らかになっていく一方、前回、皐月の紹介で彼女の下手伝いをする雑用係となった貧乏少年・逸人は、ケリゼアンの解毒薬を編み出すため、実は、人との接触を避けたいだけである皐月に寄り添って過ごす。

 そんな中、茶万(チェマン)村自衛団を自称する同い年の子どもたちと交流することに。



 彼らに悪鬼として退治されそうになったにも関わらず、 “悪者扱い” されることに無頓着(むとんちゃく)な皐月に、腹を立てるが―――



「俺は、あいつらが悪い奴には見えないけど……?」



 ひとには “立場” というものがある、と諭される。さらに、仲間を制することができなかった自分は卑怯者・情けないと反省する平太少年とのやりとりを経て、心境に変化を来すのだった。



 だが、肝心の大人たちは、皐月が食糧庫にわずかしかない食べ物を盗んでいたと知ったことで、彼が身を隠すひいなの乳母のもとへ押しかけ……。





 ◆ ◇ ◆



……………………………………………………………………………………………


〔 参考資料 〕


 “ 仰いで天に()じず、()して人に()じざるは、二の楽しみなり ”

                     【孟子・尽心上 君子三楽】



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