壊れ始める日常
書き溜めがまったくないよ。どうしよう…もうちょっと勉強してから執筆したほうがよかったかなと少し後悔してます。他の作家さん達は本当にすごいですね。たくさん書く→あれ?これおかしくね?→修正する→表現おかしくね?→修正する→物語おかしくね?→修正する→何書いてたんだっけ?←今ココ
昼休み。野原さんと水谷達が教室を出ていく。手にはお弁当が握られていて普通なら友達と他の場所で仲良く一緒に食べるんだろうなとなるけどこの場合は違う。今はまだ暴行にまで走ってないところを見るとやりそうなことはあれだろうな。
「やっぱり行くのか?あまり手を出すと悪化するぞ」
「わかってるでも、助けることができてない自分が言うのもなんだけどほっとけないんだ」
「お前らしいな。よし! 蓮の弁当は俺が食べてやろう!」
「なんでそうなるんだよ! まあいいけどさ…ほれ、昨日の残り物だから期待するなよ」
「冗談だったんだがまあいいか。ほいよ」
いくらか小銭を渡してきた。
「別に要らないぞ?」
「餞別だ。とっとけ」
「ありがとうな」
俺もある場所に向かうために教室を出ていった。
「………はぁ、あいつなんで野原さんと付き合わねえのかな」
似た者同士なんだから付き合えばいいのに…絶対あの2人ラブラブになるだろ。小さい頃はよく一緒に遊んでいることが多かったから2人のことはよく知っている。だからこそ2人のことを知る親友はもどかしいと思いながら教室を出ていく世話焼きを見送った。
「もぐもぐ、やっぱりあいつの料理うまいな」
寄り道をしてから体育館裏にまでやってきた。そこにはもうお弁当の中身を地面にぶちまけられた。野原さんがいた。水谷達はいないみたいだな。
「はぁ…」
俺がため息をつくと三角座りをして顔をうずめていた野原さんが俺に気づいた。
「…なんで来たの? もう私にかまわないでっていったはずでしょ」
「つれないこと言うなよ。ほい」
俺は手に持っていた袋を野原さんに渡した。
「これって…」
「いらないからあげるよ」
「……いらない」
そっけない返事をしているがそんな短い付き合いじゃないんだ。何を考えているのかが手に取るようにわかっている。本心は欲しいけど申し訳ないから受け取れないだな。まったく本当に素直じゃないなと呆れていた。だけど気のいい仲だったからかちょっとだけ意地悪な言い方をしてしまった。
「目を合わせてそれを言ってみなよ……ごめん、意地悪だったな。本当にいらないから気にしなくていい」
踵を返してそのまま立ち去ろうとしたら野原さんがとっさに俺を引き留めようとした。
「あ…まっ」
「ん?」
長い間をおいてしっかりと耳を澄まさないと聞こえないくらいのか細い声で。
「………ありがとう」
「どういたしまして……これくらいしかできなくてごめんな」
「ありがとう、蓮君」
わかってる。私を心配してくれていることは…手を出したら悪化するから見ていることしかできない。だからこんな風にこっそりフォローしてくれている。そんな優しさが本当に……
そんな気持ちと同時に自分のことが嫌になる。ただ甘えて何もしない自分が許せなくなる。ここまで思っても勇気を出せない自分が……やめよう。考えていたらどんどん鬱になる。気を紛らわせるために蓮君からもらった袋を開けた。
「……蓮君覚えていてくれたんだ」
私の好きな卵サンドが入っていた。ちゃんと飲み物にお茶もある。
「ううぅっ…本当にありがとう…」
食べた卵サンドはちょっとだけ塩の味がした。
「はぁ…失敗したな」
ただ見ているだけの自分が嫌になる。助けてほしいってわかっているのに何もできない。そんな自分が許せなくなる……やめよう。考えていたら壺にはまる。別のことを考えよう……
野原さんは小さいころからの幼馴染だ。いつも仲良く遊んでいた。でも、その記憶がかなり曖昧なんだよな。なんでだろう?なにかあった気がするんだ大切な何かが…思い出さないといけないのに思い出せないのが歯がゆい。ここで考えていても仕方ないか。教室に戻ろう。
昼休みが終わりを告げて気が付けば放課後を告げるチャイムが鳴ったが、俺はそれどころじゃなかった。なぜならこの教室の真ん中から光る文字と陣が浮かび上がってきているからだ。
授業中から浮かび上がっているのだが俺以外の人はまったく気づいていないみたいだ。で、放課後のチャイムと同時に急に教室全体に広がってきたのだ。いったい何だこれは?そんなことを考えていると急に光が強くなってきたのと同時にクラスの皆が気づき始めた。
「な、なんだこれ!?」
「どうなってんだよ!」
「皆さん落ち着いてください!」
急いで教室のドアを開けようとするが全く開く様子がないみたいだ。どうやら窓も同じみたいだ。
「お、おい蓮!これどうなってんだ!」
「俺にもわからねえよ!ただドアにもなんか文字と陣が書かれてる!」
「俺には足元の陣しか見えないぞ!ど、どうする!?」
「んなこと言われてもわからねえよ!」
そんなことを言っている間に教室全体が白く包まれ始めた。そして浮遊感と同時に引っ張られる感覚が襲ってきた。
「「「「「わあああああああ!!!!!」」」」」
次の瞬間、教室には誰もいなかった。残っていたのはパニックになって倒した机と帰る準備をした鞄だけだった。