その他編
気付いたら物凄く長くなっていました…
ケース黒鋼&火月
「なぁなぁ!!黒鋼さん!!あれ面白そうじゃないか!!?」
黒鋼は基本的に火月の護衛として共に行動することが多い
今回も黒鋼は火月と共に行動している
火月からしても黒鋼は誘いやすかった
「ん~?」
黒鋼は火月が指差す方向を見ると
強いもの募集
野外試合、一本入れたら勝利、賞金15,000
挑戦料1,000
魔王さんは遠慮してください
と書いてあった
調度試合している
プロレスラーのような外見の男がガタイが良い男に突きを食らわしていた
「あ~確かに面白そうだね、相手は反則級の下位だから、僕は興味ないけど火月やってみれば?」
「いいのか!!?」
「ただちゃんと手加減…っていないし」
気付くと火月はすでに挑戦料を払ってプロレスラーのような外見の男と対峙していた
「しゃあ来い!!」
火月は構える
野次馬は手加減してあげろよ!!とか野次を飛ばしているが
対峙している男に油断はなかった
火月の構えから隙が無い
そして肌に突き刺す威圧感
「いくぞ!!」
男は牽制にフェイントを刻みながら連打を放つ
ガタイがよい割には几帳面に戦う
連打の一発目
「ふ!!」
腕が伸びきる前に一瞬で懐に入り込む火月
男の腹には拳が当たっていた
「これで一本でいいのか?」
魔力を込めた拳を見せる火月
「…」
静寂に包まれる
「…ガハハ!!充分だ嬢ちゃん!!なにもんだ?」
静寂を破ったのは笑う男
全力でやって負けたのだ
ここまで大差があればある意味で清々しい
「兄ちゃんのいも」
「はい失礼」
火月は胸を張って笑顔で飛影の妹だと名乗ろうとし
黒鋼は一瞬で火月の首根っこを掴みその場から離脱する
「黒鋼さんなんでだぁ!!?」
「さすがに取り囲まれるのは面倒」
飛影に妹ができたことは周知だがどのような妹なのかを知る者は少ない
あの場で名乗れば取り囲まれ質問攻めである
「ぶーぶー!!」
不満な火月
黒鋼はすぐに着地して火月を落とす
「…わたあめ買うけど食べる?」
一番美味しそうな露店を探して指を指す
「食べる!!」
一瞬で上機嫌に戻る火月
(単純だな~)
こんな簡単に物で釣られて将来が不安になる黒鋼だった
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ケースシーレイ
「すーすー」
可愛らしい寝息
今城にはシーレイしか居らずシーレイにとって最高の環境であった
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ケース椿&彗
「なんか秋野ちゃんに後で土下座しなきゃいけない気がする…」
「なんか言ったか?」
椿は彗と一緒にいた
「…なんでもない!!」
しかし何故椿が彗といるのか
その理由は簡単だった
少女が風船を離してしまい泣いていたところを椿が発見した
風船は木に引っ掛かっていて椿はすぐによじ上り風船を救出
そして枝が折れて落下し着地に失敗した
その時偶然彗がいたのだ
椿は着地の拍子に足を挫いていて歩けなかった
そして現在
「ご…ごめんね彗君…重いよね?」
彗におんぶされている椿
「そこまで重くはないけどな」
「とりあえず飛影の所まで行けばなんとかなるから」
飛影の所にまで行けばこの彗におんぶされているという秋野にはとても見せられない状況から脱出できる
「はいよ、んであいつは?」
「あれ?彗君が歩き出したから知ってるものだと思ってたんだけど…」
「いや、とりあえずてきとうに城に戻ってたんだけど」
足を挫いた時に椿が言ったのは処置できる場所
彗には城に今人がいないことは伝わっておらず、処置できる場所で浮かんだのは城であった
「ん~わかった。ちょっと待っててね」
椿は眼を閉じて集中する
魔力探知ではなくただ飛影を探すために椿は自分だけの感覚を拡げる
飛影との関係は寄生
飛影から魔力をもらっているため、飛影と椿間で道ができている
その道を見つけて出口である飛影を検索する
察知したのは集中してから五秒後
「んと…記念公園にいる。記念公園までで頼んで大丈夫?」
「別に大丈夫だ…」
彗も絶対強者級ではないが反則級の実力は持っている。椿が150キロでも無い限りは問題ない
