表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ハチャメチャ魔王  作者: 火憐ちゃん
個人編
48/110

狼の血をもつモノ

彗君とあきのんが頑張る話です


「とりあえずどうするかだ」


今のメンバーである彗、秋野、火月は高校の方のグラウンドの隅にこっそりと潜んでいた


理由としてはそこは学校の敷地の中間辺りであるからである


潜んでいる理由は敵を見つけたわけでなく、このメンバーだと教師に捕まった際に何もできないからだ


現在授業中


見つかったら強制的に職員室へ連行である


「手分けして探すというのは」


「当然却下」


手分けして探せば効率的にも教師に見つかった時にも便利ではあるが


実力も未知な敵に殺される可能性も高い


「あ~飛影先輩とか絶対強者級が居れば魔力探知で一瞬なんですけどね」


魔力察知は彗も秋野も一応はできる


絶対強者級の魔力レベルであれば学校の敷地内であれば探知できるが


それ以下だと半径10m程が限界である


「高いところから探すってのはどうだ?」


火月の意見


なかなか悪くない案である


「…ここが平野だったらいいんだが、学校の建物が邪魔で見渡せないからな…」


光を統べるリタであったら建物などは問題無かった


つくづくチートだと彗は思ってしまう


「打つ手がないな」


溜め息をついた彗


「ん?今なんか聞こえなかったか?」


いきなり


唐突に火月がキョロキョロと周囲を見渡す


「いや?」


「聞こえなかったよ」


彗も秋野の耳には体育の授業で少し騒がしい生徒達の声しか聞こえない


火月は耳を澄ませる


「ォォン!!!!」


僅かだが聞こえる遠吠え


「やっぱり聞こえる。遠吠えみたいなやつ」


「…」


彗はそんな馬鹿なと耳を澄ますが聞こえない


だが火月は飛影の義理だが妹である


嘘だとは思えないし勘違いとも思えない


「方向はわかるか?」


「うーん、無理っぽい…建物で反響して掴めない」


「わかった」


彗は一度深呼吸をする


《限界突破・一点集中》


彗は魔法を発動する


彗の魔法は単純で、肉体強化である


ただ自分という存在全ての強化ができる点が普通とは違う


彗は聴力だけを強化する


「オオオオン!!」


確かに遠吠えが聞こえる


狼のような咆哮


「あっちだな」


彗が音の発信源の方向を指差し、魔法を解除する


3人は頷き合うと直ぐに駆け出した


(ただの狼だったら楽なんだけどな)


狼程度なら瞬殺できるが、嫌な予感しか彗は感じない


当然ながら嫌な予感というものは当たるものだ


校舎裏


そこにいた


普段から誰も立ち入らない場所


見つからないように慎重に接近し無駄な木や草ばかりの場所に隠れながら3人ともがそれを見た


「……なんであんなもんがこの世界にいるんだ」


思わず彗が言葉を溢してしまった


他の2人は絶句していた


それもそうだろう


そこにいたのは狼ではあるがただの狼ではない


超巨大な狼とかでもない


大きいことは大きいがそこまでではない


せいぜい2m程である


ただそれのシルエットが人の形をしていた


ワーウルフ


ゲームなどでよく出てくる人間のように2足歩行で強靭な肉体をもつもの


腕力も強く


脚力も強く


速度もある


「オオオオオオオオオオオオオオンン!!!!!!!!!!!!」


ワーウルフの遠吠え


雄叫びである


身体がそれだけで硬直してしまった


「とりあえず、気付いてないようだから…佐藤は火月連れて待避しとけ」


キョロキョロと獲物を探しているのか首を忙しなく動かしているワーウルフ


「いや!気付いてるぞ彗さん!!!」


火月が叫ぶと同時に彗の背後にはワーウルフが一瞬で接近していた


すでにその強靭な腕力をもつ腕は振りかぶられていた


ご丁寧なことに切れ味が良さそうな爪と一緒に


彗はそのまま後ろに跳躍


火月と秋野も後ろに後退


その瞬間にワーウルフが腕を全力で薙いだ


彗はワーウルフに接近し脚を潜ることで回避する


秋野は咄嗟に後退ではなく火月の頭を無理矢理つかみ一緒に伏せる


触れてすらいないのにも関わらず衝撃波で木が切り落とされる


《限界突破・全身強化》


集固ツドイカタマレ


彗と秋野は反射的に魔力を解放


一瞬で魔法を構築する


逃げる暇があれば戦わなければ駄目だと本能が叫んでいた


秋野は魔力をまとわせ肉体を強化すると火月を掴み上に跳躍する


目指すは校舎屋上


そして彗は魔力での強化でなく魔法で全身の身体能力を強化させワーウルフと対峙する


「…くっそ、こんなときに何やってんだ?あのチート共は!!」


彗は一瞬でワーウルフに接近する


相手は自分よりも巨大である


ならば接近して間合いを通過し自分の間合いに入れば問題はない


ワーウルフの再びの薙ぎ払いを地面を転がり避ける


そしてそのまま地面を蹴る


「おら!」


ワーウルフの顔面に向けてそのまま跳び蹴りを放つ


全身を強化させて放った一撃である


常人が食らえば頭が破裂するほどの蹴りを顔面に直撃させた


手応え完璧のクリーンヒットである


岩ぐらいなら余裕で砕ける


そんな一撃を受けたワーウルフだが


「やば!!」


怯みもしていない


当然ながらダメージなし


逆に彗は跳び蹴りの反動を利用して後退しようとしていたためまだ空中にいる


再びワーウルフが振りかぶる


(判断ミスった!!!)


