第2話 「人族の街に到着 ~いろいろ知れた!~」
プロローグも含めて三話目が
投稿されたのは今作が初めてです!はい拍手!88888
いやぁ・・・大変でしたww
前回のあらすじ
狼の魔物倒して、狼公のエイルを仲間にしました。
では、レッツゴー!
狼公「エイル」の案内で人族の街を目指し歩き始め、半日が経った。
和馬とエイルは今森の入り口付近にいた。
「やっとだ…やっと抜けたぞぉ!!長かった…ここまで来るのに1日もかかるなんて…(*´・ω・`*)グスン」
『……森を抜けるにはどんなに強いやつでも3日は必要なんだがな…』
和馬の言葉に呆れたようにエイルが言う。確かにこの森は相当深いので、1日で抜けられる場所ではない。それを可能にしたのは、和馬とエイルの脚力と肉体のお陰だ。エイルはいいとして、エイル…狼の進化版みたいのと同等の速度で走る…しかも余裕ありってキャラの体とは素晴らしいものである。
ちなみに今は夜中だが、両者夜目が効くため問題なく行動できる。エイルは魔物として破格の心肺機能を、和馬に至っては疲労無効の肉体なので、疲れて休む必要がなかった。
これだけの能力があれば1日でなど容易いのだろう…きっとそうだろう…羨まし…
「ん?今変な声聞こえなかった?」
……………
『気のせいであろう、それよりここで一旦休むか?それともこのまま街まで行くか?』
「うーん…そだな街まで行っちゃうか、休む意味ないし。」
『本当にフォルテ殿の身体はどうなっているのだ…本当に人か?』
「……ヒトデスヨ」
『ジィィ──(。¬д¬。)──ッ』
「な、なんだよ!人だよ!人ですよ!そんな怪しむなって!」
『はぁ…まぁいいか、では行くとしようこっちじゃ』
和馬は従魔なんだしいつかは本当のこと言うべきかな、なんて考えながらエイルの後をついて行った…
「やっぱり何か聞こえるよな?」
『気のせいであろう』
………………………
■□■□■□
人族の街〈ロンペイ〉の1キロほど前ー
「さて、エイル君の話だとあと少しで目的の地に着くわけだが………君…その体どうにかしてくれ。」
『そう言われてもな』
「そんなんで行ったら絶対揉める!断言出来る!」
エイルは狼公の何相応しい巨体の為にこのまま街に向かったら入る前に揉めるのは目に見えていた。
『なら、サイズ変換を行うか、』
「サイズ変換?」
『うむ、私は自分の身体のサイズを自在に変えられるのだ。試しに…』
突如エイルの身体がどんどん小さくなり、ある程度まで行って止まる。その姿はもう豆柴にしか見えなかった…
「可愛くなったなおい…便利なの持ってんなぁ…」
和馬も変換系スキルなら種族変換という便利なの持ってるから格段羨ましがることではないが、それでも便利ではある。
ここで和馬はこいつスキルめっちゃ持ってるけど、この世界の魔物でこれが普通なのか?と思い、エイルに尋ねる
「なあ…お前いっぱい能力持ってるけど魔物って大抵持ってるのか?」
『いや、私ほど持っているの魔物はほとんど居ないな、高ランク魔物は持っている事は持っているが多いが私程持っているものは少ない。』
「そうか。」
和馬は他にも持っているのか気になり、内緒で【魔眼】スキルを発動して、エイルのステータスを盗み見た。
─────────────────
ステータス
名前 エイル
性別 オス
年齢 不詳
レベル 58
種族 上位魔物 狼系 狼公
称号
皇帝になりうる者
特別者
フォルテの従魔
体力 5800/6000
魔力 1000/1000
魔法
属性魔法
風魔法 6
水魔法 5
土魔法 7
召喚魔法 4
スキル
牙攻撃 5
爪攻撃 6
覇気 4
回復 3
魔力操作 4
固有スキル
脳内言語伝達
魔眼(劣化)
身体体積変換
統率
────────────────
(おぉ…レベル的にはゲームの狼公と変わらないが…上位魔物?狼公は中級モンスターだったはずだが…この世界だと違うのか?それとも称号の皇帝になりうる者が関係してるのか?皇帝になりうるってことは、狼皇帝になれるって事だよな?うーん…スキルの方は…高くは、ないな。それともこの世界はこんなものなのか?でも、体力と魔力はゲームの狼公より高い…この世界わよく知らない現状だと、このステータスがどうゆう感じなのかよく分からないな…しかし、年齢不詳って何でだよ!あれか?結構いってるから知られたくないー!みたいなやつか?女か!…本人が自覚してないって事にしとくか…)
なげぇよ…私の説明があるんだから早く終われよ。
「ん?やっぱりなんか聞こえた」
…………………
「…気のせい…か…」
『フォルテ殿、そろそろ着くぞ。』
和馬が色々考えている間に、既に街の入口であろう門が見えてきた。
「壁でかいなぁ…」
『うむ…ここまで近づいたのは初めてなので、私もここまでデカかったとは思わなかった。』
街は50メートルはありそうな壁に囲われており、某巨人漫画出てきそうな感じだった。
