表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
念願の異世界召喚?  作者: アシタチ
10/96

魔法の都市 マライブ 2

…そんな馬鹿な。俺が行った時にはすでに廃墟の街だったんだぞ。一体いつそんなことが出来るっていうんだ。


咲「そんなのでたらめだ!!俺が行ったときからすでに――」


看守「貴様と同じ髪色、同じ目の色をした者だ。そんな人物はこの都市にもどこにもおらん」


咲「嘘だろ、そんなこと…」


ふと、看守にもう一人の看守が近づく。どうやら伝言らしいがそんなこと知ったことではない。

そんなことよりも、メニスタを滅ぼしたのが俺と同じ髪色、目の色だということだ。一体どういうことだ。あの草原で目が覚める前に何か俺がやらかしたのか…?


…看守が何か言っている。何だろう?


看守「おい、32番。外に出られるかもしれないぞ?」


その言葉にはっと看守の顔を向く。無実だということが誰かに証明されたのか?

ただ看守の顔には驚いた、というよりも何か面白い物を見れるというような顔だった。


看守「運が良ければな」


咲「…どういうことだ?」


看守は静かに言い放つ。


看守「これから闘技場で戦ってもらう。」


咲「闘技場…?あの人と人が戦いあう…?」


看守「そうだ。そこでとある方に勝つことが出来たならば釈放してやろう」


看守は一つ区切りをつけて言い放つ。


看守「ただし、魔法を使うことは禁じるがな」




今、目の前に大きな扉がある。その向こうから様々な歓声が聞こえる。湧き上がる歓声とは裏腹に俺は手が震え青ざめているだろう。なんだってこんな目に遭わないといけないんだ。それに相手は人だって?

呑気に平和に暮らしていた俺に人を斬ることは出来るのか?模擬戦でも何でもない。


アナウンサー「――さぁ、幾度となく襲い掛かるモノを蹴散らし虐殺!!こいつに敵うものは誰もいないのか!!?さぁ最終戦!!次はどんなモンスターが――ん?ここで一つお知らせです!!なんと最終戦はモンスターではなく人間との対戦のようだ!!」


様々な声が上がる。つまらねぇ、さっさと始めろ、早く殺し合いを見せてくれ。



殺し合い――



その言葉が頭に響くだけで吐きそうになる。手に持った剣がさらに重さを増したように感じてしまう。

あの時の盗賊共はフラーフェのおかげで死ぬ恐怖なんてこれっぽっちも感じなかった。

でも今は独りだけ。自分で解決させなければいけない。


咲「…やるしかないんだよな」



息を大きく吸って深呼吸する。大きな扉が少しずつ開いていく。


アナウンサー「さぁ!!乱入者の登場だぁ!!」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