初っぱなから異世界スタート!? 3
…さてこれからまずどこへ向かおう。
俺は周りを見渡してみる一面草原地帯のようだ。遠くに建物のような物も見える。
ということはあれがメニスタだろうか。
咲「まずあそこによってもうちょっと情報収集でもするか」
咲「…どういうことだよ、これ」
道中、魔物に遭うことは無くすんなりとメニスタには着けたのだが…
人がいない。というよりも都市として機能していない。
咲「誰かいませんかー?」
…返事がない。ただの廃墟の都市のようだ。
咲「いやいや待てよ!?さっそく来た都市が廃墟って何だよ!?」
頑丈な石造りの家が色々とあるが、あちこち石の隙間から草が生え窓は割れ、扉なんて蹴破られているわで色々と破損している。
咲「あの神様の情報なんてまともに信じなければ良かった」
はぁ、とため息がつい出てしまう。
咲「とりあえず、ここから近い都市といえば―…ん?」
そこら中草だらけにも関わらず遠くに一箇所だけ花が咲き乱れている所がある。
………ガサッ
…嫌な予感がする。
こういう時、大体当たるんだよなぁ…
そろーっと後ろを振り返ると、
キシャャャャァァアアアッ!!!
俺よりも倍近い体格のカマキリがいた。
ああ、ですよねー…
はいでは。回れ、右、よーい
咲「デジャブかよぉぉぉ!!?」
全速力で逃げるしかない!
攻撃しようとも考えたが、魔法が出ない。どうにもまだ完全に扱いきれないらしい。
俺の叫び声を聞いたからか草むらから魔物が現れてきているみたいだ。
後ろで先ほどのカマキリらしい鎌の音、魔物の声も聞こえてくる。
キシャァァァァアアアアッ!!!
距離は離れてきているらしいがどうにも俺の足も限界に達しているようだ。
咲「クソッ!!」
気が付けば目の前にはあの花畑が近くにあることに気づく。
その時―――
ガッ!!
咲「うおっ!?」
石畳から外れた石に気づかず、そのまま花畑に転がり込んでしまう。
すぐに立ち上がろうとするがどうも足を挫いたらしく立つことがままならない。
咲「くそ!こんなところで!!」
後ろを振り向くと先ほどのカマキリが一匹追いかけて来ている。
魔法を出そうとするが、出る気配すらない。
カマキリがだんだん近づいてくる。
魔法も出ず俺は顔を隠し、目をつむる。
ふとここで気づく。
――あれ、あのカマキリ一匹だけだったっけ?――
シャキンッ
何か切った音がする。
切られたにしては痛みが小さい気がする。
薄く目を開けると、そこには俺に背を向けひたすらに何かと戦っているカマキリがいた。
咲「どういうことだ…?」
目を開けると、カマキリは他の魔物と戦っていた。
ふと足元を見ると魔物の上半身と下半身が分かれたものがあった。
うっ、と小さく声をあげてしまう。ふと暗くなり上を向くと先ほどのカマキリがいた。
襲われると思い気を引き締める。しかし、
キシュゥゥゥ…
カマキリはどうにも戦う意思はないようだった。