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ハチャメチャ魔王  作者: 火憐ちゃん
冥界編
87/110

暴走


そろそろ話も佳境に入ります



「ふっ!!」


槍を一閃


それだけで10を越える黄泉帰った骨が消滅していく


ネッセと秋野は雑魚を相手にしていた


ずっと動いて骨達を消滅させながら秋野はリタから受けた説明をそのままネッセに説明する


「それで冥界ってところで色々あって黄泉帰りが起きてるそうで…す!!」


秋野は説明しながら力を込めて蹴りを放ち首を吹き飛ばす


「なるほどな…面倒なことになってるな」


槍を正確無比に振り回し最小の消耗で骨達を消滅していくネッセ


ネッセはまだ余裕があるが秋野は息をきらしていた


「少し休んでろ…不覚をとるぞ」


うじゃうじゃと涌き出てくる骨達


街中に骨がいた


ラインとアユリが止めたため、これ以上増えることはないがあまりにも数が多く減っている気がしないのだ


「そうします」


ネッセの言葉に秋野は素直に頷く


無理をして重傷または死亡した場合は全く意味がない


効率を上げるためにも休むことは大切だと飛影に教わっていたからである


「その冥界の方は大丈夫なのか?」


秋野が集固で空中に足場を作りそこで休憩しているのを確認してからネッセは疑問を口にする


「それは大丈夫です!!飛影先輩が行ってるんで!!」


即答だった


あまりの速さにネッセは笑ってしまう


「…そんなに強いのか?」


「物凄く強いです!それに…多分先輩なら何があっても大丈夫なんですよ」


あははと笑う秋野


「信頼してるんだな」


「そうですね、多分私の知り合いの中で一番信頼してると思います。普段はアホですけど、メチャクチャでアホですぐ喧嘩して普通の人間死ねや~って言ってもうアホの代名詞なんですけど」


酷い言われようの飛影


しかし秋野のそれは悪口ではなく自慢するかのように誇らしいものであった


「でも,アホですけど…安心できるんです」


それは理屈ではない


なんとなくレベルのものである


「あれか?秋野はその飛影を好きなのか?」


「普通に好きですよ、恋愛対象ではないですけど」


からかったつもりのネッセ


慌てる様子を見たかったのだが素で返される


ただそこ返答は面白いものでネッセは笑みが溢れる


「……アホなことっていうのはどんなことをしてるんだ?」


「行動一つ一つがアホです!!何やるかわからないですし、こっちの予想を裏切りますし」


あははははと大声で笑うネッセ


その間でも手は全く止まっておらず、むしろ先ほどよりも速い


まるで舞っているような美しさすらある


「ネッセさんって絶対強者級ってどう思います?」


ふと気になった秋野の疑問


ネッセの実力は確かなもので秋野と同じ反則級だが格が違う


今メリアで起きている絶対強者級同士の戦いはアンジェレネが必死に世界に飛ばしているため絶対強者級の戦いは魔界の次元では起きていないが


逆に反則級は雑魚と一緒の扱いになっているため遭遇することがある


そんな時にネッセが蹴散らしているため、絶対強者級の実力を持っているまたは将来持ちそうだと秋野は感じたための疑問である


「どう思うか?…一言で表すなら羨ましい…その一言につきる」


「羨ましい…ですか?」


「私はもう絶対強者級になれないのはわかっているからな、その領域まで行きたかった」


秋野としてはネッセの歳は20前後に見える


飛影達と比べると充分に若い


まだまだ努力すれば届きそうだとも思えるが、諦めているようだった


「もしかして…絶対強者級と戦ったことがあるんですか?」


「戦ったことはない…しかし助けられたことがある。その実力は凄いものだった。そして自分がどれだけ頑張ってもその領域までいけないことを学んだ」


諦めている原因として直にその実力を見たことがあると考えた秋野


質問として戦ったと聞いたが返答は逆の助けられたであった


その選択肢は無かったと秋野は頷いた


「助けられたで羨ましい…ですか?」


助けられたのなら憧れを普通は抱くのではないかと再び疑問が浮かぶ


「その絶対強者級と同じ場所に立てないからな、本気の喧嘩もできない、そいつと一緒に過ごすこともできないからな」


反則級では例外もいるが不老ではない


絶対強者級程度の魔力があることで初めて不老になる


細胞の老化は遅くなるが、寿命は変わらないのだ


「…そうですかね?私はその飛影先輩と一緒の時を過ごしてますよ?」


秋野の返答にネッセは哀しく笑う


「いつか…気付く…老いる身体…そいつは先に進むのについていけない時間の差…同じ時を過ごしたいのに過ごせなくなる…だが絶対強者級同士はずっと一緒だ」


まるで経験したかのような


いや経験した者の言葉


秋野はそう判断するしかない


「秋野は私のようになるなよ」


「はい、私は大丈夫です。絶対強者は飛影先輩ですから」


なんとなくそんな自信があった


「違うんだ…あいつだからずっと永遠にいたくなったんだ」


「え?」


秋野にはよく聞こえず聞き返す


秋野は休憩を終え地面に着地


「わ!!?」


同時に強い地震が起きたかのように揺れる


咄嗟のことに態勢を崩しそうになる秋野をネッセは腕を掴んで支える


「……地震?」


それしか無いとは思うのだが秋野はなにかが違うと直感できた


ネッセは秋野の一人言のような疑問に答えることはなくただ空を見上げていた


秋野も釣られて見上げる


次元の切れ目ができていた


その奥には薄気味悪い世界が見えた


「世界同士で繋がったか…」


魔界と冥界の二つの世界が繋がる


それは異常事態である


「……ぃ」


同時に圧迫が起こる


胸が締め付けられるような感覚に秋野はその場で膝をつく


同時に骨達が消滅していく


国民も魔力に態勢が無いものはその場で意識を失う


「これは…」


次元の切れ目から影が現れる


飛影であった


「あは…あはははははははははは!!」


狂ったかのような笑顔で笑い声をあげる飛影


上下だけで500メートルは離れているはずだがネッセや秋野の耳にも届いている


「あいつ…暴走してる…」


《炎舞・エンド》


空に小さな闇色の炎が浮かぶ


それは酸素を吸って成長しているかのように徐々に大きくなっていく


それが何を意味するか


秋野には余裕がなくわからなかった


「待て飛影!!この国を…この世界を滅ぼすつもりか!!?」


《威雷・瞬雷》


青年ネッセ…ではなく


飛影の最初の友


女王セツネとして魔法を発動


雷がセツネを包み飛影のところまで移動する


「おい飛影!!」


久しぶりの対面


感動もなにもない


「あはは…全部壊す…壊してやる!!!!」


セツネの制止も虚しく飛影は止まらない


しかし魔法を発動して接近したセツネに僅かに意識が移る


同時に飛影の上半身が爆散する


「助かったぞ人間!!」


飛影の身体を爆散させたのは龍形態になっているギルギアであった


「きさ」


セツネの時は飛影は吸血鬼ではなかった


そのためギルギアに掴みかかろうとした瞬間


飛影が再生する


《グラビティ・圧》


その飛影を叩き潰すギルギア


「こやつはここで殺す!!」


ギルギアの眼は本気であった


ネッセはセツネです

セツネさんバカなんで咄嗟にでたのが逆読みでした


飛影とギルギアの状況は次話です


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