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ハチャメチャ魔王  作者: 火憐ちゃん
のんびり平和
96/110

宴会と思いきや

ようやく城に入った飛影達を待ち受けるものとは…

『ただいま』


世界一の国の世界一の城にまるで自宅のように帰宅する


飛影とセツネ


まぁ実際に自宅なのだが


「って電気ついてないぞ」


沈みかけた夕日が城を微妙に照らしているとはいえ電気がついておらず暗い


入った瞬間に飛影はそのことにツッコミを入れる


「門番もいなかったし…まったく怠慢とは嘆かわしい」


入るときにも正門だというのに門番がいなかった


セツネは自分が死んでいる間に変わったかと思ったが飛影も同じように入るときに居なかったことに疑問を抱いていた


時刻は19時00分


完全に消灯するには早すぎるし、門番は基本的に交代制で二十四時間監視している


「どうするよ?」


「面倒だから寝るか…」


あくまでもめんどくさがりのセツネ


寝たばかりだというのに即答だった


「…とりあえず人のいるとこ行こうぜ」


入ってすぐのホールには人っ子一人いないが気配はする


「そうするか…」


飛影は気配探知をするために感覚を拡げる


セツネは飛影に任せて後ろを歩く


廊下にも電気はついていない


だがまぁ飛影は暗闇でも関係無く見渡せるため壁にぶつかったりはしない


そもそも飛影もセツネも長年住んでいる、または住んでいた家なので眼を瞑っても目的地には辿り着ける


「こういうのって物語とかではなんか一夜にして滅んだ城とかになりそうだよな」


そう


本来ならこんな状況は滅亡したかと考える状況である


セツネの言っていることは一つの可能性であるが


「それはないな…だって生きてる気配が人数分あるし」


絶対強者級の気配探知は伊達ではない


ただセツネが同じように気配探知をしても感じ取れる


心配なら気配探知を使えばいいのにと思うが


使わないのは面倒だからという理由と飛影に対しての信頼もある


実際にそうなっていたら飛影は確実に暴走する


そうなっていないということは大丈夫なのである


なので冗談レベルだ


廊下を歩く二人


通り道には飛影の部屋もある


「お前の部屋でくつろがないか?」


どこまでも面倒だからという理由でサボろうとするセツネ


飛影の部屋まで10メートルといった所である


「いや、無理みたいだ」


飛影も若干それを考えたが先手を打たれていた


部屋の扉には一枚の紙が貼られていた


飛影は見るまでもないとセツネにそのまま紙を剥がして渡す


中央ホールに集合!!来なかったら怒る!!


