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希望は絶たれた

村に無事入り、まずは商店へ向かうのかと思ったら、森を出た時に見えたパラボラアンテナの生えた大きな建物へ向かうそうだ。

教会と傭兵組合が入る建物で、依頼品以外でもそれなりにいい値段で買い取ってくれるらしい。

ついでに自分のことも相談できるそうだが。


教会兼傭兵組合に入り、受付を通り過ぎて奥の赤いドアに入る。

中には買取専用の受付があり、ガタイのいいおっさんがいる。

ドズと二言三言話をして、カバンから買い取ってもらう商品を出す。

その間おっさんから値踏みされるような視線を受けて居心地が悪かった。


赤いドアを出て、次に入ったのは青いドア。

黒い服装のおっさんがいる。

ドズがあいさつをして、俺を指さす。


「そどのひどだ。おっといひろっだ」


また捨て猫みたいに言われた。

おっさんはこちらを凝視している。

表情は穏やかだが、目は怖い。

すべてを見透かされている感じがする。

不意に口を開く。


「はじめまして。私はこの教会で神官をしているシュバイツと申します。

確かにムサシさんは外の方であらせられますね。

ただ、他の方と違い、特殊な能力はお持ちでないようですが。

こちらに来るときにどの神に会われましたか?」


自己紹介する前に名前を呼ばれた。鑑定をされたのか?

どっちにしても自分がチートでないことが確認された。


「神様に会った記憶はないです。気づいたら森の中にいました。」


何度かしたやり取り。

やはり、転移者は何らかのチートを持っているのが普通らしい。

普通じゃないのに普通って意味が分からん。


今後どうしたらいいか相談してみる。

神官はドズを見る。

ドズは何も言わずに首を振った。

何このやり取り。


「ムサシさんが何ができて何ができないかを確認し、そのうえで何がしたいのかを探すのがよろしいかと思われますが、まずはこちらの世界に慣れることが一番でしょう。」


では、具体的にどうすればいいんでしょうか?

いくつか方針が示されました。


1、ここ(教会兼傭兵組合)で働きながら今後の身のふりを考える。

2、傭兵に登録し雑用をこなしながら今後のことを考える

3、ドズと生活をしながらこちらの世界に慣れる。


この世界で生きることが前提の方針だ。

元の世界に帰る方法はないのか聞いてみたが、最悪の答えが返ってきた。

神官の話では、生きている内に元の世界に帰った事例はないようだ。


この後、赤いドアに戻り、商品の代金を受け取り、村の中をドズが案内してくれる。

と言っても雑貨屋と鍛冶屋、さらに診療所があるくらいだ。

教会兼傭兵組合には宿屋と食堂もあるので1泊していくことになった。


部屋は一人部屋で、ベットと小さなテーブルと椅子が1つづつあった。

窓が一つ。見えるのは月だけだ。

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