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ハチャメチャ魔王  作者: 火憐ちゃん
冥界編
82/110

魔法授業


魔法の基礎知識についてです




メリア魔法学校にて


Cクラス


最高がSクラスまであるなかで卒業資格すらないCクラス


そして実力的な意味で現段階のメリア魔法学校の最上位である


「…さて、とりあえず最初の魔法の授業を始めるわよ」


クラスごとに一度講義とは別に魔法の基礎知識に対する授業を行おうと考えたコトハ


コトハは飛影と違いパッと見で判断することはできない


そのため、判断するために一度授業という形で生徒を観察する


彗と秋野と火月もCクラスであり、魔術ではなく初めての魔法の授業に生徒達含め少し騒々しい


「…静かにしてくれない?」


授業を始めたいコトハだが


しかし声は届いていない


はぁと溜め息を吐くコトハ


疲れるため動きたくないし、面倒なのでそれ以上に声を大きくしたくもない


「……」


少しだけ雰囲気が変化する


『…!?』


真っ先に気付いたのが彗達三人


ピタリと硬直し黙り前を向く


しかしまだ他の生徒は気付いておらずまだ喋っている


「…………」


さらに雰囲気が変化する


表面上はジト眼になっただけであるが少しづつ魔力と殺意が上昇している


コトハは法則などの定められたものが好きである


つまり授業が開始しているのにも関わらず授業が開始できない状況に、あらかじめ授業の予定を定めていたコトハにとってはイライラするものである


「授業始まってるから静かにしようぜ!!?」


物凄く嫌な予感がした彗


立ち上がって説得する


一瞬静寂が包み


「始めるわ」


その静寂を狙ってコトハが大きな声を出すことなく知らせる


「……しんくん、ナイスな判断ね」


コトハは彗を見て少しだけ微笑む


しかし彗は彗である


しんくんという者に知り合いはおらず後ろを向くがそもそも一番後ろの席なので後ろには壁しかない


「貴方よ貴方…魔法の本質は進化でしょ?だからしんくん」


限界突破は強化ではなく本質は進化


その本質である進化のしんをとり


しんくん


彗へのあだ名である


「あぁ…」


彗はそれに何の反応もできない


頷くだけである


「さて…貴方達がどれだけ魔法の知識があろうと無かろうとどうでもいいわ…魔法を覚えたい、使いたいと思っているなら私の授業で言った内容を噛み砕くこと無く一字一句全て覚えなさい」


