作戦会議
暴走した飛影を止めるために作戦会議です
そして時は元に戻る
吹き飛ばされて更にそのあとを完全に無視されたギルギアはキレていた
「殺す…」
《グラビティ》
対するは狂った飛影
「あははは!!」
《炎舞》
《風華》
本気の殺し合い
周りを気にすること無くこの二人が衝突すれば魔界は確実に崩壊する
《次元破壊》
《キュリクレイ》
《神の翼》
《スロウス》
《クルーズ》
《黒霧》
絶対強者級4人と反則級最上位
合計五人が殺すつもりで魔法を発動
その殺気に反応したギルギアと飛影は注意が逸れる
《アンビリルワールド》
飛影の背後に出現したアンジェレネは飛影をそのまま世界に幽閉する
そしてその後にギルギアも送り込む
「ふぅ…これで良いのですよねシーレイ」
犠牲者も負傷者も出すことなく飛影とギルギアを幽閉隔離
「うん…あと…30分…戦う…わからない…暴走…止める…考える…主役…おまえ」
シーレイが指差したのは次元破壊で拉致られた未だに状況がわからないセツネである
「私がどうかしたか!?」
いくらセツネでも初見でシーレイの喋るの面倒喋りの意味を理解できなかった
現在場所は記念公園
肉体持ちの残党狩りも全て終えて黄泉がえりは全て消し去った
リタ
シーレイ
アンジェレネ
静紅
コトハ
黒鋼
セツネ
が集まっていた
リーべはまだやることがあるらしいのでここにはいない
「今のを説明するならば、飛影とギルギアさんの戦いは30分程続きます。しかしどっちが生き残るかはわかりません。そのために飛影の暴走を止める必要があり、その役目はあなたが一番確率が高い。それがシーレイの言いたいことです」
もはや暗号レベルだがリタは軽々と解読する
「まぁ貴女が誰かわかりませんが…」
このメンバーの中でセツネを知っているものはいない
だがシーレイがいうなら間違いない
それはわかっていた
「ヒャァァァァアア!!?」
悲鳴が聞こえた
全員が生き残りがいたのかと身構えるが接近する悲鳴と魔力で構えをとく
「何やっているんだ椿」
飛んでいる椿の脚を掴むセツネ
そこに配慮は無かった
速度を落とすだけで離す
垂直に落ちる椿
「椿ちゃんどこ行ってたんですかぁ!?この大変な時に!?」
「寝てた!!」
アンジェレネの問いに即答
寝ていたところをリーべに起こされ投げられたのである
「…事情はリーべちゃんに全部聞いたよ…黄泉がえりと飛影の暴走でしょ?黄泉がえりが解決してるんだったらあとは飛影の暴走だけ…それであってる?」
飛影のことは椿に聞くそれは全員の共通意識である
「間違いないよ。状況としてはアンビリルワールドで飛影とギルギアが殺し合い中」
若干いつもの無表情ではなく焦りがとれる黒鋼
「すごい状況だね…飛影とギルギアさんが殺し合いか…飛影を止めるのにギルギアさんを使う…誰がそう仕向けた?」
椿はこんな状況でもあっけらかんと冷静だった
「ん…」
椿の問いにシーレイは手を上げる
少し前に人間界にいって直接話をつけに行ったのである
「飛影の暴走を止めれるのは多分ギルギアさんだけだから…他の人だと殺すことができないからね、一瞬でも同情しちゃえばその隙に殺されるから」
飛影に好意を持つ者が暴走した飛影と戦えば正気に戻るように言いながら戦う
その間僅かながら注意が逸れてしまう
他にも飛影が少しでも正気に戻る振りをすれば油断しその隙に殺される
常時殺意を持っているギルギアだからこそ止められるのだ
「さて…飛影を止めるための作戦会議をしよう!!」
どこか馴れている様子の椿
そんな椿に疑問を抱く静紅
「椿ちゃん…飛影くんって何回暴走したことあるの?」