「ありがとう!!ちなみにお金なら腐るほど持ってるから喉乾いたとかお腹すいたとかあればいつでも言ってね!?」
「いや、近いから別にいいけど、とりあえず飛影に換金とバイトの紹介はしてほしいな…椿からも頼んでくれないか?」
彗は人間界の金なら三十万は持っているが、いろいろと忙しく未だに換金していない
それに城に泊まっているが宿泊代は全て飛影に払われている
彗としてはお金を借りているという状況だ
「…?なんで?」
しかしそれを椿は理解できない
小首を傾げている
「いや、ほら俺基本的に金借りてる状況じゃないか」
「…あぁ~彗君はそういうの気にするタイプなの?」
ようやく合点がいった椿
「別に気にしなくてもいいと思うよ…それにバイトにしたって文字は読めなきゃダメだし。もう少し落ち着いてからか…もしくは城のお手伝いをするくらいでいいと思うよ」
基本的に宿泊代含め彗達にかかっているお金は飛影が出している
彗がバイトして金を返そうとしても飛影は受け取らないだろうし、城の宿泊代はバイトで稼げるレベルではない
それならばと彗が一人暮らしをしようものなら飛影が全力で止めにかかる
飛影が自己満足で行っていることなので気にする必要は無いというのが椿の意見である
「って言われてもな…」
「お金じゃなくて気持ちで返すのが一番♪」
それでも渋る彗に椿は笑う
「…それもそうか、そうするとしよう」
ついに折れた彗
記念公園はすぐそこだった
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ケースアンジェレネ&ダドマ
「めっちゃこの焼きそば旨いです!!」
「…おぉ!!本当に旨いな!!」
異色の組み合わせがそこにはあった
焼きそばを食べ歩きながらぶらぶらと進んでいる
きっかけはダドマが
(…旨い飯が食いたいな…)
と思ったことがきっかけである
神の強運
てきとうに良さげな露店を探して買う
それだけで外れがない全て美味しい飯になるとダドマは考えた
三人の神の内…食いしん坊はアンジェレネだけである
奢るの一言で食らいついたアンジェレネ
「次あそこ行きましょう!!」
素早く焼きそばを食らうと次の店へと走り出す
「…あいつの胃袋おかしい!!」
かれこれ24件目
ダドマの胃袋は限界である
「じゃあベビーカステラ20個下さい!!」
(20個!!?)
まさかの大量注文にダドマは恐怖すら感じる
ニコニコと笑うアンジェレネ
細身の身体のどこに入っているのか
これが神なのかと
ベビーカステラを受け取り食べ始めるアンジェレネ
「旨いです!!ダドマさんはいりますかぁ!!?」
「…いや甘いものは…」
お腹がいっぱいで食べれないとは男として龍として口が裂けても言うつもりはないダドマ
満腹で苦しいにも関わらず無表情を貫き通す
「あら…苦手だったんですかぁ!!?早く言ってくださいよ!!…それにしても旨いです!!」
美味しそうに余裕の笑顔でベビーカステラを食べるアンジェレネ
ダドマはそのお腹を見るがTシャツ越しでも膨れているようには見えない
「おぉ!!あれ美味しそうです!!」
再び走るアンジェレネ
向かった先は
「ぁ……?」
超ジャンボクレープ屋
アンジェレネなりに気をきかして甘いものだけではないクレープ屋をチョイス
それだけなら普通だがクレープの前にいらない言葉が二つも付いている
露店でクレープを買った客をダドマは見る
通常のクレープの10倍程のサイズのクレープを視界に捉えてしまった
(絶対無理だぁぁぁぁ!!アンジェレネは!!?…買ってるし!!?食ってるし!!?こっち見て手招いてるし!!)
クレープを頬張るアンジェレネ
その笑顔は甘いもの以外もありますからどうぞ選んでくださいという笑みであった
(こうなりゃ自棄だコラァァァ!!)
ダドマは意を決してクレープを購入
気合いで完食するがもう本当に限界だった
「む~ちょっとお腹膨れてきましたね~?」
(ちょっと!!?しかも同意を求めるな!!)
「ちなみに今腹何分目だ?」
ダドマは腹十二分目で限界突破中である
「三分目です!!ダドマさんには負けますが私も少し食べる方なんですよ!!?」
(少しじゃねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇェェェェェェ!!!!??)