一斉にノートを取りだし準備を終える


「魔法の特徴として…本質は可能性、自分の可能性、または自分の鏡、性格を表すわ。例えばひ~くん、皆ご存じひ~くんの魔法は?……ん~と…しゅうちゃん」


秋野を指差すコトハ


集固の特徴は集めることだ


万物の集い


それが秋野の魔法の特徴


そのため集でしゅうちゃん


「へ?…えぇ~と…炎の炎舞、風の風華、他のヘリオトロープですよね」


秋野は戸惑いながらも答える


コトハはその答えに満足して頷く


少しだけ下を向いて紙に何かを書き込む


「そう、正解…さて…この三つの共通点、ひ~くんの特徴がズバリとあります。どこでしょう?」


あの紙は成績か評価だと生徒達は確信する


一斉に考え始める


さすがに卒業の資格は欲しいため彗達も必死である


一人の生徒が手を挙げる


「はい、そこの」


あだ名無し


「自然物ということで」


「ぶぶ~ハズレ」


コトハは下を向いて紙に何かを書き込む


今度は手の動きが×を描いたように見える


「んじゃはい!!」


火月が手を挙げる


「ん~と………貴女は本質がまだわからないから妹ちゃん」


てきとうであった


「強い!!」


たった一言


超自信満々な表情である


「…」


コトハは柔らかに微笑み紙に×を描いた


「全然違うわ!!……ひ~くんならなに使っても強いじゃない!!」


確かにな理由である


例え資源ごみを粗大ごみにする魔法でも飛影は普通に超巨大な粗大ごみで戦える


「えぇ!!?違うのか…」


自信満々であった火月は机に伏せる


「もう…時間の無駄ね、炎の特徴は救いと恐怖、風の特徴は癒しと恐怖、他は自身が無い……そう考えると楽なのよ…救いと絶望を周りに与える、それがひ~くん」


炎は生きていく上で必要なものであり無くてはならないもの


だがその熱は死と恐怖を与える


風は移動する空気を指す


生きていく上で空気は必要なものであり無くてはならないもの


だがその強すぎる風は簡単に全てを破壊しつくす


そしてヘリオトロープ


全てにおいて実体が無く受け手にとっては滅びにも救いにもなる多面性


それが飛影の本質である


「……お~納得できる」


「凄いです…」


「確かに兄ちゃんだ…」


飛影を知る者として三人とも納得できる


「まぁ性格もあるし、その人の可能性もある…一番魔法が早期に覚えることができるのは願望ね、何かがしたい…何かをやりたい、その意思の力が魔法になる。ひ~くんは風華を覚える時は炎舞が燃費悪いからって理由の意思で覚えたのだけど4~50年かかったそうよ、修得するときに」


何かを強く願う


願いを実現できるのが魔法


願いが弱ければ当然覚えることはできない


「だから魔法を覚えたいのなら知識はほどほどに…そして自分自身と向き合うこと…私は近道はわからないけどそれが最短だと思うわ。今のを知っていることで貴方達が魔法を覚えることができる可能性が上がったわ…そして魔法使いとの戦いもね。」


魔法使いは魔法を覚えることができれば人間としての枠からはみ出る


ただの人間との差が生まれる


だが闘わなければいけない時もある


それを知ることで魔法使いを御することができる


相手の性格から魔法を想像し初見の戦いでも有利に戦うことができる


飛影達はそのことを無意識のうちにやっている


「まぁこの世界には遺産持ちもいるし…一括りにはできないけどね…」


「一つ質問なんだけど」


彗が手を挙げる


「なに?」


「コトハの魔法はなんなんだ?」


一度戦ったがどんな魔法かが判別することができなかった


何となくの質問である


「…そうね、じゃあ問題、私の魔法はなんでしょう?」


《クルーズ》


コトハは魔法を発動する一瞬で姿が消える


「まぁこんな感じ」


教卓から姿が消えて教室の後ろに現れる


《クルーズ》


再び魔法を発動しもとの場所に戻る


「移動魔法か?」


瞬間移動


ダドマと同じで移動魔法かと考える彗


「ぶぶ~全く違う」


コトハは容赦無く切り捨て紙に何かを書き込む


「転移でしょうか?」


生徒が手を挙げて回答するがコトハは首を振り再び何かを書き込む


無闇に発言したら危険


生徒達の共通意識として芽生えたものだ


「物凄く頭悪いのね……ヒント」


《クルーズ》


コトハは持っていたペンを放す


本来なら重力によって地面に落ちるはずだが空中に制止していた


充分に見せたあとで魔法解除


ペンは重力で落ちる


「……時ですか?」


秋野の回答


ようやくコトハは頷く


「そう、時を操る魔法、さっきのは時を止めて歩いただけだし、今のはペンの時を止めただけ…簡単よ」


コトハはあくまで反則級


しかし、魔法と魔力量と魔力運用だけを見れば絶対強者級と遜色無い


火力がないため世界を気まぐれで滅ぼせないから反則級なだけである


「さて…魔法とは何か?基礎の基礎の基礎の基礎を学習したわけだけど最後に質問とかある?」


誰も手は挙げない


コトハは一度見渡していないことを確認


「それじゃ終わり」


コトハは一人頷くと教室からすぐに退室する


「面白かったな!!」


火月としては普通の授業よりも遥かにわかりやすかった


彗と秋野も同じである


今まで知らなかったことを知れた


それで充分である



ポイント制の授業って緊張感ありますよね


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