探しモノ
新キャラ登場と抜け道発見です
彗達が必死に抜け道を探している時
飛影は街をぶらついていた
久しぶりに戻ったとか祭りの時でなければ騒動には発展せずに
軽い挨拶をしたり
写真をとったり
子供から何かをプレゼントされたり
そのぐらいである
飛影は街をぶらついているが目的はある
メリア国の図書館をしらみ潰しに訪れていた
「……いないな」
飛影は世界で一番大きく一番蔵書量が多い中央図書館から出て一つ溜め息を吐く
これで飛影が回った図書館は4箇所
あとの二ヶ所は城と学校である
(最初に学校から探せばよかった)
二度手間
とりあえずだが飛影は二度手間になることを避け城に向かう
城にある図書館は一般開放されている
中央図書館には劣り蔵書量も劣るが城の図書館にしかない蔵書もある
学校の図書館もあまり公開できない魔術の蔵書が揃っており飛影の捜し物が見つかる可能性が高い
日はまだ完全に昇りきっておらず
飛影は焦らずにゆっくりと歩く
魔王や絶対強者級の特徴で急ぐ必要がなければ基本的にゆっくりと移動する
魔力が高すぎて不老になるため時間が大量にあり時間を無駄に早く使おうとは思わないからだ
飛影はてきとうな店で食べ歩きできる飯を買って食べながら歩く
空を見ると青天が広がっていた
(シーレイじゃないけど…日向ぼっこして寝たい)
現在の魔界の季節は春
太陽の光が気持ちいい
そんなこんなで飛影はぶらりと城へと帰宅する
目指すは図書館
「相変わらず人がいるな…」
中央図書館には負けるが城に入ることができる図書館はそれなりの人気がある
図書館独特の静寂な空気
飛影は周囲を見渡す
「あぁいたいた」
飛影は学校の図書館には行かずにすんだことと見つけたことに安堵しながらその方に向かう
図書館では人が多いこともあり、本を探しに席を外したりも多いがそれはわかりやすかった
ある机の一角に山があった
本の山である
自分の席を囲むように本が山を築いていた
一発で分かる
その山の近くには他に人がいないことも見分けやすさを増長させている
飛影はその山の反対に座り山をずらす
山の中にいたのは一人の少女であった
銀髪に紫の瞳
眼鏡をかけている
髪は長いのか帽子を被って中に入れているようだが横髪が時折視界に入り耳にかける
そんな少女だが自分の領域が崩されて飛影を一睨みするがすぐに読書に戻る
「よっす…コトハ久しぶり」
図書館なので声を抑える
「そうね…」
「元気?」
「そうね…」
「……」
コトハという少女は返事はするが読書に完全に集中している
この少女は杏とは違く秀才である
杏は1を聞いて独自の理論に置き換えて100を作る
コトハは1から10まで聞いて法則性を見つけ出し100を作る
どっちが優秀といえば杏であるが
コトハも人の理は外れている
飛影と同年代の少女だが56歳
ある日なんとなくで不老の法則を見つけ出し不老になった秀才
「相変わらず本の虫やってるな」
「そうね…」
相変わらず読書に集中しているコトハ
速読術を身に付けているため文字だらけの少し大きい本を一ページ十秒ほどでめくる
本気を出せば一冊の小説程度の本は20秒で読み終わる
ただ急いでも特はなくゆっくりと読んでいるのだ
「さすがに傷付くぞ」
「ふ~ん…」
応対の言葉が変わった
しかし読書に集中しているのは変わらない
「…頼みがあるんだけど」
飛影は笑いかける
コトハを確保できなければ学校が危うくなる
飛影のその一言にコトハは溜め息を吐いて本を一瞬でページを捲り目を通す
それだけで本の内容はコトハの記憶になる
「……ちょっと前に姿が見えなくなったと思えば…いきなり頼みねぇ」
読書を終えて本を閉じただけとはいえ、ようやく話を聞く態度になったコトハ