死を覚悟したダドマであった
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ケースリーベ&優希
「暇ね…優希なんか一発芸をしなさい」
「はい、了解です!!しかし断ります!!」
リーベと優希はいつもの如く祭りでも関係無く飲んでいた
「…断るの?」
まさか断られるとは思わなかったリーベ
どこからその自信が現れたかは不明だが
「普通に無理です!!私は芸人じゃないですよ!」
優希は腕をクロスさせて×をつくる
「なんだ、つまらないわね」
「無茶ぶりすぎですよ!!リーベさんはできますか!!?」
無茶ぶり返し
無茶ぶりをされた時限定の必殺技である
無茶ぶりを断り、更に仕掛けた相手に無茶ぶりを振ることができる
「できるわよ」
「えぇ!!?」
しかしこの技は相手が無茶ぶりを遂行した場合にはハードルが上がって無茶ぶり返し返しとなり、危険度が増す
しかも相手は絶対強者級
優希のハードルはうなぎ登りである
「なんの変哲もない腕があるわ」
リーベは右腕のジャージの袖を捲り細腕を見せる
「左手にはなんの変哲もない吸血鬼の爪があるわ」
左手の爪を伸ばすリーベ
「いくわよ」
左手で右腕を切り落とすリーベ
そして次の瞬間には右腕は再生していた
「人体切断マジックよ」
ふふっと笑うリーベ
どうだと言わんばかりである
「マジックでもなんでもないじゃないですか!!?普通に切断して普通に再生してるだけですよねそれ!!?」
「あら?身体をはった芸なのに…文句を言えるってことは今以上の芸ができるってことよね?」
妖艶な笑み
(図られたぁぁ!!?)
優希の行動はリーベの予想通りであった
「さぁやりなさい」
足を組んでジョッキを手に取り酒の肴にする準備は万端
「うっし…行きます!!」
覚悟を決めた優希
右手と左手を巧みに使い
右手の親指の付け根を左手で隠す
「あ…指が」
すすす…と親指が移動する
「…」
種は簡単だ
右手の親指を相手からは見えないように曲げて、実は付け根を隠している左手の親指が見えている指なのだ
そして右手の人差し指のラインを使って親指が移動したかのように見せる奇術
リーベは無反応であった
(やっぱり、そうですよね~)
子供騙しレベル
こんなのに騙されるのはいない
「…ちょ…もう一回…よく見てなかったわ!!」
しかし外見が子供なリーベは騙せたようである
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ケース静紅
「ふんふ~ん」
上機嫌な静紅
「お宝~」
静紅がいる場所はメリア城の宝物庫
今なら飛影の注意は城から逸れているため目的であるデスパラシリーズを手に入れることは容易い
視界の端に歪なナイフが目に入る
「見つけたわ~!!」
目当てのデスパラシリーズであった
「ふんふ~ん」
裾から全く同じ形をしたナイフを取り出す
「これと入れ換えて~」
盗ったらすぐにバレそうなのでレプリカと交換することで盗ったことをバレないようにする作戦である
「よくできたレプリカだな~」
「でしょ?高かったのよ~」
「しかし、どれだけデスパラに執着してんだよ」
「形とか面白いじゃない…ってあら?」
静紅はふと誰と会話しているのかと考えた
「…」
「…」
「飛影君?」
「なんだ?」
静紅は振り向かずに名を呼んでみるとすぐに返事がやってきた
「…」
「…」
「え~となんで?」
「いや、静紅のことだからと予想してみた」
トラップによる発覚ではなく
魔力探知による発覚である
(魔力消すの忘れてたわぁぁ~!!)
