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ハチャメチャ魔王  作者: 火憐ちゃん
魔界編
66/110

入る前の一騒動

学校の敷地に入る前の話です


城から徒歩20分


世界中でただ一校


魔法を授業として学習することができる学校


メリア魔法学校


世界一の国の世界一の学校


学年という括りはない


一定以上の学力と実力がついたら卒業である


だが最低三年は卒業に時間がかかる


クラスはS~Hまであり


実力と学力を足した値がクラス分けの基準である


一定の基準はBクラス


つまりBクラス以上に三年いることで卒業の資格を得る


だが特長としてBクラス以上に二年いても三年目にCクラスまで落ちた場合は再び三年の時間がかかる


敷地面積も世界一で東京ドーム10個程


外装も内装も無駄な金はかけずに最低限の出費で世界一の外観となる


国が経営しておりセツネと飛影が計画したものとなる


世界一の学校として様々な国の王族から一般人まで入学可能で階級に意味はない


入学金も授業料も一般的な家庭で普通に払える額である


寮も完備していて寮代含めても普通の学校より同じか少し高いくらいである


誰にでも受験資格はあり下は6歳上は20歳までが受験の資格がある


「はい、質問は?」


道中で飛影はざっくり説明する


「兄ちゃん昼飯は!!?」


「弁当や学食…があるはず…持参しても大丈夫…言ってくれれば俺作るぞ」


火月、秋野が小さくガッツポーズ


(旨い飯!)


(睡眠時間!!!)


