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最強ですが、何か?  作者: 夢狐
5/5

第4話 テンプレ?~HPが0です…~

ブックマークが8になってました。ありがとうございます。感想を書いてくれた方もありがとうございます。忙しくて、更新が遅い上に文章力がないので分かりにくい文になっていますが…これからもよろしくお願いします…

冒険者登録を終えた和馬は今、宿を探している。拠点を見つけておかないと、今後の活動に支障が出ると考えたためだ。それと野宿は嫌だからでもある。

歩き回って探していると、それなりにいい雰囲気の宿っぽい建物を見つけた。


「今日はここにするか…」


『そうだな…って本当に宿かは分からんぞ?』


「それを確認するんだよ。はぁ、疲れた…」


『嘘つけぃ…』


エイルの軽いツッコミを流して、和馬が建物の中に入る。中は飲食出来るようになっていて、奥にカウンターがあり、その中に赤毛の30くらいのおば…お姉さんがいた。

和馬はそのおば…お姉さんの前まで移動する。


「いらっしゃい!泊りかい?それとも飯?」


どうやらここは宿で合っていたようだ。


「泊まりでお願いします。いくらですか?」


「はいよ、うちは1泊朝夕飯付きで銅貨5枚だよ。」


「こいつの分も入るのか?」


「ん?」


和馬が隣にいたエイルを指差すと、お姉さんが身を乗り出しエイルを見る。


「いや、要らないよ。ただ餌は自分で用意してくれ。」


「そうか。なら、とりあえず二ヶ月ほど頼む。」


和馬はポケットからとる振りして、【アイテムボックス】から二ヶ月分の宿代を取り出しカウンターに置く。


「そんなにかい!こりゃ上客だね、ほれっそれが鍵だよ。」


お姉さんが鍵を和馬に向かって投げる。それを受け取り、見ると古い感じの鍵で持ち手の部分には部屋番号が刻まれていた。


「部屋は2階の一番端の部屋ね。」


「分かりました、ありがとうございます。」


お礼を言い、カウンターの横にある階段から2階に上がり、端にある部屋の鍵を開け中に入った。中はそれなりに広く、窓が二つあり、机とベッドだけが置いてある質素な部屋だった。


「まぁ、いい部屋…かな?さて…」


和馬はベッドに腰を下ろし、今後について考える。


「とりあえず冒険者なんだし…依頼をこなしていく感じでいっかなぁ…エイルはどうしたい?」


『私はフォルテ殿に従うのみだ。』


「お前…そればっかだな…あっお前の飯買わないとな。ついでにこの街でどんなのが売られているのか確認するか。」


『うむ』


和馬が部屋から出てそれにエイルがついていく。


「おっ、お出かけかい?」


下に降りると、おば…御姉様に話かけていただきました…うん。


「えぇ、ちょっと買い物に行こうかと思いまして」


「そうかい、気をつけてな。夕飯は八時の鐘が鳴るまでだからそれまでには帰ってきなね。」


この街、というよりはこの国では、時計などの時間を知る道具は大貴族などの上級階級の人たちしか持てないので、既定の時間に鐘を鳴らすことになっており、それにより平民たちは時間を知ることができる。鳴らす時間は、午前は6時、8時、12時、午後は15時、18時、20時となっている。ちなみにこちらの時間単位も元の世界と変わらない。(門番情報)


「わかりました。では」


軽く返事をして宿から出て、露店などがあったところまで向かう。


「さて、露店にお前が食べれるいい飯探さないとな…ん?なんだあれ?」


『ふむ…なんだろうな、人が集まっておる』


和馬とエイルの視線の先には何かを囲うように人が集まっていた。囲われた中からは女の子と男のドスの効いた声が聞こえてくる。そしてこの状況を見た和馬が一言…


「テンプレキタコレ…」


『てん‥ぷれ?とはなんだ?』


「え?あ、あぁ気にしないでいいよ。ちょっと近づいてみるか」


『なぬ?少し危なそうではないか?』


「いやぁ、大丈夫でしょ!」


いや確実にめんどくさいことになるだろう、だが今の和馬の頭の中はこのテンプレ状況でいっぱいになっており、危険など知ったことではなかった。というより、和馬が止めに入るなら心配すべきは和馬のことではなく、止めに入られる方だろう。最悪和馬が殺人犯になる可能性だってある…

和馬たちが周囲の人たちの間を縫って先頭にたどり着くと、三人の男たちが和馬と同じくらいの年齢(キャラの方)の少女に詰め寄っていた。


「てめぇがぶつかってきたのが悪ぃんだろーが!服汚しやがって、弁償しろやゴルァ!」


「はぁ…何回も言ってんでしょ!ぶつかってきたのはそっちで、私が服を弁償する義務はないわ!言いがかりつけないでくれる!」


「なんだと!くそアマがぁ!」


「なんというレベルの低い喧嘩だろうか…あっ」


和馬としては小さく呟いたつもりだったのだが、意外に大きかったらしく周囲の人達や男達にも聞こえていたらしく、全員が和馬の方を見た。しかも、男のリーダーらしき男が怒りと羞恥から顔を真っ赤にして和馬の方に向ってきた。