ついうっかりである
「うふふふ」
「あっはっは!!」
笑い合う静紅と飛影
ガシッと静紅の頭が掴まれる
「ひょぁぁぁぁ!!?」
「あっはっは!!」
「つ…つい出来心で!!…でも飛影君もナイフの一本くらい見逃してくれてもよく…ないわよね!!ごめんなさい!!」
力が徐々に強まっていた
「まったく…油断も隙もない」
「飛影君のケチ~って痛ぁっ!!」
その後静紅は30分ほど説教を食らった
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ラストケース秋野&飛影
「…話せる人がいない…」
秋野は記念公園にいた
彗を誘おうとしたが恥じらう乙女は失敗した(声をかけることすらできなかった)
そしてセツネはセリエと何やら真剣な表情で話していて声をかけづらい
会話の内容は飛影のアホな行動に対しての愚痴なのだがあまりの真剣な表情に秋野は気付くことはない
エリアは国民の方に囲まれていて
コレットやレインも久方ぶりの休みに羽を伸ばしていてどこかに行ってしまった
屋敷の面子は気付いたらいなくなっていて秋野は記念公園でダンスを見ているだけである
「おっすー秋野暇人か!?」
「暇人ですねー」
背後からの声に驚くことなく振り向いて返事をする秋野
「えぇ~気配消して現れたのに平然と返すなよ~」
驚くリアクションが見たかった飛影は残念そうな表情をしている
「…ぶっちゃけ慣れました」
幾度となく驚かされてきた秋野は耐性がついてしまい、ちょっとやそっとでは驚かない
「…」
何か真剣な表情で考え始める飛影
「えっと…次からどんな方法で驚かせようと考えなくていいですよ!!」
「何故わかった!!?」
「先輩のその表情はアホなことしか考えていない表情ですし」
くっそぉ!!と本当に悔しそうな飛影
しかしすぐに切り替えたのか表情が笑顔になる
「まぁいいや!!踊るか!?」
「あっ…お願いします」
乙女として躍りには憧れがある
飛影が差し出した手を取り移動する
「しかし、秋野はもう少し積極性を持たなきゃなぁ」
「何にですか?」
躍りながら会話することができる程度には慣れてきた秋野
「いや彗のことなん」
「無理です!!」
台詞が遮られるほどの即答であった
「もう何を話せばいいかさっぱりです!!いや、考えてはいるんですけど!!頭が真っ白になってもう何が何だかぁ!!?って感じです」
「意味はわからんが気持ちは伝わった!!」
痛いくらいにひしひしと秋野の気持ちは飛影に伝わった
「可愛いね~」
「む!?飛影先輩はそういうの無いんですか!?」
何やら馬鹿にされたと感じた秋野
少し攻めてみた
「あると思うか?」
疑問に疑問で返され考える
秋野は飛影の今までを思いだすとすぐに答えはでた
「絶対無いですね」
自信を持って断言できてしまった
「まぁそうなるわな」
「先輩も恋愛は経験した方がいいですよ!?」
秋野は乙女なため恋愛にはうるさい
「相手いないし」
即答であった
(リーベさん、アンジェレネさん、アユリさんドンマイです)
ここまでだとさすがに哀れみを感じてしまう
「え~と椿さんは?」
山を堀崩してみようと考えて外堀から攻めてみた秋野
「椿!?妹みたいなもんだな」
結果玉砕
「リタさんは?」
次の外堀を堀崩してみる秋野
「俺には出来すぎる補佐だな~」
眼中にすらなかった
妹よりはまだ可能性がなきにしもあらずといった感じである
「アンジェレネさんは?」
本命その一
時期早々かと考えたが決行した秋野
「アンジェレネは…あれだな、年上だけど眼が離せない子供みたいな」
子供扱いであったが秋野は否定できなかった
秋野ですら時々年下かと感じてしまう
「アユリさんは?」
本命その二
段々と秋野の中で楽しくなってきた
「あぁ~!!あいつ可愛いよな~」
思った以上の好感触
しかし
「なんか娘みたいな」
玉砕
なんかもうここまで来ると悲しくなってきた秋野
「エリアさんは?」
違う意味での本命
「え!?大好きだよ!?当然愛してるよ!!目にいれても痛くないよ!?もう毎日彼氏ができないように祈ってるよ!!?ってか彼氏ができたなんか言ったら確実に彼氏を殺すよ!?反抗期が恐くなってきたよ!?お父様嫌いです…って言われた瞬間には死ぬ準備はできてるよ!!」
「…親バカ…」
ある意味での地雷を踏んだ秋野
感想はもはやそれしか浮かばない
「リーベさんは?」
「リーベは完全に小動物だろ」
人とすら認識されていなかった
「可愛いし、翼生えるし、酒飲みだし」
飛影の小動物の定義はおかしかった
そんなこんなで一曲終了
「ほい」
飛影はどこからか持ってきた飲み物を秋野に渡す
「ありがとうございます」
赤い色の飲み物である
見たことも嗅いだこともないものであるが、飛影も同じ飲み物を飲んでいるので躊躇なく飲む
ちょうど喉が渇いていたのもあり一気に飲み干す
「あっ…」
まさか一気に飲み干すとは思っていなかった飛影
止めようと僅かに手が動いたがすでに遅かった
「これ旨いです!!…飲みやすいですしもう一杯欲しいですね」
「…まぁいいか」
飛影は自分のを渡す
「ありがとうございます」
秋野は気に入ったようですぐにそれも飲み干す
(…けっこう度数ある酒なんだが…吹き出すかと思ったらおかわりか…)
飛影としては驚かせたかっただけでありこの結果は予想外であった
そして五分後
「うへへ~先輩♪」
飛影におぶさって抱きついている秋野が発見された
「こうなったのね…」
度数のある酒を流し込んだら当然酔っぱらう
秋野はお酒は強い方ではなくかなり酔っぱらっている
(…治すか…?)
