1:登場民族・国家一覧
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登場〝人外民族〟一覧
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「◇」は物語に取り入れている現実世界の事物・伝承
「◆」は、物語中の事物・伝承
◇【 夜叉 】
聖樹と水に関係の深い神として森に棲み、
人間に恩恵を与える性格と、
害をなす性格をあわせ持つ半神半鬼。
羅刹と同視されることもあり、
慰撫(怒りや不安をなだめ、労わる)に努めるべき存在。
鬼子母神も元来は夜叉。
地母神(豊穣の神)であり、人の子を食らっていた悪鬼。
◆【 萼国夜叉(花人・夜覇王樹の民)】
ある時代から傭兵集団となり、
「花人」と名乗り始めた夜叉族。花鬼。
夜咲きの花木(夜覇王樹)と水神(龍)を信仰。
北紫薇穹・東天地峰の人間と共存している。
◇【 羅刹 】
人を魅惑し、食らう水生の悪鬼。
破壊と滅亡を司り、夜明けとともに力を失う。
夜叉と同視されることもあり、
地獄で亡者を痛めつける獄卒という一面も。
仏教の守護神として描かれる場合は、白獅子に乗った甲冑姿。
◆【 赤翠天羅刹 】
熱帯地域の均天
玻璃湾を治めている羅刹女の一族。
水難を引き起こす水鬼。
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◇【 蘇摩 】
蘇摩という植物から抽出した液と、
牛乳などを発酵させた酒。
不死となる飲み物。甘露。
神格化され、月神と見なされることも。
◆【 蘇摩夜叉 】
隊商のような規模で集団生活をしている夜叉。
西閻浮原の天淵
(大蛤=蜃が棲む干潟)を渡る旅人を助けている。
薬学の本場――朱地雲国が慰撫してきた萼国夜叉の分派で、
薬酒作りに長ける。
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◇【 修羅 】
古くは生命の神・正義の神とされていたが、
力を司る神との交戦を繰り返し、
争いが絶えない世界に棲む、好戦的な悪神と位置付けられた。
正統な戦い・正義だとしても、
それにとらわれすぎるのは良くないと強化された後、
仏教では夜叉などと並ぶ守護神となっている。
◆【 塵洞修羅 】
塵洞(羅洞芳郷)を牙城とする修羅族。
古より萼国夜叉を最大の好敵手としてきたが、
残忍な鬼神の一面を封印し、
歴史を歪めてまで人間と共存を目指してきた彼らを侮蔑。
現在は赤黒天と交戦中。
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◇【 ガルダ 】
火を操る鳥神で、仏教では四天下の大樹にいるとされる。
◇【 迦楼羅天 】
ガルダに由来する霊鳥。
仏教では、嵐をもたらすとされている毒蛇・悪龍を喰らい、
人間を守る存在。
祈雨、止風雨を司る。
鳥頭人身で横笛を吹く。龍のライバル。
◇【 天狗 】
山の神。
古くは木霊や変化も天狗と見なされ、
火球(流星)に由来する妖怪のため、
星を司る者でもある。
飛行することから鳥とも結びつけられ、
迦楼羅天が変化したものとの解釈もあり。
◆【 葦八迦楼羅 】
悪龍に虐げられていた巌砥国が信仰してきた、
天狗のような人外民族。
龍(羅羽摩龍王)と関係の深い花人と相性が悪い。
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◇【 人魚 】
その肉から取れる油は、
鯨の油よりも上質で長く燃え続けるという。
食せば不老不死の力を得て、泣かせれば涙を真珠に変える。
疫病などの流行を知らせる預言者的性格も持ち、
害すれば祟りをなすとも。
姿形に関する言い伝えは、
山椒魚を示すようなものまで様々。
◆【 霓尾 】
各世界に散在する人鱗霊(人魚)の中でも、
絶滅寸前の一族。
先祖のルーツは神代にまでさかのぼり、
波の花(海岸に泡が打ち寄せ、舞う現象)は、
ある天兵と共に果てた、霓尾の娘の化身と言い伝えられている。
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◇【 獲猿 】
猿の魔物。
人間の娘をさらい、子を産ませる。
育て上げなければ母親は死んでしまうとされ、
成長した子供は人間と変わらない姿になるという。
◆【 赤黒天 】
萼・塵洞と並ぶ三大鬼国の一つで、
西閻浮原にある未開の地。
あまたの悪鬼邪神・妖魔の巣窟とされている。
近くには獲猿が多く潜む。
春乃麗を拉致し、鬼宿を生ませた。
六瞳が潜伏している。
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作中〝国家〟一覧
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【 萼崟境 】
