クラス決め
学長となった飛影
さてどうなるか…
ユニーク6000越えましたありがとうございます。
メリア魔法学校
学長が飛影になり次の日のこと
「走れ」
飛影が全校生徒の前で言った言葉である
飛影が仮とはいえ学長になったため火月、彗、秋野の転入はスムーズにすることができた
まず飛影はクラスを無くした
これからクラスを決めていくつもりである
反発
または辞めたいものがいても飛影は止めない
こんなレベルで卒業させることはありえないからだ
「まぁ外周が約8キロだから……9時から17時の八時間で10周分…つまり80キロ走ったら体力だけならSクラス判断する。休憩はあり、各自好きなタイミングで身体を休めること…魔術は禁止だけど…魔法と魔力の使用はOK」
生徒達の数は5,000人程
「周回カウントは不正の無いようにしとくぞ」
《炎舞・不正禁止》
5,000人を炎が包む
包んだのは一瞬だけで各生徒の右肩に0と炎がついた
慌てて消そうとするものもいるが熱は発していないし、もとより飛影の炎が簡単に消えることはない
「んで、火月はこれつけて」
飛影は最前列にいた火月にリストバンドを渡す
「…重い」
「一個五キロ…手足につけて」
計20キロの重りを装着する
「んじゃあ全員10周分完走するように!!…ちなみに最初に集団と距離離せば楽だぞ。集団のせいでペースが遅れることもないし…あと一番だったらなんかやる…はいスタート」
彗、秋野、火月は魔力を解放し身体能力の強化をして全速力で先頭から飛び出す
他の生徒は彗達に追い付こうとペースをあげるもの
自分のペースで走るもの
集団で一人が負担する空気抵抗を減らして体力消費を抑えようとするもの
と様々なものがいた
(結果が楽しみだ……とりあえず100人くらいクリアで充分かね)
飛影は全員スタートしたのを見て街へと移動する
>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>
「とりあえず、10周て80キロだろ?」
「そうですね」
先頭を走る三人は最初に飛ばして集団から充分に離したあと有酸素運動に切り替える
「八時間だから時速10キロで完走か」
「そうだな!!」
喋りながら走れるほどの余裕が全然ある
火月も重りをつけながらも彗達について行けている
「昼で一時間は休憩したいし…時速12キロくらいで走れば完走だな」
「飛影先輩にしては緩いですね」
少しだけペースを上げる
時速は12キロほど
少しだけ早いペースで速度を一定に維持する
彗が後ろを確認するとちらほらと後続が見える
「とりあえずこのペース維持でいいのか?」
恐らくは訓練のためだが両手足に5キロの重りをつけている火月
開始最初だからか火月の表情は余裕である
「そうだな…火月は辛かったら言っていい。このテストは色々と抜け道あるからな…」
飛影は手を貸しちゃ駄目だとも
妨害だめとも言っていない
協力してポイントを上げたり
他の者を蹴落としてポイントを下げたりと可能である
火月が辛くなったら彗が背負うことも可能なのだ
「このペースで80キロなら楽勝だぜ!!!」
走りながら前方宙返りを行う火月
余裕である
「むしろ楽すぎてこまっちまうよ!」
後ろ向きに走行したりと暇を潰す火月
飛影との訓練で体力付けはかなりの重点を置いている
「緩いけど楽か?」
80キロはさすがに長い
時間制限が緩いと考えていた
「兄ちゃんはひでぇぜ!!!ナイフを背中に突きつけて私の全速力と同じ速さでぴったり着いてきて少しでも速度が落ちると、刺さりそうになって痛いから速度上げての繰り返し…ぶっ倒れるまで続くんだ」
飛影の訓練を思い出した火月は顔を真っ青にする
「御愁傷様です」
「どんまい!」
完全に他人事
そして彗はいきなり悟った
今はちょうど外周の半分まできたあたりである
「……」
彗は走りながら思考する
「?」
その様子を不思議に思いながら止まることはしない秋野と火月
「一つ聞く!!」
すでに四キロは走っているが息一つ乱れておらず汗すらかいていない三人だったが
彗は額に汗をかいていた
疲れではない冷や汗である
「あの飛影が普通に走るだけにすると思うか?」
彗のその一声
火月と秋野に冷や汗をかかせるには充分な一撃であった
「た……確かに盲点でした!!!」
「兄ちゃんなら何かやる!」
三人して飛影の言ったことを思い出す
それでも速度は下がっておらず逆に上がっている
『俺からは妨害しないなんて言ってない……』
言ってないということはやる
それが三人の飛影への共通の認識である
「……噂をすれば……ってやつか!!」
前方には人影
「いやいや…あれシャレじゃないですよ!!!」
人影はリタであった
「いやリタさんなら!!!」
淡い期待を込めて走り抜けようと速度を速めるが
「こんにちは」
《キュリクレイ・光弾》
リタの背後に無数の光の弾が浮かび上がる
彗達が急停止すると同時に光弾が進行方向に突き刺さる
「え~とリタ…いやリタさん?リタ様?通しては…」
「飛影の命令です。絶対に通すなと」
飛影の完璧な部下を目指すリタ
度が過ぎたものは聞かないが
命令に従っているということは度が過ぎていない
「リタ先輩手加減は……してくれますか?」
チームプレーで乗り切ることが目的ならばリタも手加減するし、クリアできるようにしているはずだが
「命は保証します」
ニッコリと女神の笑み
彗が僅かに前進しようと意識した瞬間
《神の翼》
彗の喉元に神の翼が伸びていた
「通すことはできません」
再び笑顔
その笑顔は女神の笑みだが恐怖しか感じることができない
「…」
彗はゆっくりと後ろを向き秋野と火月を見て頷く
秋野と火月もゆっくりと頷いて
全力で逃げる
「正しい判断です。飛影の言ったことを思い出せばクリアは可能ですから頑張ってください」
リタは脱兎の如くかなり割と本気で全力で逃げている三人の後ろ姿に向けて呟く
入れ替わりに生徒達が接近する
「さて…殺さないように頑張りましょうかね」
《キュリクレイ・光弾》
リタの背後が光の弾で埋め尽くされる
>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>
「意味わからん!!!!」
「無茶苦茶です!!!!!」
「ありえねぇぞ!!!!」
とりあえずリタから二キロほど離れた所でようやく停止し各々叫びたかったことを叫ぶ
彗が時計台を見ると開始から50分経過していて
走った距離は半周の4キロ
と逃走距離二キロ
「無駄に体力使ったから作成会議だな」
焦っても仕方ないと彗はその場に草が生い茂る地べたに座る
それに習って秋野と火月も座り込む
「とりあえずまとめるか…外周10周を走るのが目標で時間は8時間…半周走った所にはリタがいて通行止め」
逆からいってもリタには会うことになる
ゆっくりと自分のペースで走っている生徒がたまに通るが彗達を見て疑問を浮かべる
溜め息を吐く秋野
「無理すぎです」
例え5,000人が通ろうとしてもリタが相手では誰一人通ることができない
「……とりあえず各自さっきまでのペースの倍でも大丈夫か?」
「行けますよ」
「楽勝!!!」
「よし」
彗自体も楽勝であり
これで完走するならば四時間もあれば大丈夫になった
残り時間は7時間10分
作戦を考える時間を二時間とっても楽勝である
「飛影のことだから抜け道は必ずある」
「ですね」
飛影はこういうゲームでは理不尽は行わない
つまり考えれば必ず攻略できるのである
「作戦会議だ!!!」
『おぉ~!!!』
一話完結にしようかと思いましたら
飛影君が暴走しました…私の不手際です