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16歳の夏
16歳の夏
高校が終わるとすぐに僕は
町に出かける
制服を脱いで、女の子の服を着る
女の子の服に着替えた僕は
どうみても女だ
声さえ出さなければ男の子だなんてばれたことがない。
僕は夜に私になる
待ち合わせ時間は夜の8時
人通りが多いから、あらかじめ服装を伝えておいた。
「香奈ちゃん?」
後ろから呼び止められる
香奈
それが私が女の子になる時の名前だった
「あっ…西田さんですかぁ?」
西田という男はスーツ姿で
いかにも爽やかスポーツマンなイメージの男だ。
初対面の私たち
西田は会話はほどほどに
私の手を引きホテルへと連れていった
好きなように体を弄び
2時間たったころ
私は2万円を受け取り男とホテルを出た
援助交際
女装した私をお金で買う
そんな人がたくさんこの世の中にいることを知った
30代から50代くらいの男と何人も寝た
私のリアルな日常だった
あの頃の私は何も感じなかったのだ
いや
感じようとしていなかった