通称、萼国。萼とも。
環状に連なる山に築かれた十の城邑を示す。
常葉臣伝承の正史では、かつてこの一帯には、
花神が按主として宿っており、
天花園と呼ばれていたことになっている。
実際のところは、神代終焉以前まで、
各七彩目ごとに社会・軍事集団を築いていた夜覇王樹の民の棲み処だった。
神代由来の水源と聖樹を守っており、現在は花神子の住む宮城を取り囲むよう、
天然の要害に都市を築き、城塞化している。
螺宰帝国が侵略を進め、
山麓にひそんでいた免人の首長(後の蔵不磨国王)を襲撃した際には、
持ちつ持たれつ共存し合ってきた免人側に加勢。
今も螺宰の牽制に一役買っている。
隠れ住むには最適の複雑な地形で、高低差が激しいため、
生息環境のバリエーションが豊か。
霊樹をはじめ、三千以上の石柱・奇岩、
生きた化石といわれる多彩な植物や魚類、鳥類が暮らす。
※)免人民族とは…… “免れた人々” の意。元来国家を持っていなかった東の豪族 + 西からの迫害により流れ着いた少数民族。
【 蔵不磨王国 】
免人が築いた東の中心国で、萼への門戸。
八百年前、帝都・螺宰に即位した女帝牽勾を竜氏と認めたが、
牽勾の仁徳を受け継いでいない近年の螺宰が再び侵略の動きを見せているため、
敵対心を強めている。
【 東諸国 】
西から逃れてきた少数民族の免人が築いた国が多く、
ここ数百年で螺宰の属領化が進行。
ある程度の自治権は認められている。
螺宰から派遣される政治顧問(駐在官)の内政干渉をしばしば受けるが、
螺宰が抱きこみたい世界屈指の軍事組織――
萼と親交が深い蔵不磨側にあるため、懐柔策が取られている。
【 螺宰帝国 】
西の地を制したことに始まり、
当代では東の地にまで勢力を拡大。
免人をはじめ、様々な民族の小国を侵略。
東に圧力をかけている。
自国で唯一、竜氏と讃えられた女帝・牽勾を
暗殺した歴史を秘めている。
【 牝爛侯国 】
蔵不磨と螺宰の間に挟まれてきた北西の国。
元は螺宰の帝権の下で、半自立的支配を認められた諸侯の国。
当代も財力があり、
多くの美術品を収集、文化芸術の保護者として知られ、
様々な職人に投資、養成し、芸術の都と称される。
螺宰は宮廷絵師や刀匠、舞楽の名手を牝瀾から多く募っているが、
牝瀾の芸術家や職人が憧れるのは、
珍重な材料や資料、幻の光景を拝める北東の奥地――萼と言われている。
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【 蘆那珠王国 】
複数の島々からなる南国。
当代の国王は暗君。
己の統治力を確かなものとしたいがため、
〝竜氏の証〟を欲し、行き過ぎた龍神信仰により、
現在、巌砥国と交戦中。
悪龍の末裔(時守)に政治を操られている。
【 巌伽国 】
君主号は「大王」。
国巫が王に匹敵する絶大な権力を持っている。
当代は萬沱王太后。
火神・芦八迦楼羅信仰の国でありながら、
悪龍を退治して得た治水の力
天通御璽によって治国している。
蘆那珠王国に標的とされ、交戦中。
相反する信仰の国だが、
後に萼国に軍事援助を要請する。
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【 華瓊楽王国 】
当代の国王は竜氏と謳われる賢君。
文運を司る奎王の才覚を発揮したことに始まり、
貿易が盛んな国柄も手伝って発展著しい。
が、現在、悪神の陰謀により引き起こされた未曽有の大旱魃と、
国土の不毛化に見舞われており、萼国に復興援助と精鋭部隊派遣を要請。
対黒同舟花連(飛叉弥ら+皐月)が対処中。
【 朱地雲王国 】
華瓊楽の西、海の向こうにある大国。
薬学に秀でている。
蘇摩夜叉と交流がある。
【 濘楊 】
華瓊楽の南西、海の向こうにある島国。
魚人と人間が共存してきたが、現在、海賊が横行。
政商と癒着し、魚人を保護する海神一族との間で衝突中。
【 鄭半王国 】
国の北奥地は、魔の巣窟――赤黒天にあたる。
君主の号は「大王」。
王都は孔沸。
獲猿との因縁が強い。
〔参考資料〕
夜叉 - Wikipedia
毘沙門天とは - コトバンク (kotobank.jp)
クベーラとは - コトバンク (kotobank.jp)
蘇摩とは - コトバンク (kotobank.jp)
羅刹とは - コトバンク (kotobank.jp)
迦楼羅 | 仏像ワールド (butuzou-world.com)
阿修羅 | 仏像ワールド (butuzou-world.com)
阿修羅 - Wikipedia
八部衆 - Wikipedia
カク猿 - Wikipedia
人魚 - Wikipedia
天狗 - Wikipedia
天狗とは - コトバンク (kotobank.jp)
竜神とは - コトバンク (kotobank.jp)