壁の前に立つと、自分の矮小さが凄く感じられるものだった。
門の前には門番の衛兵らしき人物が2人立っていた。
和馬とエイルがいざ街へ!と意気込んで門に近づくと当然だが衛兵の1人が和馬のあまりの美形な顔立ちのせいなのか、若干震えた声で止めてきた。
「なぜ止める!?」
当然だろう。
「「当然だろう」」
『当然だろう』
「うぐっ…エイルまで…」
全員に言われ、和馬の精神が一気にすり減ってしまった。
「で、何ですか?」
が、そこは流石和馬。すぐ立ち直る。ちなみにエイルの声は現在和馬にしか聞こえてないので、衛兵達に驚きの表情はない。
「街には入りたいなら、身分証の提示をしてもらう。」
「そんなのないけど…」
「ふむ…なら、通行料1人銀貨1枚を払ってもらい、この水晶に触れてもらう。」
いつの間にか横に立ってたもう一人の衛兵の手に、水晶が握られていた。おそらく犯罪者かを確認するためのものだろうと推測できる。
「通行料は従魔やペットとかも含まれるからな。そこの…子犬?はお前のペットだろ?」
「狼だけどね、まぁ僕のですよ。」
「そうか、なら払ってもらう。合計銀貨2枚だな。」
「うーん…」
和馬はこの世界のお金は持っていない。硬貨は持ってるがそれはゲームのであり、おそらく使用することは不可能だろう。ここで、和馬は閃いた。
「あの、ここで魔物の素材渡して、それを金にして通行料にするって事出来ますか?」
「あぁ出来るぞ。何を売るんだ?」
許可が出たので、【アイテムボックス】から緑狼3匹と森を抜ける途中にエイルに教えて貰った高ランク魔物の出るポイントで狩ってきた魔物も出した。
内訳としては、緑狼3、狼皇帝1、豚人30、豚人将軍2、豚人王1
となっておりマース
衛兵達は最初何処からともなく出した素材に驚き、次にその数、種類の順に驚いていた。
ちなみに、和馬のアイテムボックスは1度素材として、収納したら次に同じモンスターを解体しないで収納しても自動で解体されるという便利ものだった。
なので、ゲームで今回出した魔物を入れていた為、解体しなくても、素材として出てきた。
「なんだこの数…というかなんで狼皇帝に豚人王までいるんだ!」
「倒したからですよ」
衛兵達は驚愕の表情を浮かべる。それもそのはずだ。今の和馬の見た目は14~5歳のひょろっちい子供にしか見えないのだから。一応この世界は13で成人だが、それでも20歳くらいを過ぎるまでは子供扱いされるし、和馬はそれに加え顔だけでなく体つきまで女の子みたいなので、尚更だ。
「ほ、ホントに君が…これを?」
「えぇ、それより買い取ってもらえるんですよね?」
「あ、あぁ、じゃあ行くから…あっその前に水晶に触れてもらっていいかい?」
そう言われ和馬はもう1人の衛兵の持つ水晶に触れた。すると、水晶がほんのり光を放ち、すぐに消える。
「うん、問題ないようだね。じゃあ換金してくるから門内にある詰所で待っていてもらっていいかな?」
「わかりましたー」
「あっ一応名前教えて貰っていいかな?換金の時必要なんだ。」
「あっ、フォルテです。」
「フォルテだね。じゃあ行ってくる。」
衛兵が大量の素材を持って換金に行くと、もう1人が詰所に案内してくれた。なげぇな…さっさと入れろよ門兵…
「ん?何か言ったかい?」
「え?いえ何にも言ってませんが?」
「…そう?」
…………………………………………
詰所内は意外と綺麗に整っていた。狭いが…
「そこに座って待っててくれるかい?茶でも出すよ。」
「あっお構いなく…」
「子供なんだから遠慮しなくていいよ(笑)」
(あぁ…俺見た目子供か、なるほどだからさっき俺が倒したって言った時驚いた表情してたのか…まさかこんな子供がみたいな感じで)
今頃気づいたようだ。鈍感系主人公の座も遠くないやもしてない…なお、エイルは犬みたいに大人しく寝ていた…
「はい、どうぞ。それにしても君強いんだねぇ、あんなに魔物倒すなんて、しかも上位種まで!」
「いやぁ、森で偶然出会ったんで倒しただけです。」
それが凄いんだけどね。
「森?…!?もしかして死の森を超えてきたのか!?」
「死の森?何です、それ?」
「知ら…ないのか?ここから10キロほど行ったところにある森で、正式名称はラギの森って言うんだが、あそこは上位魔物や中位魔物の温床でね、入ったら出られない森として有名なんだ…そしてついたあだ名が『死の森』…って訳だ。」
「なるほど…僕結構遠くの方から来てるんで、この辺のことよく知らないんですよね、良ければ教えてくれません?」
「そうなのか?私でいいのなら…ゴホン、まず…」
それから、この国とこの街について、流通している硬貨について、そして周辺諸国との関係について等など様々な事を教えて貰った。そしてこの男…
(教えるのうめぇ!子供でも分かりやすいように工夫しているのが分かる!なんでこの人門番なんかしてんだ?!絶対教師の方が向いてんだろ!)
