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ハチャメチャ魔王  作者: 火憐ちゃん
個人編
62/110

彗&秋野個人面談

今回で魔界に行くメンバーが決まります


先程までの面談と違って少しだけ雰囲気は深刻になっている


飛影はソファーに座りその後ろには珍しく真面目な表情の優希


その対面には彗がいた


テーブルには紅茶とケーキが置かれておりそして紙媒体でいくつか資料があった


彗は静かに黙々と時々紅茶を含みながら資料を読んでいる


その間飛影はケーキを食べながら待っている


優希も一切口を開かず彗が読み終わった資料をまとめてファイルに閉じこめて飛影に渡す、または紅茶を注ぐなど真面目な仕事をしている


一応はメリハリがある優希


人の一生を決めるかもしれない話し合いにハイテンションでいるべきではないと思っている気持ちとがある


「さて…」


彗が一通り資料を読み終わる


「どうする?」


「なんかまぁ…あれだろ?まとめると非日常に生きるか…日常に生きるかだろ」


複数の資料


その中にあるのは人間界での転校先の学校の情報が大半を占めている


一つだけだが魔界の学校の情報も資料にあった


「そうだ」


「……俺はどっちでもいい。って言ったら困るだろ?」


「まぁな」


飛影は自分の気持ちは当然一緒にいたい


しかし本人の意思に反して強制的にはやらない


また、同時にどちらでもいいと言われてもそれには彗の本音、本心、意志がない


「まぁ普通に俺はどっちでいいなんてことはない」


すでに彗には答えが決まっている


「そうか…」


「飛影に人間の性質を教えてやる」


「ん?」


いきなり話が変わる


飛影は紅茶を飲み干し優希におかわりを要求する


「人間ってのは基本自分の持っていないものを羨んだり恨んだりする。まぁ簡単に言えば無い物ねだりってやつかもな。俺は多分今までお前と関わってから非日常に生きてきた」


「……」


嫌な雰囲気を飛影は感じる


飛影にとっては嫌な結果が待っている


そんな口振りであった


「だから当然日常を選ぶよ、日常に飢えると思うからな」


「……」


予想通り…話の方向はそのまま直進した


「だから俺は非日常を選ぶ」


「は?」


が…


だから飛影は彗の今の言葉に思考が停止する


「普通は日常に行くと思うんだけどな…面白いからな、ぬるま湯にはもう疲れない」


あまりにもアホらしくて危険と隣り合わせでまるで良いことはなかった


そう彗は思っていたが


よく考えると毎日が退屈しなかった


たとえアホらしくても笑えたし


危険と隣り合わせでも楽しかった


なら


「乗りかかった船だ…最後まで乗船し続けてやるよ」


「…わかった」


彗の笑みに飛影は笑い返す


「親にはなんて言うんだ?」


世界を移動する


今までは軽い旅行のように行けたが今回は最低でも卒業するまでは住ませるつもりである


当然両親の説得は難しい


「ん?放浪主義だからてきとうに俺がやっとくよ」


「わかった。任せた」


運が良いことに彗の親は放浪主義であまり子供のことにはうるさく言わない


放置ではなく心配はされているが子の意思を尊重し守るのが親


そう考えている両親


彗の意思は揺るがない


ならば大丈夫


それが彗の判断である


「んじゃ…佐藤を呼んでくる…俺は決めてたけど佐藤は悩んでたみたいだからな」


「了解…サンキュ」


「気にすんな親友なんだろ?」


「…そうだな」


彗が退室する


ちゃっかり紅茶もケーキも食べおわっていた彗の食器を片付ける優希


その表情は笑顔だった


「良かったですね!」


「そうだな!!!」


笑いあう


家族は喜びを共有するものだ


>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>


「う~ん」


秋野も彗と同様に資料を見ている


彗と違うのは二つの資料を見比べて悩んでいることだった


一つは人間界の学校の俗に言うお嬢様学校


もう一つは人間界の学校の俗に言うお嬢様学校


両方ともお嬢様学校である


そして両方とも人間界


魔界の学校の資料は流して見ただけであった


「……」


(いや…まぁ確かに自由意思は尊重するつもりだが…この扱いの酷さ…さすがにショックだよチクショウ!!!)


転校の約束として必ず入学できるようにすることと、学費や入学金等の費用を全部負担することである


だから値段が高いお嬢様学校でも秋野の負担は無い


「う~ん…どっちにしよう」


ぶつぶつと本当に小声で考えている秋野


しかし飛影には当然聞こえる


聞こえる度に飛影の精神的なダメージが増加する


「…」


秋野は悩みながら紅茶を飲みケーキを食べる


すでに二つ目である


「…これ旨い」


時々一人言にケーキの感想が溢れる度に飛影は勘違いで精神的なダメージを負う


「……」


20分後


「決めました!!」


どちらにするか決めた秋野


「早いな……」


途中でモンブランの感想を事細かに呟き始めた瞬間に飛影は一時間はかかると思っていたが意外に早く終わる


「どうするんだ?」


秋野が差し出した資料はここからかなり離れた場所にある全寮制のお嬢様学校


「こっちにします!全寮制の方が楽そうなんで」


軽い


そして笑顔が飛影には眩しい


「……あぁ、わかった。こっちだな」


飛影は資料を受け取りざっと目を通し優希に渡す


「はい、よろしくです!!」


「今生の別れじゃないけど…しばらくは会えないからな~まぁ頑張れ」


お嬢様学校は秋野にとってはあわなそうだと思う飛影だが、本人が決めた道ならば止めるなんて無粋な真似はしない


「へ?会えないんですか!?」


「……」


何を今さらのような感じに驚いている秋野を見る飛影


「ん?」


ふと疑問が浮かび上がる


「秋野…この面談はどういうものだと認識してる?」


違和感を感じた


決定的な飛影と秋野の意識のズレ


「え?……と…飛影先輩が魔界に帰るので言い訳のための学校選びじゃないんですか?」


「……」


よくわからなかった


しかし言いたいことは伝わった


「ちょっといいか?もしかして…秋野は魔界に行くつもりなのか?」


「へ?…行っちゃ駄目なんですか!!!?」


「……理解した」


飛影は全てを理解した


秋野は魔界に行くことは当然だと思っていた


世界を移動するため、親への言い訳のために転校先ということにする学校を決める面談だと思っていたのである


「まず…魔界に行くのは強制じゃないぞ」


「…」


「んでこの面談の目的は魔界に行くか人間界に留まるかを決めるものだ」


なるほど~と秋野は手をあわせる


「初めて知りましたけど…私の答えは変わりませんよ?」


「いいのか?」


「だって今さら飛影先輩達と別れるなんて考えられませんし」


それに


と秋野は付け加える


「安倍川先輩には負けますが!私は飛影先輩のこと好きですし」


「はは…」


思わず笑ってしまう飛影


立ち上がると飛影はチョップを秋野に当てる


「いたっ!!!」


そして笑いながらデコピンを当てる


「なんですか!?」


最後にしっぺ


「うぅ…」


恐ろしく手加減しているが人並みには痛い


上目越しに恨みの目で飛影を見る秋野


「俺も秋野は大好きだ!!!」


満面の笑み


「…ありがとうございます」


僅かに顔を赤くする


「さて!!!じゃあ秋野はこの学校に転校することにしておくんだな?」


満足した飛影はソファーに座り直す


「はい、両親が少し厳しいので手伝ってください」


「任せろ!!」



今回は先の話を考えて全員移動させます


ダドマとギルギアは着いていかないです。


しばらくは出ないかもです



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