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異世界の契約者  作者: 木剣
第二章 迷宮編
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現代兵器

遅くなってすみません。この語の展開をどうしようかと色々と練っていたらなかなか執筆が進みませんでした。ある程度のプロットは完成したので一週間投稿に戻せると思います。

 さてと前回の最後にギガントを倒したときに使った武器は弾倉型のグレネードランチャーだ。ただし、普通のグレネードランチャーではない。なぜかというと弾が特殊なのだ。クイーンスパイダーの糸を粘着剤代わりにして弾本体は復元方式を使って魔力吸収の付与を掛けてある。なんでこうしたかというとギガントは魔力を帯びたものを感知したのでそれなら発射した段階で魔力がない状態なら相手は気づかないのではと思ったからだ。魔力吸収の付与で少しずつ魔力が溜まり発動できるだけの魔力が溜まれば爆発するという仕掛けだ。

 

 これは時限方式だな。色んな武器に組み込めそうだからさらに研究をしていきたいと思う。そしてゴーレムだけど演算装置コントロールコアを作ろうとしたら失敗した。どうやら俺の知らない何かがあるみたいだ。でも、そのかわりに魔導型演算装置(魔導型CPU)を作成できそうだ。使いどころは携帯を作れそうだなくらいにしかまだ考えてないけど。


 さてと肝心のギガントのコアなんだけど今現在、体を工房で作成中だ。各階層で集めてきた植物から綿を作って布も作っておく。それを茶色に着色して桜に縫ってもらっていた。俺はその間に人間の人体構造を元にして骨格と筋肉をミスリルとアダマンタイトで作っていた。

「それにしても蓮君も面白いこと考えるね」

「まあね~。ギガントも気に入ってくれるといいな」

「あ、クマさんのぬいぐるみできたよ」

「こっちもできた」


 桜に作ってもらっていたのはクマのぬいぐるみだ。で、俺は骨格だ。もうこれで何をしようとしているかわかるだろう。そう、ギガントを弱体化させるならクマさんにしてやろうと思ったのだ。え? なんか恨みなんかありませんよええ、殴られたことなんて些細なことですよ。怒ってないよ?

 ぬいぐるみに骨格を入れて動力にはあのグレネードランチャーの弾に使った魔力吸収付与と刻印魔法を使って作成した。よし、これで動けるようになるだろう。

「起動するよ」


ギガントを起動するとクマさんが起き上がってきた。そしてしっかりと地面を踏みしめるとプヒィ~という音が響き渡った。

「…何入れたの?」

「ブーブークッションを入れてみた!」

桜もお茶目ないたずらをするなぁ。俺も目からビームが出るようにしようかな。もしくは…よし、さっそく組み込もう。俺も勝手に変な機能を取り付けるのだった。


 大体の作業が終わるともう一度起動して確認しようとしたらギガントが両腕を高く振り上げてぷんぷんと怒り始めた。

「怒ってない?」

「新しい体が手に入って嬉しいんだろ」

 そういうと理解しているようで違うといわんばかりに首を横に振って両腕をグルグルと回しながらこっちに突撃してきた。それを軽々と受け止めると四つん這いになって机をたたき始めた。感情表現が豊かだなぁ。あ、俺のせいだったわ。勝手にモーションを追加してみたんだった。


 立ち上がってくると今度は腕組みをして首をひねりながら俺を睨みつけてきた。

「俺を倒せると思ったら大間違いだー今こそ俺の真の力を見せてやるーくらえー!!地獄の業火(ヘルフレイム)

 そして右腕を高く振り上げて魔法を発動させてきた。だけど発動したのカチッという音と共に煙草に火をつけるのに最適な小さい火がついた。というか桜も結構ノリノリで勝手にアテレコしてるね。クマちゃんはというとライターの火を見つめてしばらくすると消した。そして両手で頭を抱えて左右に首を振っていた。

「俺ちゃまの必殺技がー! オーマイガー! もう許さないぞ。くらえギガントパーンチ!」


 思いっきり振りかぶって右ストレートを決めるがプヒィ~という気の抜ける音がして全く痛くなかった。パワーが全くないのも困りものだな。お箸が持てるくらいにはしておいてあげようか。そもそもその手だと何にも持てないなハハハ!


