クラスメイトはお調子者
すみません。入院やお見舞いやらいろいろあったので投稿できませんでした。一週間で投稿できるかがわからない状態ですので申し訳ありません。必ず完結させます。
俺の名前は天野優斗、この世界に召喚された生徒だ。最初の頃はこんな場所に召喚されてどうなるかと冷や冷やしたが今はそんなことはない。
むしろかなり順調だ。職業は勇者で強くてかっこいい俺!さらに頭脳明晰でイケメンときた!異世界の学校では女の子にキャーキャー言われっぱなしだ。
この間は竜の討伐に参加して楽に倒すことができた。しかもなかなか手に入らないドラゴンスレイヤーの称号まで手に入れた。さらにさらに姫様との婚約の話まで舞い込んできた。もう元の世界に帰らなくてもいいとさえ思うくらい最高だ!
「おい、優斗。今は戦闘訓練中だぞ気を抜くな」
「すまんすまん、集中するさ」
どうやらあっち側に行っていたみたいだな。ま、反応防御があるから気を抜いても大丈夫だがな!
「岩本さんもそんなこと言ってないで前見てください。来ます」
「おう、すまねえな」
俺に注意したのは岩本剛だ。俺の小さいころからの親友だ。職業は拳闘士だったはずだ。殴ることに特化していてマッチョな剛にとっては天職だな。固有技能は鋼でめっちゃ固くなるだったはずだ。おかげで岩を素手で壊すということができると喜んでいたがそれってどうなんだ?
もう一人は鈴木守。職業は守護騎士だったっけ?防御においては最強なはずだ。俺の全力だと貫いてしまうが剛の攻撃はすべて耐えきったから盾としてはかなり優秀だな。固有技能は鉄壁どんな攻撃も防御するというものだ。これだけは俺の攻撃でも貫けなかった。
「攻撃するなら早くして!矢がなくなるでしょ!」
バルバという狩人の人と打ち合っているのが雨宮静香。弓道部の部長をしていたからなのか職業は狩人で固有技能は狙撃。本人から聞いた話だとどこに当たるのかがわかるみたいだ。そのおかげで矢に矢を当てて迎撃するという離れ業を何回もしている。
「攻撃魔法いっくよ~」
「こっちもいくわよ」
佐枝美樹と水谷結菜が魔法の準備が整ったと合図してきた。美樹は賢者で固有技能は発動だ。結菜は幻術士で固有技能は魅了だ。
「タイミングを合わせていくぞ!」
「はいはいー、ポンポンポーンといけ~」
美樹が連続で魔法を放っていくこれが美樹の固有技能の発動だ。最大3つまで同時に詠唱できるというチートだ。その代わり魔力が尽きるのが早いという欠点があるみたいだがな。
「おっと、危ないですねぇ」
バルバさんは連続で放たれた魔法をギリギリで躱してすぐに体勢を整えていた。追撃に3人で攻撃するがそれも危なげもなく余裕で回避される。
「ちっ、当たらねえ」
「動きが素直すぎるのですよ。多少はフェイントを入れて駆け引きに持ち込まないと私には当たりませんよ」
「なら、これでどうだ!」
俺は縮地で背後に回り込んで木刀を振りかぶるが、まるで背後に目があるかのように躱された。
「縮地があることは知っていますからねぇ。知っていれば対処は可能です」
舌打ちをしながらバックステップで距離を取るがすぐに木製のナイフが飛んできて反応防御で防御して体勢を強制的に崩された。
「距離を取りすぎです。すぐに間合いに入れる距離を見極めなさい」
そしてバルバさんが追撃しようとナイフを構えた。
「まだ、攻撃は終わってません」
だが、バルバさんは気づいていないみたいだった。すぐそばに俺がいることにそしてやっとできた隙を俺達はついた。
「なっ!」
驚いた声を出して対処しようとするがもう遅い俺は木刀を振りかぶって当たる直前に寸止めをした。
「俺の勝ちです」
「…やれやれ幻術ですか。私の負けです」
「「「「いよっしゃー!(やったー!)」」」」
俺達はハイタッチをして勝利を喜んだ。ずっとバルバさんに模擬戦を挑んでは負けていたためこれが初勝利だ。最後の攻撃は結菜の幻術でもう一人の俺を作ってもらい本体の俺は実はその場に残っていた。
そして隙ができた時を狙って攻撃するという作戦だった。上手くいってよかったぜ!
「最後の機転はよかったですねぇ。ですが、それが通じない相手も…って聞いてないですね」
「もう俺達なら怖いものなしだな!魔王なんて楽勝だろ」
「ふっ、僕の活躍のおかげです」
「はいはい、そうですね~」
「とりあえず、話をするので皆さん聞いてくれますか?」
「「「「「はい」」」」」
やっべ、舞い上がりすぎていたな。
「今回の模擬戦で免許皆伝です。ですが、これで調子に乗らないように慢心は隙を生みますから」
「大丈夫ですよ。バルバさん、俺には反応防御もありますから」
「やれやれ、まあいいでしょう。これ以上は私から教えることはありません。これからは各自で己を磨くように!」
全員で同じように返事をして今日は解散になった。本当に最高の日だ。これから風俗店にでもいこうか。
「・・・いくか?」
「「OK」」
目と目で通じ合ってこれからの予定が決まった。
「私達は食べ歩きに行ってくるね」
「あ、あたしは用事あるからいい」
「ノリ悪いな~結菜」
「また後でね」
結菜だけ一人で別の場所に行ってしまった。それを合図に解散となった。
「……期待外れもいいところだ。これならまだ彼のほうが期待できる…ここはお遊戯の場ではないんですよ。最後の攻撃は確かに不意を突けるでしょうが忘れたのですか?私には索敵という技能があることを」
あの時、実際は幻術だということにバルバは気づいていた。だが、わざと隙を出してこんな不毛な模擬戦を終わらせた。
「覚悟を決め、努力し、勇気を出した者だけが生き残ることができる世界。そういう場所にあなた達はいるんですよ」
その場に残ったバルバは呆れたように子供たちを見つめていた。