初めての彼氏
15歳になった私は
他の15歳と同じで恋愛に興味津々だった
違うのは私は好きになる人が男の人だったこと
学校では男子の制服を着ていた私は例えクラスメートを好きになったとしても、この気持ちを伝えることさえできない。
でも15歳
頭の中なんて恋愛でいっぱいなんだ
そんな時、携帯のサイトで私はある男の人とメル友になった。
「15歳の男だけど、心は女の子です。女の子の服を着て外出します」なんて
メル友を募集出来るサイトの掲示板に書き込みしたら10通近くも返事が来た。
その内の一人がマサヤだった。
マサヤは25の社会人。
メールをした時からずっと会いたいと言われていた。
携帯で写メを取って交換したらかっこよくて私も会いたいと思った。
普通に話をするくらいなら…なんて気軽な考えだった。
16歳の夏
高校が終わるとすぐに僕は
町に出かける
制服を脱いで、女の子の服を着る
女の子の服に着替えた僕は
どうみても女だ
声さえ出さなければ男の子だなんてばれたことがない。
僕は夜に私になる
待ち合わせ時間は夜の8時
人通りが多いから、あらかじめ服装を伝えておいた。
「香奈ちゃん?」
後ろから呼び止められる
香奈
それが私が女の子になる時の名前だった
「あっ…西田さんですかぁ?」
西田という男はスーツ姿で
いかにも爽やかスポーツマンなイメージの男だ。
初対面の私たち
西田は会話はほどほどに
私の手を引きホテルへと連れていった
好きなように体を弄び
2時間たったころ
私は2万円を受け取り男とホテルを出た
援助交際
女装した私をお金で買う
そんな人がたくさんこの世の中にいることを知った
30代から50代くらいの男と何人も寝た
私のリアルな日常だった
あの頃の私は何も感じなかったのだ
いや
感じようとしていなかった
誰かのせいでは決してない
私が自分で始めたことだった