可愛らしい文字


椿からの申しつけだった


「…なるほど!!これは行くしかないな…」


飛影が椿に逆らえるはずもなく


強制的にセツネも同行させられる


飛影たちの目的地である人の気配も多いところも中央ホールだった


「しかしさすがは椿だな…私達…いや飛影がここでくつろごうとしたのもお見通しか…」


「まぁ…あいつとは長い仲だからな…」


270年は一緒に過ごしてきた仲である


行動を予測することは少しはできる


「そういえば私は飛影と椿の出会いを知らないんだが…それは不粋か?」


「言うつもりはない」


頑なに口を割らない飛影


「ははっ!!そこは変わらずか…」


変わりもしない飛影


そこに安心してしまうセツネ


生き返った時にこの場所がメリアだと一瞬で理解したセツネ


自分が生きていた時代に計画したメリアの道路整理


計画そのままだったのだ


100年以上の月日が経っても何一つ変わらない


いや、国の者と親しくなった以外であるが


セツネにとってそれはとても良いことで変わらないままの飛影に素直に嬉しさを感じる


「しかし中央ホールを使って何をしようとするのかね?」


「俺に聞くな…」


「お前にだから聞いたんだがな…」


今の時代の人物はさっぱりわからないセツネ


まぁなるようになるかと流れに任せることにした


中央ホールに到着した飛影とセツネ


完全に闇だった


さすがの飛影も見えないほどの闇


「リタか…」


リタが完全に光を取り除いている


感じるのは気配だけ


なんか嫌な予感がした飛影


その瞬間光が中央ホールに射し込んだ


『お二人ともお帰りなさい!!!!』


大量のクラッカー音が鳴り響く


拍手喝采で城の者全員が笑顔で飛影とセツネを迎える


考えれば当然だろう


飛影の暴走が終わり、女王セツネが甦ったのだ


歓迎しない方がおかしい


『…』


しかし飛影とセツネの反応は無反応


「おい飛影、今の時代の王の名前は?」


「セリエだ」


それどころかぼそぼそと確認する程である


『おいセリエこっち来て正座しろ』


無表情のまま二人でハモってセリエを呼ぶ


その時点であれ?おかしいぞ?と雰囲気が変わる


「な…なんでしょう?」


飛影相手ならタメ口だが先祖がいるのだ


敬語になってしまう


言われた通りに正座する


「俺から言いたいのは三つ」


「私が言いたいのは二つたから私が先でいいな」


「いいぞ」


飛影が頷くと同時にセツネはセリエと同じように正座し目線を合わせる


「現国王のセリエと見受ける、初だが私はセツネだ…さて、まずこれは私と飛影を祝うためのパーティーだと予想してるがあっているか?あと敬語いらない」


「…その通りじゃ」


妙な圧力があった


だがまぁ敬語をいらないと言ってすぐに直せるのは飛影のお陰であろう


セツネは深い溜め息を吐く


「お前は飛影にちゃんと過ごしたか?」


「この歳まで過ごしてきたのじゃが…」


その答えに満足したセツネは頷き立ち上がる


「なるほど…これはつまり飛影のせいか?」


じろりと飛影を一睨みする


「俺のせいかもな~だがセツネも原因の一端だろう?」


睨み返す飛影


「とりあえず俺から言いたいのは二つになった」


一個がセツネと被ったため数が減った


「この催しは中止」


『えぇ!!?』


ホール中から戸惑いの声が響く


「あと行おうとした動機…準備にかけた時間に使用した経費を一人一人提出、期限は明日まで」


淡々と告げる飛影


「ってかシーレイは寝てんのか?」


シーレイは未来確知を持っている


未来を確知するシーレイがいればこのようなことにはならなかったが


シーレイは寝ている時は未来を見ない


なのでいつも寝ているわけである


「えっと寝てます…それより飛影どうしてですか?」


飛影のその問いにはリタが答えた


そして疑問もぶつける


「あぁ?…あぁ例えば俺とセツネがいなかったらどうした?当然国民に手を差し伸べてただろ?使った金で他国から食材を発注して飯も作れるし…使った時間分働けば復旧も早くなるし」


飛影が言いたいのは一つである


俺ら優先する暇があったら国民のために動け


「国とは人って話もあるが、国と国民は支え合わなきゃ意味がない。誰か指揮するものが王になってその指揮が正しく行われれば国民は国を支える。国民に支えられることで王は生きる。双方が正しければ国が発展する、簡単なことだろ?今こそ国民に支えられていた恩を返すべきじゃないのか?」


女王セツネの言葉


真っ直ぐ前だけを向いていた


「とりま…復興作業に行ってくるか…寝なくて大丈夫か?」

「問題ない」


普段めんどくさがりのセツネだがこういう時には進んで無茶をする


戦争の時もいつも一番前にいた


「飛影…私もいきます!!」


飛影の補佐として完璧を求めるリタ


今回の失態はでかすぎる


「却下!!リタと椿とセリエとエリアはさっき言ったのプラス反省文…文字数の制限はつけないあるがままに書け!!期日は明日」


軽くプチ切れしてる飛影


「了解しました。」


リタは頭を切り替える


今は償いをする時間ではなく謝罪する時間である


リタの姿が消える


飛影からの命令を完璧にこなすために光速で部屋に戻ったのである


「反省文を書くやつ以外はやるべきことを行うこと」


『はい!!』


飛影のおそらく初めてである命令に従者と侍女達は元気よく返事をして解散する


残ったのは飛影の屋敷のメンバーと彗と秋野である


他はすでにいない


「基本的に私達何もしてないんだけども」


寧ろ積極的にサボっていたリーベ


「全員?」


「全員」


面子を考えれば当然だろう


右も左もわからない面子である


「はぁ…しょうがない」


飛影は溜め息を吐いて何かを諦めて笑顔になる


それは許しの笑みに見えて緊張が解けたと思いきや


「反省文♪」


地獄の笑みであった


『えぇぇぇぇ!!!!??』


項垂れる全員


全員がなんで私・僕・俺がと肩を落とすが逆らえなかった


飛影とセツネは復興作業を手伝い城の者も作った料理などは提供し各個人ごとでそれぞれできること、やるべきことを行った


オチと言えば飛影とセツネがパーティーを断ったと噂が流れた際に


全国民がショックを受けた


城の行おうとしていたことではない


飛影達が断ったことにである


寧ろ積極的に城の行おうとしていたことに賛同していた


飛影とセツネが手伝っている際に小さな女の子がやってきて祝えなくてごめんなさいぃぃと大泣きした程である


国民全体が改めて飛影をどうにかしてどんな状況でも祝おうと決意した日であった


簡単に言えば祝わせろよこのクソ魔王がぁ!!って感じです

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