彗は腕を犠牲にしようと手を前に伸ばす


「どっせい!!!」


空から秋野が集固を使い下に跳躍して重力も足された踵落としを振りかぶった腕に放つ


「っ!」


なんとか軌道が変化し彗は肩を少し切り裂いただけで済んだ


《集固・エアロバースト》


秋野はそのまま圧縮した空気を至近距離からワーウルフに放つ


彗のを見ていた秋野はすぐさま足場を形成し、後ろに跳躍する


「無事ですか!!?」


「問題ない!」


傷ついた右肩を動かしまだ肩は動くことを確認する


「オオオオオオオオオオオンンン!!!!!!!!!!」


少し毛が逆立っているワーウルフだが無傷である


ちょこまかと攻撃をしてくる二人に怒りを表すかのように雄叫びをあげる


ワーウルフは両手を振るう


狙いは彗と秋野の二人


鎌鼬のような衝撃波が襲いかかる


彗は最小限の動きで回避


秋野は大きく上空に跳ぶことで回避する


地上と上空からふたりで接近


ワーウルフの視線が迷ったのを二人は見逃さない


そしてワーウルフは狙いを彗に絞る


それを見た彗は僅かだけ接近する速度を緩める


秋野は足場を形成し勢いよく足場を蹴ることで加速


ワーウルフの頭上を飛び越え反転


「せい!!」


再び足場を形成し膝蹴りをワーウルフの後頭部に放つ


《限界突破・一撃強化》


彗は全身を強化している上で更に部分的な強化を重ねる


僅かに怯んだワーウルフの顔面に直撃


およそ彗にできる最高の一撃


《集固・因果応報》


そして秋野はワーウルフの頭を固定


《集固・射出》


頭を身体から吹き飛ばす


「ふぅ…」


頭部を失ったワーウルフはゆっくりと力無く倒れる


「危なかったです」


「まぁ止められたから良しとするか、こんなのが露見した日には大変なことにしかならないし」


彗はようやく落ち着いて呼吸を整える


「死体処理はどうしましょうか」


さすがに放置はできない


バレてしまっては逃げずに倒した苦労が水の泡である


「そうだっ…な!!?」


死体がない首が弾けとんだはずの死体がそこにはなかった


背後に嫌な気配を感じると同時に彗は秋野を割と手加減できずに蹴り飛ばす


そして秋野の身体が吹き飛ぶと同時に彗の腹には爪が食い込んでいた


「…っくそ」


内臓が損傷し、吐血する


ワーウルフが生きていた


首も復活していて、怒りを顕にするかのような形相で


ワーウルフが腕を振ると彗は紙切れのように吹き飛ぶ


「先輩!!!!!」


秋野が声をかけたと同時に目の前にはワーウルフ


「ぁ…」


警戒を解いて魔力による強化をしていない秋野にとってそれは死を意味した


咄嗟にその場に伏せる


しかし衝撃はこない


痛みもない


回避できたかと考え魔力を循環し強化してから大きく後退する


「グットタイミングってわけじゃなさそうだわ」


防ぐこともせずに絶対強者級のアユリがいた


ワーウルフの攻撃は当たっておらず寸前で魔力によって止められていた


「飛影様の妹に感謝した方がいいわ、全力で走って私を見つけることができたんだから」


椿と一緒に校舎をうろうろとしていたアユリ


話を聞いて二人に何かあれば飛影がキレると予想できたアユリはすっ飛んできた


「オオオオオオオオオオオンん!!!!!!!」


吼えながらアユリに向けて何度も何度も攻撃を放つが全て魔力によって止められていた


《魔氷・止血》


アユリは彗の傷口を取り合えずで凍らせる


もちろん壊死しないように細心の注意でだ


そしてようやくアユリはワーウルフを視界に入れる


「五月蝿い犬ね」


ただアユリはワーウルフの方を向いただけであるが、遅すぎる本能が危険を察知して逃げようとする


「死になさい」


ただのビンタ


それだけでワーウルフの頭は吹き飛ぶ


「はい、終わり」


楽すぎる~とアユリは欠伸をする


「気を付けてください!!!!!あいつそれぐらいじゃ死なないです!!」


先程と同じ状況


だが今回は死んだふりなどせずに、怒りのままにアユリに向けて全力で爪を突き刺す


後ろを向いたままのアユリだが


《魔氷・氷結》


だがそれを見逃すほどアユリは甘くはない


ワーウルフの下半身が地面ごと氷に包まれる


「ウチの世界の生物だけど…こんな魔力と再生力はないはずなんだけど」


試しにとばかりにアユリは再び頭を吹き飛ばす


先程と違い速度は格段に遅くなったがそれでも首から頭が再生されていく


「…改造されているわね、はぁ厄介事ね」


大きく溜め息を吐く


《魔氷・絶対零度》


パチンと指を鳴らす


一瞬にしてワーウルフの身体が凍りつき結晶となり霧散する


「はい、終了、無事?」


何でもないようなアユリ


実際アユリにとっては雑草を踏み潰した程度である


「…私は無傷ですが安倍川先輩が」


傷口が凍っているため出血で死ぬことはないが、それでも早急に治療が必要だった


「腕の良い治癒魔法使いを呼ぶわ、安心なさい。とりあえず見ておいてね」


そう言うとアユリは秋野達の傍を離れる


(あぁ~面倒なことが起きるわこれ、この<予勘>、絶対当たるから困ったわ)


絶対強者級はシーレイと比べれば雲泥の差だが第6勘が恐ろしく発達していて勘は冴えている


ただの勘なので呼び方は予勘と言っている


(重要なのは嫌な予勘じゃなくて面倒な予勘がするのよね~)


まぁ世界的に関係無いかと思い楽観的に考えアユリは腕の良い治癒魔法使いに連絡を取る


ちょっとフラグを立てました。


この話は続かず次は飛影と静紅の話です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