親友との語らい
二人一組で割り当てられた部屋でいろいろと考えることにした。相方は宗司だ。
「いろいろありすぎて今日は疲れたな」
「そうだな。普通こんなことは起きないからな。ところで蓮、帰還方法のことはどう思う?」
「他の帰還方法を秘匿しているかもしれないけどなんともいえないな」
「だよなぁ…情報を集めていかないと言いなりになる可能性が高いし、探りすぎたら気づかれるかもしれんしどうするかな」
「無難に図書館とかで調べるか。もしくは住民から話を聞くくらいなら大丈夫そうだけど」
「うーん、情報統制されていそうだな。そっちは任せるわ。俺は騎士学校の生徒に聞いてみる」
「そっちも怪しいなぁ。全部鵜呑みにはするなよ」
「わかってる。つか能力はどうだった?」
「あー、表記の通りなら戦闘も生産も戦力外だな。ほい」
「<共感>で契約者か…奴隷を使役するための職業か?というか『???』ってなんだ?」
「わかったら苦労しないよ。明日、研究所で調べるらしいけどそれまでは何もわからないな」
「…自分が望んだ力が手に入っている感じがするな」
「そうか? まあいいや宗司はどうだった?」
「こんな感じだ。俺は後方支援になるだろうな」
沖田 宗司 年齢:17歳 性別:男
Lv.1
職業:指揮官
種族:人間
称号:指示者、召喚者
固有技能:<命令>
技能:自動地図表記、自動地形表記、自動方角表記、地図味方位置把握、地図味方強化、念話、千里眼、ポイント、言語理解
体力:30
筋力:30
魔力:100
敏捷:50
防御:20
魔防:20
<命令>
味方に一つだけ命令する。命令内容によって補正が掛かる。ただし、口頭で命令しないと効果を発揮しない。
『自動地図表記』
自分から半径50mを自動で地図に表記する。
『自動地形表記』
自分から半径50mの地形を自動で表記する。
『自動方角表記』
コンパスいらず
『地図味方位置把握』
味方の位置を自動で表記する。
『地図味方強化』
地図上にいる味方を強化できる。ただし強化中は自分の魔力を消費する。
『念話』
地図上にいる味方と会話できる。
『千里眼』
その場の景色を自分から半径1キロ圏内であれば上空から見ることができる。相手のステータスも確認することができる。
『ポイント』
目標地点を設定できる。地図上の味方にも設定した地点を視覚で共有することができる。
「結構いいじゃん。表記の通りならかなり役に立つ能力で助かったな」
「ああ、だけど単独行動はできないのが辛いな。それにこれ俺から半径50mしか表記してくれないから歩き回らないといけないしな」
「地図作りが大変なのか」
「そういうことだ。作ってしまえば後は自動で更新されるみたいだから楽でいいけど」
「これで敵を表示したならかなり便利だったんだろうな」
「それを言うなよ。俺も気にしてんだから」
「完全に便利な能力はないってことだな。<命令>は何だか強制的に体が動きそうだな」
「試してないからそれはわからん。試してみるか?」
「疲れたから遠慮する。明日から大変だしな」
「明日か…俺達本当に異世界に来ちゃったんだな」
「…そうだな。明日から騎士学校のほうを頑張れよ」
終わり際に訓練する場所を割り振られた。ほぼ全員が魔法学校か騎士学校に行くことになっていた。俺と野原さんは研究所のほうに行くように言われている。
「ありがとう。お前も頑張れよ」
「「おやすみ」」
自分のベッドじゃない違和感を感じながらも明日のために寝付こうと努力するのだった。
ああ…シロが恋しいよ。