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ハチャメチャ魔王  作者: 火憐ちゃん
のんびり平和
97/110

パーティー

今度こそパーティーです。

国民と国が力を合わせて復興作業に当たり


一ヶ月ほどで完全に元通りになった


そして一ヶ月経つことでよいことがある


まず飛影とセツネのパーティーを盛大に行えること


そして飛影とセツネに遠慮された借りを返せることである


「という訳で今度こそおめでとう!!お帰りなさい!!」


『お帰りなさい!!』


今度こそ拍手喝采


今回のパーティーは事前の準備万端で挑んでいて城ではなく記念公園を中心に国中で行われている


準備されたステージにいる飛影とセツネ


見渡す限り人人人


ざわめきが収まらない


「え~…約170年前の王だった元女王のセツネだ」


マイクを持っているセツネ


スピーカーは国中のいたるところに用意されている


セツネが喋り始めると周囲は静寂に包まれた


「時代は変わっていくもので国民や建造物は当然変わってしまっている。まぁ変わらないのは飛影ぐらいだが…城にもいくつか改修工事の後があってな、私が知っているメリアではない。しかし今回の騒動の後の対処。国全体が力を合わせていたその姿は何一つ変わらない私の知っているメリアだった。それが本当に嬉しくてな、つい飛影に抱きついて感謝の言葉を言ったぐらいだ…私の知っているメリアと形は違うが受け継がれてきた魂は同じだ、それを一人の王だった者として、また過去を知っている一人の人間として私はとても誇りに思う。そしてありがとうという言葉を伝えたい。ありがとうメリアよ」


『…』


今の演説


それは即興で作ったものであり、セツネの本心であった


その言葉に引き寄せられる者は聞いた者全員であった


カリスマという言葉が一番似合っていた


「…む?どうやらつまらなかったようだ」


何を勘違いしたかセツネは真逆の意味でその沈黙を捉えた


否定したいが口が動かない


それが国民全体の気持ちである


「良いこと言うわね~」


リーベが腕を組みながら頷く


まぁ当然飛影の屋敷の面子はそこまでではなく普通に良い言葉だと頷いているだけである


セツネは少ししょげたように肩を落とし飛影にマイクを渡す


「うぃ!!メリアの居候魔王飛影だ!!一応自己紹介したがまぁこんぐらいで自己紹介はいいだろ!!…え~とまぁ…あれだ今回は物凄く迷惑かけた!!悪かった!!…まぁ皆のお陰でこれだけ早く復興できたし、まだ少し元通りってわけじゃないけど、そこら辺は皆で力を合わせて頑張ろう!!…本当はセリエに任せようと思ったが、俺も原因の一端だから俺が言いたい。今回の騒動で怪我をしたもの…いっぱいいるだろう怪我をしたものはメリアが全て保障する。ってか俺が何とかするから安心してくれ…そして死んだ者もいた。俺は死んだら死んだとしてしか認識しない。ただ黙祷をしたい…今回のことで色々思うことがあるだろうし、俺に怨みをもつ者もいて当然だ、だからこの黙祷にはただ死者への手向けだけでなくて、次に進むための意思、目的を思うだけでもいい。今回のことで思ったこと感じたことをただ思ってくれ…それでは黙祷」


飛影は静かに眼を閉じる


それに続いて全員が眼を閉じる


十五秒ほど


自然に全員が眼を開ける


「さて…セツネと被るが皆ありがとう。メリアにありがとう。そして、騒ぐぞ…今日だけは許す!!無礼講だ!!俺の頭ひっぱたいてもいいし!!はしゃいではしゃいではしゃいで!!叫んで叫んで叫んで!!暴れて暴れて暴れて!!節度なんてもつな!!節操なんてもつな!!やらかしたら明日後悔すればいい!!テメエラ呑むぞコラァ!!未成年!!?関係ねぇ!!飲み物ない!?関係ねぇ!!乾杯ぃ!!」


