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ハチャメチャ魔王  作者: 火憐ちゃん
個人編
52/110

暗殺と空の支配者と滅亡の言葉

お気に入りが34件…心臓が止まりました

感謝感激です。



そしてあれから3日後


「暇ねえ」


「暇だな」


飛影と静紅は全く動く気が無い


部屋からあまり出ずにほぼ引きこもりになっている


風呂は飛影の炎で身体を清めることができる


食べ物も飛影のポケットに料理から食材まで揃っているため飢えることもなく


あまりにも暇な時は窓から脱走(10メートル程度の高さ)して遊びに行ったりと好き放題していたがすでに6日経っている


暇をもて余している二人


楽しいことといえばアニスがやってきて一言二言喋れるようになってきたことである


「なんか起きないかしら」


「なにかって?」


「ほらあるじゃない…王様が勇者が召喚されたのに一向に旅立たない暗殺しようっていうのとか魔王が勇者に殺られる前にこっちから出向いてやる~とか」


「どこのゲームだよ」


飛影は笑いながらツッコミを入れる


「そうね~」


微笑む静紅


『でも』


二人して溜め息を吐く


「こうなっちゃうのが現実だな」

「こうなっちゃうのが現実ね」


その場から跳躍して離れる


と同時に炎の塊が床を粉砕しながら上昇していく


ポッカリと床に大穴が空く


場所はちょうど飛影と静紅がいたところ


しかし飛影と静紅は慌てる様子もない


飛影は近くにあった枕をドアへと投げる


ドアに当たると同時に剣や槍が飛び出て枕に突き刺さる


静紅は少し焦げているシーツを窓のほうへ投げる


ヒラヒラとシーツが外から見える位置に飛んでいくと同時に氷柱や鎌鼬が外から放たれ部屋の中を吹き飛ばす


「あ~やだやだ」


「面倒ね~囲まれてるわ~」


部屋の中が無惨な姿になっているが飛影と静紅は無傷でギリギリ足場になっている箇所にいた


大穴から下を覗くと兵士たちが槍や剣を構えていて剣山のようになっていて降りられないようにしていて


ドアには兵士たちが出さないように囲んでいて


窓というよりも既に外に接する壁は無くなっており、魔法が次々に部屋の中の飛影と静紅を狙い放たれている


「んで壁には結界な」


コンコンと飛影は壁を軽く叩く


「どうする?」


「殺しは?」


少し悩む静紅


ここまでされてなにもしないのは正直無理である


「アニスはどこにいるのかしら?」


よくよく観察していたら別に嫌われている訳ではなかった


少ししか接していなかったが性格的には止めそうである


「ん~とこっから10Km西にいる」


「なるほどね」


静紅も飛影も相手の狙いを理解する


今のうちに殺せばアニスが帰ってきた時に勇者が裏切り城の者を殺したから仕方なく殺したなどと説明ができる


いくらでも改変は可能である


そして自分達に都合の良い勇者を再召喚することができる


召喚は10年に一度だがおそらく飛影達はなかったことにされ、再び召喚するであろうことは予想できる


「う~ん飛影君って結界を無効化する魔法ない?」


「あるにはあるが…使う気は全く無い」


その魔法は当然ヘリオトロープ必須である


デフォルメ化には絶対なりたくない飛影


「じゃあ皆殺しは無理ね」


諦めの溜め息


「半殺しならよくね?」


なんとも物騒な会話である


「困ったわね~…別に半殺しならいいかと思ってしまうわ」


この間も窓からの爆撃は続いているが、最初は魔法かと思っていた飛影だがただの魔術であり


魔術程度ならば絶対強者級は垂れ流しになっている魔力で防ぎきることができる


そのため二人とも呑気に会話をしているのだ


「んで、あとあれはどうする?予勘はあったんだが冗談で言ったはずだったのに」


「まさかの両方ビンゴね」


城からの攻撃に加え


無くなった壁を見ると遠方の空にわらわらと影がでていた


魔王からの進軍である


数は150程


全部竜騎士であった


「どっちがどっち殺る?」


「う~ん…悩むわね~個人的には傍観して殺し合いを見学するのもありなのだけど」


その発想はなかったと飛影はポンと手を叩く


「でも俺達生きてたら駄目じゃね?勇者なのに放置した~ってなりそうだ」


面白そうだが確実にアニスの信頼はゲットできない


「う~ん決めたわ…喧嘩両成敗よ。二つとも潰しちゃいましょう」


「妥当だな」


魔王軍の方は殺せる