飛影の炎舞ならアルコールだけ燃やすことも可能であり酔い醒ましにはちょうどよい
「…いや、面白いから放置しよう」
しかし飛影は明日にでもからかえるネタを獲得するために放置することを決めた
「先輩♪先輩は安倍川先輩の次に好きですよ~」
「あ~そう」
「恋愛対象にはなりませんけど♪残念ですね~」
もはや飛影の言葉は耳に入っていないらしい
とりあえず飛影は城へと向かう
「そうだな~残念だ~」
「うへへ~先輩は私のこと好きですか~」
もはや酔いが覚めた時に頭を抱えて引きこもりになりそうな程乙女が崩壊している
「そうだな~物凄く好きだぞ~」
飛影の言葉は届いたらしく頬が緩む秋野
「うへへ~告白されちゃいました~でも振ります」
(うざっ!!?)
思わず本音が声に出そうだった飛影
深呼吸をして落ち着く
「先輩は~私のどういうとこ好きですか~?」
「あぁ…その話続くんだ」
「ど~ゆ~とこ好きですか~?」
答えるまで諦めないようである
飛影はポケットからボイスレコーダーを取り出して録音ボタンを押す
「全部」
「具体的に言ってくらはい」
飛影は笑いを堪えながら答えを探す
「ん~と…面白いところ」
「先輩らひいですね~…私は先輩は~かっこいいとことか面白いところとかアホなとことか…ヒーローみたいなとこ好きですよ~」
録音テープのダビングすることを確定した飛影
酔いが覚めた後の秋野のリアクションが想像以上に面白くなってきたのを感じた
「彗は!?」
悪ノリを開始した飛影
「うへへ~全部れふ~」
「そうか全部か!!」
「うへへ~」
「…」
「…」
笑ったと思ったら静かになった
(寝たか?)
つまらんと写真でも撮ろうかとポケットを探る飛影
「…ずっと一緒ですよね…」
ぎゅっと抱きつく力が増す
「…」
飛影は録音を止めてため息を吐く
「秋野が望むなら秋野が死ぬまでずっと一緒だ…」
人間はいつか死ぬ
いや、生き物はいつか死ぬのた
寿命で考えれば秋野の寿命は残り60年程
不老の飛影にとってはたったの60年だ
優希は吸血鬼になり、不老になったが飛影はそれが良いことだとは思っていない
人としての寿命を全うすることそれが人間の幸福である
そう飛影は考えている
それに秋野は60年は生きるが飛影は魔王だ
いつ死ぬかなど予知できない
もしかしたら明日死ぬかもしれない
そんな覚悟は持っている
「…ちゃんと自分を大事にしてくださいね」
「よく言われるな…」
「…約束です~私が死ぬまで先輩も生きること♪約束しましたよ~」
(勝手に約束されたぁぁ!!?)
「まぁいっか…」
「…ふにゃ」
今度こそ寝た秋野
「可愛い子だこと」
飛影の笑みは優しい笑みだった
「あっ」
「おっ」
「うっ」
そしてバッタリと飛影は彗に出会った
椿を背負っている彗を
『…』
彗はどんな状況かわからないが飛影と椿は一瞬のアイコンタクトで状況を交換する
少しの静寂
飛影と椿が同時に口を開いた
『チェンジで!!』
これで祭りは終了です