 ああごめん、そんなに怒るなよ。吸着式の手にしておいてあげるからさ。あ、会話できるようにスピーカーとマイクの機能を持つ魔道具を作成するか。ついでに俺の記憶を転写しておこう。

 さっそく工房の設計図から作成して搭載した。ついでに記憶装置をグレードアップしておこう。多分このままだと俺の記憶が入りきらないからな。えーと、なんで1000TBのSSDがあるんだ? 要求してある資材はミスリル合金か。明らかにこっちの鉱石で魔改造してるじゃねえか! しかも研究されているみたいでさらに上の1000PBっていう訳の分からんものまであるわ。こんなの元の世界に持ち込んだら大変なことになるな…待てよ? 記憶装置でこれならCPUとかはどうなってるんだろ。あ、これアカンわ。魔量子コンピューターって項目を発見した時点で色々と察した。


 オーバーテクノロジーすぎるだろ…とりあえず、5000PBの奴を搭載しようか。なんだかんだで俺もオーバースペックにしようとしていた。さらにモーションを追加してっとこれでしゃべれるだろ。

「変な機能を付けるなぁ! 俺ちゃまの誇りが!! って勝手に呼び方もいじるな!」

「恥ずかしい奴だな」

「お前がやったんだろうがこら!!」

「悪い悪いそんなに怒るなよ」

 こいつにもプライドがあるだろうにいやそもそも自我があったのか微妙だな。

「自我は小さいがあった。SSDを積んだ時点で確立できたがな」

「…あれ? 教えたっけ?」

「お前、知識の転写をしたじゃないか。何を考えているのか手に取るようにわかるぞ。次やるときは自身の記憶を含めないほうがいい」

 まさか全部転写されたのかよ。これは失敗したな。まあでもそんなに危険はないだろうし大丈夫だろ。


「そんなに楽観的に構えているといつか足元をすくわれるぞ」

ぬいぐるみにそんなことを言われても実感がわかないな。そんなことよりも新しく見つけた珍しい鉱石を調べるか。そうして俺は机の上で浮いている鉱石を研究するのだった。これが完成すれば最高の攻撃力になるはずだ。


 これの名前はウルマグと言って磁石をかなり強力にした鉱石だ。しかもいくら熱しても磁力が弱くならないため色々と用途は多そうだ。ただその代わり魔力がないと磁力を失ってしまうという欠点があるので地球では発見されていてもただの石と見分けがつかないと思う。

 ウルマグと電気属性の魔石を使って俺は武器を作成した。試作品だからしっかりと動作してくれるか確認するか。


 工房内に用意した的に試作品を構えた。試作品は見た目だけはリボルバーの銃だがサイズはカリバーよりも二倍はあってバレルの長さも50㎝くらいで長めになっている。そして何より異質なのがシリンダーが銃の本体に対して浮いているというところだ。装弾数も一発だけで装填する部分はシリンダーの中心に装填するようになっていて本来の装填する場所には雷属性の魔石を銃弾状にして埋め込まれている。リロードするにはシリンダーを丸ごと交換するしかなくて発砲するのも少しの時間だけチャージしないといけない。これだけを見るとかなり使い勝手が悪いがその分威力は破格だと思いたい。


 とりあえず、俺は確認のために雷魔法を唱えて電気を纏い試作品を構えた。電流と魔力を操作するとシリンダーが高速で回転を始める。それと同時に熱を持ち始めてバチバチという音を出し始めた。その状態で3分ほどチャージすると俺の周りに電撃が飛び始めたので俺はここだと思い引き金を引いた。次の瞬間、轟音と共に一筋の光が生まれ、的に一直線に伸びていく。光が的の中心に寸分たがわずに着弾すると的を貫通していく。さらに後ろに用意しておいた緩衝材代わりのアダマンタイトにまで大きめの穴をあけてしまった。


「これは想像以上の威力だな」

ただ問題点も浮上してきた。バレルの部分は前から見ると『二』の形になっている。そこがかなりの熱を持っていた。念のために冷却の魔方陣を刻んでおいたがそれでも間に合っていないみたいだ。これは連続じゃ撃てないな。後、もう一つは移動しながらは撃てないというところだ。少しだけ動かしたらシリンダーの回転軸がずれてどこかに飛んでいきそうになっていたからな。それに魔力もかなり持っていかれるからそこも改善しないといけない。


 そしてこの兵器は俺だけが使うようにしよう。その理由は撃った右腕を見れば一目瞭然だ。

「くっ…痺れるうえにダメージまであるとはな」

 ほんの少しだけ体から焦げ臭い匂いがするし、満足に右腕が動いてくれない。自分を保護するための機構を考えておかないといけないな。今のところは最後の切り札にしか使えない。

 今日はこれくらいにしておこう。桜に気づかれたら心配されそうだしな。さて俺が作っていたのは皆がよく知っているレールガンだ。色々とツッコミどころはあるだろうが電気系統は魔法でカバーできて、加速距離も直線に磁気のフィールドを魔法で作ってあるので見た目よりも長い距離を加速させているため威力も高くできている感じだ。つまり俺はとうとうこの世界に科学の力と魔法の力が集まった最高の兵器を1つ産み落とすことができたのだった。

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