「さて、これ位でいいかな?理解できたかい?」
「ええ!もちろん!」
和馬が若干食い気味に答える。
和馬がさっきの話で手に入れた情報をまとめると、
この国はアルフレート王国で、この街は王国の貴族であるコープル=ロンペイ辺境伯の領土ということ。
流通している硬貨は、白金貨、大金貨、金貨、銀貨、銅貨で、それぞれ十進法で上がっていくということ。
周辺諸国では、隣のエブリス帝国と仲が悪く何年かに1度戦争をすることと、北部にあるイース法国に至っては人間至上主義を掲げているせいで、ほぼ全ての国を敵に回している。それでも潰れないのは国力がある事と山脈と大河に囲まれているからだそうだ。そしてラギの森の西側にもう一つ森があり、そこはエルフがパナス森王国という国を建国しており、アルフレートとエブリス、イースももちろん一切の交流が無い。というかパナスともう一つアルフレートの北部に位置する獣人族主体国家のゴルドン王国という国があるが、その2国は人族の国に関わってこないらしい。後は、エブリス帝国の南部にあるドワーフの国、要塞国家ドウィグエ。そこはアルフレート、エブリスともに交流があるようだ。主に戦争で使われる武具関係でだそうだが。そして、数馬の興味を一番惹かれたのが『霧海』についてだ。『霧海』とは、海岸から50キロほど行くとある海の上が霧で覆われている場所のことだ。今までこの海を越えて戻ってきたものはいないので、噂にしか過ぎないがどうやら霧を超えた先にはもう一つの大陸があると言われているそうだ。なぜこれに興味を持ったのか、それは「エルメイル」にも同じく『霧海』と呼ばれるものが存在したからだ。
(これは偶然か?…確か『霧海』は近々晴れ、新ステージが解禁されるって運営が言ってたが、まさかここが?いや、まさかな…どのみち調べる必要があるな)
そうこうしていると、素材の換金に行った衛兵が返ってきた。
「待たせたね、これが素材代だ。すごいぞぉ、狼皇帝が金貨6枚で豚人王は金貨5枚、豚人将軍が一体金貨2枚で計4枚、緑狼が一匹銀貨3枚で計9枚、最後に豚人が一体銀貨2枚で計30枚。全部で、大金貨1枚、金貨8枚、銀貨9枚でここから銀貨が2枚引かれるから7枚だな。すごい儲けたな。」
和馬が渡された革袋の中を見ると、金貨と銀貨、そして大金貨らしい硬貨がそれぞれ言われた枚数分は言ってた。そして、ちょっとだけ、笑みを浮かべて袋を【アイテムボックス】に収納する。
「…なぁさっき素材出した時も思ったんだが、お前それどうなってんだ?」
「それ?…あぁ【アイテムボックス】のこと?アイテムを収納するための空間庫みたいなやつだけど…知らないのか…」
「当たり前だ!なんだその便利なの!?見たことねぇぞ!」
「…そ、そうか僕にとっては普通なんだがな…」
和馬は自分の失態を恥じる。まさかここまで【アイテムボックス】が珍しいものだとは思わなかったのだろう。
しかし、中二病なのだから異世界物で主人公の【アイテムボックス】が転生先では常識外というのを知っていてもいいのではと思ったりもするが…まあ…焦ってでもいたんだろう…うん、そうに違いない。
(この僕が定番を忘れるなんて…焦ってたんだ…そうだ!そうに違いない、でなきゃ僕がこんなミス…)
ほらやっぱり…うん。
「…はぁ、ともかくそれは街中で堂々と見せないようにしたほうがいいぞ、利用しようとするやつが出てくるかもしれない」
「ご忠告ありがとうございます…気を付けます。」
まぁ、もしそんな奴がいても一瞬で捻り潰されるだろうが、一応気を付けたほうがいいだろう。進んで棄権に巻き込まれる必要はないんだから、そんなことを考えながら和馬は返事をする。
「さて、通行料も受け取ったからもう行って大丈夫だよ、長く引き留めてしまいすまなかったね」
「いや、僕のせいですから。おかげでいろいろ知ることもできましたし、ありがとうございました、エイル!いくぞ!」
『むぅ?…うむ…ふぁあ…行こ~…』
和馬はお礼を言い、ずっとぐっすり眠っていたエイルを起こしてから詰所から出て、街の中に入っていく。
この時和馬は知らなかった…この町も含め国単位、いや大陸全土を巻き込む騒動に巻き込まれるという事に…
―――しかしそれはもっと先の話…
「やっぱなんか聞こえる!」
『?』
………………………………なんで聞こえんだよ!
神(僕)の声が聞こえるなんて…こやつやりおる…
どうでした?僕的には、いいと思いたいですねwww
誤字・脱字があれば、教えてください。
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