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機械が飯を食うファンタジー

ドズが帰ってきたので、朝食になる。

昨晩と同じように、ドズが用意した、ファンタジー物では定番の固そうなパンと何の肉を使ったかわからないハム?、ほうじ茶っぽい物、自分の持ち物からも賞味期限が近いものをいくつか出す。

しれっとノックスも椅子に座っている、と思ったら、けつから棒が出て、座ったような格好になっていた。

機械が食事?実際ドズもコップを3個出しているし、2人で食べるには量が多い。

電球の下が割れてそこに食事を放り込み、咀嚼している光景に、ちょっと引いてる。

ノックスがこちらを見て不思議そう(表情は変わらないが)に見ているので、ドズが外の人であることを話している。


なんだこの光景は?ファンタジーの定番ドワーフとSFの代名詞が談笑しながら食事を普通にとっている。

そんな光景を間抜け顔で見ていると、ふいにノックスから問いかけられる。


「ソトカラキタヒトナラバ、ナニカトクシュナノウリョクヲモッテイルノデショウカ?」


やっぱり、異世界転移すると特殊な能力が手に入るらしい。

昨日いろいろ試してみたが、変わったことはできなかった。やり方を知らないだけか?


「特に変わった事はできない。と思う。」


ドズが付け足す。


「ごっちさきたばっかだで、ごれがらいろいろためせばええだ。」


ノックスがじっと見つめてくる。目が電球だから確信はないが見つめられていると思う。


「シンカンホドショウサイニハデキマセンガ、リャクシキノカンテイヲシマスカ?」


七つの球を集める話からいつの間にか格闘話になった某漫画に出てきた強さを測る機械みたいなもんか?


「ニクタイテキツヨサトマリョク、インペイサレテイナイスキルナドハミルコトガデキマス。」


さすがSFファンタジー、いろいろ都合がいいもんだ。

もちろんさっそくお願いします。

立ち上がった自分の前にノックスが立っている。胴体の真ん中あたりが観音開きになって懐中電灯が出てきた。

赤くて細いレーザーが足元を照らしたかと思うと左右に動きながら上に上がってくる。SFっぽい。

頭のてっぺんまで行った所でまた左右に動きながら下がって行き、足元の床を照らして消えた。


電球二つが不規則に光ってる。ちょっと怖い。

数分すると光が消えて・・・なんか言えや。


「モウシワケアリマセン。イッパンテキナヒムゾクトカワッタトコロハミツカリマセンデシタ。」


良くも悪くも普通らしい。世の中はそう上手くはできていないようだ。

落胆しているとバケツが続けて話し始める。これ以上のダメージは結構です。


「タダ、マリョクガカラダノソトニツナガッテイマス。ソウサシタトコロブキラシキモノニタドリツキマシ。」


刀のほうがチートでしたか。それってどうよ。

刀を持ってくると、また観音開きが開いて懐中電灯が出てくる。

同じように鑑定された結果、自分の日本刀(無名の江戸中期のものらしい)は色々なスキルがついているそうだ。

そして所有者固定のスキルがあるため、他の人が持っても何も起こらず、また失くしたり盗まれたりしてもいつの間にか手元に戻っているそうだ。


そのほか、戦闘時に有効な効果がたくさんあるようだが、現在はほとんどがロックされているので、自力で何とかしなければならないらしい。

パターンとしては2つあり、使い手の練度なり経験値が上がれば効果が解放される場合と、火事場のくそ力的な場合。

どっちにしても自分を鍛えないとだめか。


前途は多難だな、自分の異世界生活は。

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