城の方は痛みつけて直接鬱憤が晴らすことができる


どっちがどっちになるか


思考の時間はいらなかった


「じゃあ飛影君はあっちお願いね」


静紅は魔王軍を指差す


殺し大好き飛影に殺せる方を頼み


鬱憤がたまっている静紅は城の方を担当する


「んじゃ開始しますか」


「オッケイよ」


二人は同時に外へと飛び出す


飛影はそのまま風を纏って飛翔


静紅はそのまま落下して魔術部隊に突っ込んでいく


この世界の耐久力は魔力全開でも耐えきれた


つまり絶対強者級の全力が出せる


静紅は魔力を少し解放し落下


着地までの際に魔術や矢が直撃したが垂れ流しの魔力で全て防ぐ


かすり傷すら負わずに部隊の中心に着地した静紅は地面に向けて脚を踏み抜く


ただそれだけの動作で地面をその上に立っていた者達を吹き飛ばす


巨大なクレーターの出来上がり


「小さな存在ねぇ」


気絶していない者は呻くだけで立ち上がることすら出来なかった


「死者はいないみたいね」


周囲を一瞥し判断する


「さて次ね」


余裕の表情で獲物を求めて歩き出す


「あ!」


着物の裾を再び踏み盛大に顔面から転ける


>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>


竜騎士


この世界で一番強い称号である


魔術を弾く鱗


ありあまる体力


何者にも負けない力


誰も追い付くことができない速度


空の支配者と恐れられている


竜は人に懐かず魔王軍の魔物にしか懐かない


竜騎士が50も入れば小国は滅びる


そんな空の支配者150体と対峙している飛影


「ヒャハ!」


笑っていた


飛影は殺し合い大好きである


久しぶりの殺し合いに表情はにやけ、笑みが零れる


「竜ですか!竜ですね!!!死にくされ!!」


上空200メートルの戦い


飛影は風を纏うのをやめ吸血鬼の翼を生やし爪を伸ばす


加速し接近しながら回転


そのままの勢いで爪で空間を薙ぐ


大気が割れた


爪による鎌鼬は軌道上にいた竜を切り裂くのではなく爆散させた


避けたというより運良く軌道上にいなかった竜達も暴風によって吹き飛ばされる


死んだのはたった10体ほど


15分の1程度


大した損害ではない


1キロ離れた場所からのたったの一撃だと考えなければ


乗っている魔物も空の支配者たる竜も一撃にして本能が逃げろと叫んでいた


直ぐ様部隊が一斉に転回し逃走を試みた


「逃げんなよ~こっちは血塗れにするだけだぁ!!!」


既に転回先に飛影はいた


それと同時に20体ほどが爆散する


強靭な鱗がまるで意味をなさない


速度も圧倒的に違う


歯向かう気が起きず


膨大な体力も飛影がいるだけで一瞬で奪いとられ底をつく


空の支配者


そう呼ばれ恐れられていた竜だったが本当の空の支配者を知った


>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>


10分後


「退屈ね~」


「同文」


半壊した城


兵士やその上位の騎士達全員半死半生


魔王軍


城下町に血の雨が降り注ぎました


国を滅ぼす戦力と国そのもの


10分すら持たない


「とりあえずだけど[コレ]どうする?」


外の芝生でレジャーシートを敷いてお茶を啜りながら飛影は横目で[コレ]を示す


「どうしましょ?とりあえず選択させましょう」


コレはこの城の王であった


静紅が持ってきたので暇潰しに爪を剥がしたり髪の毛刈ったり遊んでいたモノである


「…た…助け…てくれ」


既にぼろぼろな姿


爪を剥がした時に痛みで叫び声をあげ続けていたため声が掠れている


「沢山選択肢あげるから選んでね~え~と…水死、溺死、圧死、ショック死、感電死、爆死、転落死…あと何かしら?」


「拷問死、餓死、轢死、炎死、斬死、打死、銃死」


飛影がつらつらと選択肢をあげるが静紅は首を傾げる


「いくつか初めて聞くわね」


「今作った。読んで字のごとくだ」


「や~ね~騙されちゃったわ~」


笑いあう二人


端から見たら微笑ましいが当人には恐怖しかない


「この化け物…!」


恐怖のあまり口にした悪態


静紅の表情が変わる


無表情に冷徹に王であったモノを見下ろす


それは世界を滅ぼすには充分な一言であった


見ていただきありがとうございます。


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