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ハチャメチャ魔王  作者: 火憐ちゃん
個人編
57/110

未来確知

シーレイのバトルです

中学校の体育館屋上から男が寝そべり右腕で巨大な筒を持ち構えていた


ガタイがよく長身


身体は戦闘用に鍛えられていて無駄な筋肉はついていない


そして男は筒を曖昧に中学の校舎に照準を合わせる


威力も範囲もでかいためあまり照準をつける意味は無いが気分である


絶対強者級の半分の魔力が筒から飛び出す弾である


威力はうまくやれば首都壊滅というところである


男は静かに合図を待つ


魔力を外に放出しないマントを着ており絶対に探知はされない


合図は高校の校舎の破壊音


念じればすぐに発射できる


目標はなるべくなら飛影の妹である火月で周りは自分の細胞を分け与えたワーウルフが殺すという作戦だが、あまり狙う気は無い


理由は簡単で一人を殺すよりも皆殺しの方が気分がいいからだ


思わずニヤリと笑いながら合図を待つ


そして巨大な魔力の解放を感じとる


「アハハ!!!」


歓喜の声をあげながら放つ


バキッと軽い音と重すぎる衝撃が右腕を襲う


よくみると右腕が空に向かって千切れるように折れていた


そして更によく見ると体育館の屋根がちょうど右腕を構えていた箇所が粉砕されていた


「お前…殺す」


そして気付くと頭に硬いなにかが押し付けられていた


冷たい視線を背後から感じる


男に右腕の感触は既にない


完全に千切れた


しかし男が抱いたのは痛みでも焦りでも恐怖でもない


純粋な怒りであった


「なんだお前…俺の邪魔しやがって」


「お前…火月…殺した…飛影…怒る…やだ……お前…殺す」


「あぁ!!?誰が殺しただ?お前が邪魔しやがって殺せなかったじゃねぇか!!!」


男が叫ぶと硬いなにかが更に押し付けられて顔が屋根にめり込む


シーレイは未来を確知した


この男が攻撃を放つ


ギルギアは反射的に鎧で防ぎ空に弾きかえす


ギルギアには誰かを守るという経験は皆無だ


だから判断が遅れ火月を守ることを忘れる


その結果中学校の校舎は全壊


ギルギア以外は全員死亡


そんな未来があった


「お前…なぶる…殺す」


シーレイは未来で火月が死んだことには興味はない


ただ飛影のキレる姿を見たくないだけだ


「できるとオモウカ?」


《万物合成の(ユカイナマッドサイエンティスト)