「私が知る限り五回…でも今回ほどやばいのは初めて」
今まで椿が経験した飛影の暴走はほぼ未遂である
笑い始めてすぐに椿は止めていたが
今は完全に狂った状態である
「今回の鍵はセツネさん。他の人は脇役に徹してほしい」
『は?』
椿と黒鋼以外が聞き返す
「ちょっと待て他の人は絶対強者級だろ!!?何故私なんだ!?」
何故自分かさっぱりわからないセツネ
「ってかこの人誰ですか!?」
セツネが未だに誰こいつレベルのアンジェレネ
「メリアの始まりの王…女王セツネよ…初めてではなく今のメリアを始めた王にして稀代の強者…よね。外見的特徴と槍を持っているし名前の三つがわかってるからわかったわ…死んだって聞いてるけど」
飛影と共同でメリアを世界一の大国にしたセツネ
それは偉業のことであり彼女のことを記述している本は山のようにある
しかし死亡している
黄泉がえりのため、全員少し身構える
「なんか生き返った」
秋野の説明で冥界の何やらでこの状況になっているのは理解している
「本能は大丈夫ですか?」
黄泉がえりは全員殺戮と破壊の本能が埋め込まれている
後ろから刺されたらそれが隙になり殺される
そうなる前に殺してしまおうかとリタは考えていた
「本能?別にそんなもんは無いが」
何を言ってるんだという表情のセツネ
「セツネさんはね…飛影の初めての友達にして親友」
飛影と親しい者なら一度は名前は聞いたことがあった
セツネの名前はメリアの教科書にでかでかと載っている
そして今よりももっと人間嫌いな飛影の初めての友達ということは何かしら超越している
セツネの場合はそれが精神力であった
殺意が完全に無いことを確認してリタは敵意を引っ込める
「なるほど!!わかりました!!それで貴女はだれですか!?」
セツネのことは理解したアンジェレネ
次の狙いはコトハである
コトハは飛影の知り合いの中でも全く関係性はない
せいぜいがリタが一度会ったぐらいである
「…コトハよ…強さは反則級…ひ~くんとはかれこれ4~50年の付き合いよ」
「まじですか!!?」
静紅やリタやシーレイやアンジェレネよりも長い付き合い
この中でそれ以上は椿とセツネと黒鋼ぐらいである
「とりあえずみんなが飛影を助けたいって目的を持っているのは分かったことだし!!今度こそ作戦を決めたいんだけど」
まぁ作戦ってほどじゃないけど
と椿は付け加える
「作戦は簡単!!セツネさんが飛影殴って説得する!!」
『…』
続きは無かった
殴って説得
椿の言う通り作戦というほどのものではない
一言である
セツネが手を上げる
「椿はわかっているが…私は反則級だぞ…飛影に接近する前に殺される」
「それを何とかするのが脇役な皆さんです。ギルギアさんと戦って消耗してる飛影にこれだけ強い人がいたらそのぐらいの隙は作れるでしょ?」
セツネがただの普通の人間なら無理だ
ただの人間なら近付くことすら不可能だ
しかしセツネは反則級でも強力な部類に入る
近付くことだけなら可能である
「流れは理解しました」
自分の役割を正しく理解してリタは準備を始める
準備と言っても準備体操レベルであるが
「絶対強者級と戦ってたリタちゃん達は大丈夫?」
外傷は見受けられないが魔力がどうか次第で戦わせないようにしなければならない
「私は大丈夫です」
「私も大丈夫よ」
「ん…」
三人とも問題はない
相手と相性が良かったのもあり初見で殺していた
故に魔力消費も多くは無く外傷も掠り傷レベル
「よし!!じゃあやろう!!」
『おぉ~!!』
椿が飛影のように拳を上げるため釣られて全員が拳を上げる
こんな作戦で上手くいくのか?
鍵はセツネとある人物次第です