「てめぇ…いい度胸してんじゃねぇか、俺にケンカを売るとはな」


「いや、あなたにケンカを売った覚えは一切ありません。僕はただ随分と程度の低い喧嘩をして――」


「うるせぇー!!黙りやがれ!このアマがぁ!」


和馬の言葉を遮るように男が叫び、背中に背負っていた斧と槍が合わさったような武器、ハルバートを手に取り和馬に向って振り下ろした。しかし相手が悪すぎた、相手は『エルメイル』プレイヤーランキング1位で努力(重課金)により自らのキャラをまさに最強と呼ぶにふさわしい強さまで引き上げられたそのキャラクターの肉体を持った男だ。和馬そのものが来てたら間違いなく死んでるが、フォルテの肉体ならこの程度の攻撃は…


「…はぁ、危ないですよ。僕じゃなかったら死んでます」


指の腹で抑えれる。和馬はハルバートによる一撃を人差し指の腹で完全に止めたのだ。その異様な光景に周りは茫然としてる、特に振るった本人なんかは顔が真っ青になっている。


「あっ、それからさっきあなた僕のことをアマって言ってたけど、僕男だからね」


「――がっ!?」


和馬の正直どうでもいい情報に男は何か言い返そうとしかが、その前に和馬から前々から気になっていて実験したかった【覇気】が放たれたことにより男は倒れてしまった。


(ゲーム内だと相手の攻撃力と防御力、回避力の大幅ダウンぐらいの効果だったはずだが、この世界だとやっぱ違うみたいだな。試してみて正解だったな…しかし、なんかワン〇ースの覇〇色の覇気みたいだな…)


実験台の男から目を離し、残りの二人の男を見る。よく見ると、片方は冒険者ギルドで和馬に絡み横っ腹蹴られて気絶してた男だった。


(なんだ、あいつ目覚めてたのか…もう少し強く蹴っとけばよかったかな、いや以上だと死んでたしな。犯罪者でもないのに殺して人殺しになるのは嫌だしな。)


それは暗に犯罪者なら躊躇なく殺すと言ってるのと変わらないが、まぁ…自業自得…という事になるのだろう。


「さて、リーダーっぽいのはやっちゃったけど、そっちの二人はどうする?やるなら手加減しないけど、どっちも雑魚っぽいし…特にそっちの男は次は気絶じゃすまないかもね」


その言葉に男の顔が青ざめていく。相手が自分を気絶させた相手だと気づいているようだ、まぁ和馬は特徴ありすぎて、気づかない方がおかしいが。しかしもう片方は男から話を聞いてないのか――まぁ見た目少女の男に蹴飛ばされて気絶しました、なんて言えるわけないだろうが――和馬の言葉に顔を真っ赤にして迫ってこようとしたが、男に止められた…のだが止めたときには和馬が放った【覇気】によって気絶していた。理不尽の極みである…。


「わ、悪かった、俺たちが悪かった…だから許してくれ」


「謝罪するなら僕にじゃないだろ」


そう言い呆然としている少女の方を見る。男はそれ気づき少女の方を向き頭を下げる。


「すまない、俺たちが悪かった、許してくれ」


「え、あっと…は、はぁまあはい」


謝られた当の本人は、状況をまだよく飲み込め切れていないながらも返事をした。


「許してくれた?みたいだし、もう行っていいよ」


「イエッサー!」


「どこの軍隊の人間だお前は…」


軍隊の様な返答に和馬が的確なツッコミをした。


「仲間ちゃんと連れてけよー」


「イエッサー」


「…どこで覚えたんだそれ…」


それに対する返答はなく、男は二人の仲間を引きずりながら去っていった。和馬はその姿が見えなくなってから、未だに呆然と立ち尽くしながら男たちの去った方向を見ている少女に声をかける。


「大丈夫?」


「え、あ…はい、大丈夫です」


若干緊張した顔で少女が答える。


「なら良かった。あーっと、どっか行くとこだったの?なら目的地まで送るけど」


「え?あ、いやその…」


「あっ僕はフォルテね、よろしく。こう見えても男だからね」


…彼女にもっと喋る時間を与えたまえ、フォルテいや和馬よ


「あっフォルテ…さん、えっと私はアイリスと言います。あの、助けて頂きありがとうございます」


アイリスと名乗る少女がぺこりと頭を下げる。


「アイリスさんね、それでさっきも言ったけど、どっか行くなら送るよ?」


「あぁ…いや、大丈夫です。」


「…え?」


「え?」


「……」


「……」


……和馬よ、君は彼女の事をヒロインだと思い急接近しようとしたようだが…まだ早いと思うぞ。というか、助けたばっかとはいえさっき会ったばっかなのに送ってもらうわけないだろう。


「えっとぉ…ホントに大丈夫?」


「あ、はい」


(なんだこの展開は…恨むぞ、神)


勝手に恨め、その恨みは届かん。ふははは!全てが物語のように進むと思ったら大間違いだ。


「それでは失礼します」


アイリスはお礼を言うと、踵を返し和馬の元から去っていった。


「…えぇ、まじか……」


『ん?何かおかしな事でもあったか?』


残された和馬にテンプレとかヒロインなどというものを知るわけもないエイルが軽い感じで声をかける。


「あ、いや何でもない…宿に戻るか…」


『うむ…って私の飯は?』


「あぁ…仕方ないから僕の持ってる肉をあげるよ…」


『そ、そうか…何故そんな落ち込んでるのだ…』


和馬の精神のHPは既にゼロだった…可哀想に…(´>∀<`)ゝてへっ

こうして可哀想な和馬とエイルのテンプレ?は終わり、宿へと戻っていった…


必ずしもヒロインと思わしき人物とスグに仲良くなれるわけではないのだ!


誤字・脱字等あれば、教えていただけると幸いです。


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