瞬間的にマントが吹き飛び隠していた絶対強者級の魔力が解放


そして男は魔法を発動する


瞬間シーレイは飛び上がり翼を羽ばたかせ飛翔する


「よく避けたなぁ!!!」


男の千切れた右腕が再生していた


そして更にその手には体育館の屋根の鉄筋がくっついていた


まるで腕から生えているかのようである


「俺は死に物狂いでこの魔法をてに入れた!!!この魔法であのクソヤロウに気色悪い姿に融合させて!!虫けらのように殺してやるためだ!だからてめえは死ね!」


クソヤロウは飛影のことだ


この男の名前はガルシア


ガルシアも飛影に怨みを持つ男だ


だがシーレイは羽ばたいて見下すだけ


シーレイが一瞬でも遅ければ体育館と融合させられていた


「死ねや!!!」


脚を思い切り振る


体育館と融合していたガルシア


まるで脚のように体育館が蹴りの軌道でシーレイに放たれる


巨大な質量と魔力


ただの建造物ではなくそれそのものがガルシアの脚だ


「…」


シーレイは目を細める


そして一瞬


ガルシアの脚になった体育館が両断された


「……」


「あぁ!!!何が起きやがった!!!」


融合し自身の身体の一部だが神経は通っていないため痛覚は皆無


ただ現状が把握するのに時間がかかるだけだ


「……お前…絶対強者…私…同じ…」


「あぁ…魔力見りゃ一発だ」


ガルシアもシーレイも同じ絶対強者級


それは間違いない


だが飛影とギルギアがそうだったように相性以外にも純粋な実力差はある


「…お前…弱い」


シーレイはガルシアと同等だった魔力を更に解放する


二割程度の上昇


たった二割


だが絶対強者級の二割


仮に今までの魔力が10億と仮定しても


シーレイは12億


その差は絶望的にでかい


そして更に言えばシーレイが本気で殺そうと決めた時点でガルシアの敗けは確知された


《スロウス・発動》


シーレイの魔法のスロウスは簡単に言えば、相手に魔力を込めて魔法で動きを遅くする


通常シーレイは触ることで魔力をつけている


殴る一瞬でつけれる魔力は微々たるものであるが掴むや触れ続けるとなると話は別である


シーレイは最初にガルシアの頭に鍵を押しあてていた


その時間は15秒


ガルシアは最初の時点で敗北していた


「なぁ……!」


気付いた時にはその動きは遅すぎる


止まっているかのように動きは遅くなった


「確知…10回…」


シーレイは高速思考でガルシアとの戦いを様々な戦いで確知を行った


つまり…ガルシアの手の内は全て確知されている


シーレイは体をしならせ鞭のように巨大な鍵を薙ぐ


右腕が再び


そして左腕が肉片すら残さず爆散する


「が…ぁ!!!」


一瞬だけ痙攣し動かなくなる


痛みによるショックで気絶している


「…」


シーレイはそれでも無情に脚を吹き飛ばす


ガルシアは支えを失って倒れるだけだがシーレイのスロウスで動きが遅くなっており空中で静止しているかのようである


「…死ね」


頭を吹き飛ばすシーレイ


完全に動かないことを確認して魔法を解除


リタの様子を確認しようかと後ろを向いた瞬間


ガルシアの傷が一瞬で再生し触れたら強制融合させる拳でシーレイに襲い掛かる


「油断したなぁ!!!」


「……」


シーレイは別に驚くことも振り向くこともしない


《スロウス・再発》


スロウスを再発動する


それだけでガルシアの動きは遅くなる


未来確知をもつシーレイに不意討ちは絶対に通じない


「お前…再生…わかる…お前…殺す…そこ…潰す…」


シーレイは胸の中央を指差す


ガルシアは不死の身体を持つもので強力な魔力を持つ不死のアイテムが胸の中央部位に埋め込まれている


それさえ破壊すれば不死はなくなり殺せる


「ざけんな!!!俺はあのクソヤロウに復讐するまでは死ねねえ!!!」


ガルシアの中ですでにまともに動くのは口だけ


「……」


シーレイは黙ったまま巨大な鍵を一線


胸の中央部位に埋め込まれているアイテムだけを破壊する


「ふざ…!」


右腕が吹き飛ぶ


魔法を使用して融合する時間すら許されない


「女ぁ!」


激痛に顔が歪むがシーレイを睨む眼の怨みは痛いほどに強い


「……」


次は左腕


シーレイは無表情に部位を吹き飛ばす


「忘れねぇ!絶対にお前にも復讐してやる!」


右足


犬歯を剥き出しにする


どこまでの怨恨があればここまで人の表情は変化するものなのか


飛影が何かをしてこの状況になっている


「…無理…殺す」


だがシーレイには全く関係ない


シーレイはムカつくからガルシアを殺すのである


そして左足


残っているのは頭


「覚えていやがれぇぇぇぇ!!!俺はおま」


グチュと最後の言葉を言い終わる前にガルシアの頭が潰れた


シーレイは欠伸をする


眠たそうに眼をこすり


その場で寝始める


ボロボロになったグラウンドで


「ふむ…これは助けられたの…」


ワーウルフを全滅させたギルギア


火月は傷ひとつない


ギルギアは周囲を見渡す


絶対強者級の戦いにしては被害が小さすぎる


「シーレイさん死んでんのか!!?」


肩から頑張って覗くしかない火月の勘違い


「いや寝てるだけじゃ」


すぐに訂正するギルギア


「未来確知のう…面白い能力じゃ」


その眼は戦ったら面白そうだという眼だった



シーレイの一番の強さは未来確知でのシミュレーションです


何回も確知する未来を変えてのシミュレーションで初見の相手の特性、魔法なんて戦う前から知っています

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