『乾杯ぃ!!』


一気にテンションが変化した飛影


国民達もコップの有無問わず両手を上にあげて返す


「死ね!!」


その直後飛影の頭が弾けとんだ


今回のパーティーにはダドマ達人間界からやライン達天界からも来ている


当然そんなことをするのはただ一人


いや一匹


いや一龍


ギルギアである乾杯と同時に動き出して全力でぶん殴っただけである


吸血鬼の再生力ですぐに再生される飛影


「…」


時が止まった


飛影は苦笑いを浮かべながらギルギアに振り向く


「なんじゃ?殺してもいいと言ったのは貴様じゃろ」


飛影はあくまでもひっぱたいてもいいとは言ったがギルギアの脳内変換で殺してもいいと変わっていた


飛影は静かに拳を握りしめた


「…」


ギルギアを知らない者はポカーンとしているが飛影とギルギアを知っている者はそれが殺しあいの開始だと慌てる


主役の一人がいきなり喧嘩退場はまずい


しかし、そこでありえないことが起きた


飛影が握りしめた手を開いたのだ


「…リタから聞いた。俺を止めてくれたんだろ?」


「む?」


いつもと違う反応に少し疑問を感じるギルギア


「だから、……あ~…………物凄く言いたくねぇ…が…礼儀として…言わなきゃダメか………けど」


何か頭の中で葛藤している飛影


物凄く嫌そうな表情になる


「あ…ぁ…あ…さ……さ……」


何かを言いかけるが続かない


「…サンキュ」


飛影とギルギアを知っている者の時も止まった


全員がポカーンと口を開ける


シーレイは別だが、全員が全員である


聞き間違いかと思うがそこは絶対強者級が多い面子


唇の動きでも間違いはなかった


しかし現実が追い付かない


ありえない


それが全員の感想である


あの飛影がギルギアに仏頂面とはいえ感謝の言葉を言ったのだ


嵐どころではなく今ならこれから世界が滅んでも不思議ではない


「…なんじゃいきなり…気持ち悪いの」


ギルギアですら戸惑いを隠せず、ただ本心を口にする


「…お前じゃなきゃ止められなかったと思う!!だから礼だ!!それに…」


「…それに?」


「お前と殺しあう前に殺さなきゃならんやつがいるしな…」


「…おぉ!そういえばそうじゃのう」


冥界で二人がかわした協定はまだ実行しておらず続いていた


飛影とギルギアはラインを睨む


魔力と殺気全開で


「ん?」


何のことだかわからないラインは首を傾げる


「ん?じゃねぇよ死ね」


「ド腐れが…口を開くではない」


「なにいきなり!!?」


何故か喧嘩を売られたライン


冥界の時のあの協力しなければならなかった苦しみ


殺したい相手を殺せないという苦しみを味わった屈辱


その原因であるライン


飛影とギルギアの停戦協定は生きていた


「自覚ないのか…どうするよ?」


「はっ!ここまでゴミ虫じゃと逆に笑えるのう!!」


「だな!!」


二人とも笑っているが笑っていない


決してこれは矛盾ではなかった


「…え~と…ごめん。現状がわからない」


当然のことながら全く心当たりがないライン


「ごめんじゃと?申し訳ありませんじゃろ?腐っておるのか!?」


「ド腐れチート粗大ゴミもどき野郎だからな」


ラインはド腐れチート粗大ゴミもどき野郎の称号を手に入れた


同時にとりあえず謝ろうという結論に至った


「え!!?とりあえず申し訳ありません!!でも意味がさっぱりわからないけどどうすればいいんだぁ!!?」


「死ねばいい」

「殺されればよい」


二人同時に同じように言葉を発する


殺気と魔力が向かう先はライン


誰に向かって言っているかは明白である


ちなみにだが接近戦最強と攻撃力最強の攻撃をまともに喰らって生き残れるほどラインは頑丈ではない


「無理無理無理無理!!ほんっと無理!!」


当然のことながら焦りに焦るライン


この場を収めるために必死に考えるが


助けを求めてアユリを見てもその視線は飛影に一直線で気づきもしない


ダドマを見ても酒を飲んで完全に酒の肴にする気満々である


椿を見てもアイコンタクトは通じないようで首を傾げるのみ


「かくなる上は!!」


《幻想魔境》


魔法を発動し適度に痛みつけて諦めさせる最悪逃げるために魔法を発動


《キュリクレイ》


発動条件の光は現れることが無かった


「ぎゃぁぁぁぁ!!リタなんてことを!!私の命がかかってるんだよ!!?」


顔面蒼白なライン


打つ手はなくなった


「飛影の補佐として誇りがかかってます」


無い胸を張るリタ


一ヶ月前のパーティー中止騒動でかなりのショックを受けたリタは完璧にこなすために色々と一ヶ月間していた


そんなラインやリタのことは気にしていない二人


魔力全開で念入りに準備運動すらしている


ダドマが結界を張ったために周りの安全などは論外になった


「さぁて殺るか!!」

「うむ…殺るぞ」


こんな時だけ息は合っていた


ラインは普通に幻想魔境無しでも充分魔王レベルだが、この状況でナルカミだけで生き残れるほど甘くはない


《炎舞》

《グラビティ》


「…結局理由がわからなかったなぁ…そして私の命よ今までよくやってくれた!!もう思い残すことは…いっぱいあるからやっぱり死ぬの無し!!ってのはダメ?」


『却下』


「ギャァァァァァァァァァァァアアァァアァアァァァァアァア!!!!」


結局なんで攻撃されたかの理由もわからずに死にはしなかったが半死半生をさ迷ったものである


始まったけどもまだ乾杯しか終わってない



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