飛影の目を見て心底嫌そうな顔で溜め息を吐く
「いや~困ったことになってな」
「ひ~くんで困るって私の手に負えるものじゃないわ」
不老ではあるがコトハは絶対強者級ではない
飛影達の魔力が高すぎて不老な身体になるのは裏道
壁があるのにも関わらず強引に力付くで壁をぶち壊しているのである
コトハは壁を壊すのではなく壁を溶かしたのだ
両方とも強引にではあるがコトハはまだ法則を満たしているためマシである
知識はあっても絶対強者級ではないそれがコトハである
実力的にはマリエッタより少し強い程度
だから争いごとならコトハの出番はない
「知識が必要なんだよ」
それは飛影もわかっていることである
大事なのは知識だ
「俺さ学校の学長になったんだよ」
「あぁ…あの紛い物の魔法学校?」
魔法学校という名だが魔術を教えていたメリア魔法学校をコトハは紛い物と呼ぶ
「そうそう…」
「ひ~くんも地に落ちたわね」
哀れむような視線
ちなみにひ~くんというのは飛影の呼び名である
ひはそのまま火を
~はなんか風っぽい
それでひ~くんである
コトハは基本的にあだ名でしか呼ばないのが特徴である
「とりあえず、魔術師は全員殺したから魔法の知識を正確に持ってるコトハが必要なんだよ」
「さらっと凄いこと言ったわね…」
あっけらかんと皆殺した発言をする飛影
「けど私はひ~くんがいれば充分だと思うのだけど」
飛影は魔王である
コトハも知識人として魔法の知識は大量に記憶しているがそれでも王に勝てるとは思っていない
「ぶっちゃけると俺さ、魔王だけど最低限の知識だけであとは感覚なんだよ」
「……凄いぶっちゃたわね」
飛影は魔法の正しい知識を最低限持っている
そして後は経験と感覚で魔法の修得に魔法の構築を行う
絶対強者級の特徴である
半分以上は生まれた時にすでに魔法を使える
飛影の炎舞も生まれた時にすでに使えた
ヘリオトロープと風華も感覚だけで使えるようになった
自分自身の感覚で魔法を使えるようになるのが魔法の特徴であるが
魔法という概念を学ばなければ修得することも難しい
一対一ならばその人物にあった魔法の感覚を飛影は理解し導くことが可能だが
大多数を教えることは飛影は無理である
「だから頼む…手伝ってくれ」
「まぁひ~くんに言われたら頷くけどさ」
すぐに頷くコトハ
「いいのか?」
「ひ~くんには借りがあるからこういう時に返さないと貯まってくばかりよ」
微笑むコトハに安堵する飛影
「助かったよ…とりあえず明日からでいいか?」
「いいわよ」
これも即答である
「…どうせやることないもの」
暇人な知識人
それがコトハである
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「……ようやくわかった」
作戦会議から30分後
彗が抜け道を発見する
二人に待機するように言って彗は走り去る
10分後に戻ってくると彗の炎の数字が0から1になっていた
「どうやったんです?」
「すげぇ簡単で盲点だった」
自分の考えがあっていたことに安心する彗
「あいつ…一言も外周10周を走れって言ってない」
『……』
秋野と火月が黙りこみ思い出す
「あぁ!!!外周10周分って言ってただけです!!!」
「兄ちゃん80キロ走れとしか言ってねぇ!!!」
頭を抱える二人
彗はもしやと思い街の方に向かって往復二キロ走ったことで
外周一周分の8キロになり炎がカウントしたのだ
「街に向かうぞ!」
『おぉぉぉ!!!』
思ったよりも早く抜け道を発見したが
飛影に文句を言いたい一心で彗たちは全力で走る
80キロを完走したのは三時間後であった
そうです。
10周を走れとは言ってないんですよ。
屁理屈ですね