欲望丸出しである


「はずってなんだ!!?」


ただ1人彗が飛影の言葉で引っ掛かりを感じた


「だって俺最後に行ったのは150年は昔だからな…基本的な概念は俺とセツネの設計したもんだから大丈夫だけど…そういう細かいのは変わってるかも」


「昔の感覚がちげぇ!」


彗の昔は10年とかのことであるが流石に年代が違いすぎた


「到着!!」


『うわぁ…』


百聞は一見にしかず


飛影からの話を聞いてかなり凄い所だとは認識していたが改めて眼で見て視認すると感動ものである


まるで屋敷のような校舎がいくつもそびえ立ち


寮らしき大きな塔


時計塔も建てられている


敷地を囲む巨大な塀


正門に二人ほど門番がいて門を護っていた


「見学かい?こっから先は私有地だから城が発行している許可証が無いと通せない決まりなんだよ」


一人の門番が飛影達に気付き話しかける


もう一人は居眠り中である


話しかけた1人は普通の子供四人組だと思っている


「あぁ!!?許可証だぁ?俺が許す開けろ」


飛影のその言葉で三人が理解する


普通の人間でメリア出身ではないと


その理解は正解でその門番は1ヶ月前に他国から働きにきた者である


つまり魔王の顔を知らない


「許可証が無きゃ門は開けられないな」


飛影の態度に少し苛ついた門番


「こ…」


「うぉぉぉぉぉい!!!」


「ストップぅぅぅぅ!!!」


「駄目だ兄ちゃん!!!」


殺す


そう飛影が言って実行することを察知した三人


彗が飛影を羽交い締めにし


秋野が腰を抑え


火月が脚を掴む


完璧な連携である


「……とりあえず許可証無きゃ入れないから…大人しく帰った帰った!!!」


三人の反応に戸惑いながらも門番は子供を相手にするように


しっしっと手を振る


「……アハハハ!!!……殺す」


もともと魔界では飛影は全力を出せる


つまり三人が必死に抑えても意味はない


ただあまりにも近いので魔力を解放することも殺気を出すことも敵意を放つこともできなくなっているため三人の判断は正解である


「なんの騒ぎ……」


居眠りをしていた門番が煩わしそうに眼をあける


強気で子供達を追い返そうとする新人


そして


「あ…あぁ…あ」


その居眠りしていた門番は1人を抑えている三人の少年少女は知らない


しかしその1人が大問題である


メリア生まれのメリア育ちの居眠りしていた門番


当然魔王のことは知っている


「ま……まままま!!!」


「ほら遊んでないで帰れ」


初めて目の前で間近に魔王を見ることができて上手く声に出せない中


新人の言っている言葉を一瞬疑った


「……彗、秋野、火月離せ…こいつは殺す…一瞬で殺す…肉片も残さず骨すら塵に残さずに魂すら燃やし尽くす」


そして魔王のぶちギレ発言


居眠り門番の動きは速かった


迅速に新人にドロップキックを直撃させ吹き飛ばす


空中で土下座の態勢に移行


「もももも申し訳ありませんでしたぁぁぁぁぁァァァァァァ!!!!!!」


着地と同時に飛影に土下座する


「……話のわかるやつが来たな」


ぶち殺さなければ気が晴れない飛影だが、少しだけ冷静になる


それを感じとりようやく安堵の溜め息を吐く三人


「死ぬかと思いました」


「安心しろ…俺もだ」


「走馬灯っての初めて見た…」


精神的に計り知れないダメージを負った


「新人なもんで!!!どうか許していただけないでしょうか!!?」


「……まぁそこまで言うんだったら」


「どうしたんですか!?先輩こんな子供に」


「ぶち殺す」


飛影はある条件があれば基本的には穏便である


条件は簡単である


友達

家族

親友

兄妹

義娘


が基本的な条件


例外的にセツネとの約束で


メリアの城の者

メリア生まれの者


には穏便なのだ


それ以外は基本的に無関心


しかしここまで嘗められた場合はやることは殺るだけである


「魔王さんだぞ!!!貴様も土下座しろ!!!」


その先輩の言葉で新入りは昨日イヤほど聞かされた魔王の特徴を思い出す


「黒髪…黒いコート…子供のような姿…」


特徴一致


そしてメリアでできた彼女が見せたものを思い出す


「これね!魔王様が私の小さい頃に一緒に写真に写ってくださったやつ!!!我が家の家宝なの!!!」


少し興奮ぎみに見せてきた写真


可愛らしい子供と抱っこしてピースしている魔王が写っていた


「……」


そっくりそのまま何も変わっていない姿


「申し訳ありませんでした!!」


自分が誰に殺すと言われたかようやく理解した新人も土下座する


「……三つ選択肢をやる…好きなの選べ」


だが飛影の表情は変わらず笑顔である


「1自殺…2他殺…3社会的抹殺」


『……』


一同なにも言えない


本気で殺す気しかない飛影


「ち…ちなみに社会的抹殺ってなんだ?」


勇気を出した彗


疑問を聞いてみる


一つだけ死なずにすみそうな選択肢である


「超簡単!!…髪の毛を全てむしって両手足の爪を剥いで両手足の骨という骨を一つ残らず折ってから両手足を切断して眼を二つだけ抉って歯も全て抜いてそれでも生きてるなら生かしてあげる…そこまで肉体がなければ社会的抹殺だよね?……まぁ髪の毛を億本程度むしって両手足の爪を20枚だけはがして両手足の骨だけ折って腕を二本だけ切断して脚も二本だけ切断、眼も二つほど抉って歯は全部抜くけどたったそれだけだから俺超優しい!!!」


新入りの門番は人間である


髪の毛生えてて眼が2つ腕も2つ脚も2つの人間だ


飛影はにこやかに言うがそれはかなりヤバいことになる


「……」


新人がガタガタと顔面蒼白で震え始める


「さぁ早く選…べ?」


とすんと背中に軽い衝撃と若干の重量


「……枕」


「俺は枕じゃないぞシーレイ」


「…ぬくぬく…」


シーレイは飛影の首に腕を回してしっかりと落ちないように固定する


同時に彗と秋野と火月は今度こそ安堵の溜め息を吐く


「おいシーレイ寝る気か!!?」


「……眠い…寝る…」


背中越しに聞こえるその声はすでに眠そうである


「俺の背中で寝るなぁぁ!!!それにシーレイさっきまで寝てたよな!!?」


城を出る前に一度確認した飛影だがやはり大の字になって寝たままであった


「寝てた…眠い…寝る…」


「いいのか!!?俺騒ぐ気満々だぞ?動き回るぞ?魔力解放するぞ!!?安眠妨害するんだぞ!!?」


「……」


返事がない


「……寝た?」


飛影は恐る恐る確認する


「寝てるな」


「爆睡です」


「安眠してる」


言葉は全て異なるが寝てることは確定された


そして飛影は溜め息を吐き土下座している二人を思い出す


まだ土下座していた


「…はぁ…もういいや…門を開けろ、中に用があるんだ」


シーレイによって完全に殺る気が削がれた飛影


殺ることが目的ではなく見学と入学するための話をつけることが今日の目的である


『了解致しました!!!』


二人とも即座に立ち上がり一礼すると門を開ける


「あいサンキュ」


無駄な時間がかなり経過してしまったがようやく校内に入る



シーレイは未来を確知してまずいことになると知っていましたのでこうなってます


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