予選1日目
予選1日目です
天界
死者の魂が送られる世界であり
悪魔や死神や天使などのファンタジーな生物が住んでいる
天界はその世界の中でも魔界や人間界以外にいくつもの世界と繋がっている
例えるならば地獄や天国である
天界自体は死者の魂が送られる場所で
その後閻魔のところまで直行するだけである
そんなファンタジー要素がたっぷり詰まっている天界
その一部地域
今まではただの荒れ果てた土地であったが
総参加者合計人数1890人
最強決定トーナメントのために集まっている
参加者は1890人
観戦者は5万を超える
ドームの大きさは闘技場が半径500メートル
観戦席を含めると半径1キロである
超巨大なドーム
ドームと言っても闘技場の上空には遮蔽物は何もない
どうせ壊れるからである
飛影達の想像以上に人が集まってしまったため
当初の予定では大体1週間の開催予定であったが
倍の2週間の開催期間となった
入場料は一日1万円
今日だけで最低でも3億の収入を得ている
テレビもあり、唯一天界、魔界、人間界を知っている天界のテレビ局が殺到している
ドーム内外に巨大モニターがあり肉眼で遠すぎる場合はモニターを見ることができる
宿泊施設も合計10箇所
闘技場の付近に散りばめられている
闘技場の時計が11:00を指す
開催式が始まった
企画者ということで飛影が闘技場の中心にいる
声援や罵倒や熱狂が巻き起こる
「…おい」
飛影が話そうとするが静かにならない
マイクの音量よりも観客の声量の方が大きいのである
飛影はマイクを下ろす
軽く深呼吸
「うるせぇぇぇぇえぇぇぇぇぇぇぇぇぇえぇぇえぇええええええええ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
音が衝撃となった
音だけで早速作ったばかりの闘技場のリングにひびが入る
さすがに静まりかえる場内
「今から最強を決めるトーナメントが始める。誰が勝っても恨みっこなし、殺しも無しの爽やかな喧嘩にしようやぁぁあ!!!!!!!!!!!!」
短い開催宣言
しかし
『ウォォォオォォォォォォオオオ!!!』
再び場内が騒ぎだし熱気に包まれる
「ほいパス」
満足気に頷いた飛影はマイクを隣にいる実況の天使に渡す
「今から予選を始めます!!!!Aグループの方は闘技場まで御越しください!!!!!!!」
予選が始まる
予選のルールは簡単で
参加者は1890人
予選は一回約100人で19回行われる
生き残れるのは100人中2人
合計38名がトーナメントに進出することができる
「ただいま」
飛影は観客席の中のVIP席へと帰還する
魔王と魔王補佐達はもちろんそこには飛影の屋敷に住む者達やセリアにエリア等のメリア関連の者
さらには彗や秋野までいる
そして記念すべき最初の予選
「あら?私Aだわ」
リーベが自分の予選記号を見るとAと書いてある
「いってら~」
最初から絶対強者級がでることになった
飛影は気軽に手を振って見送る
「いってくるわ」
きちんとした入り口から入るのがめんどうなリーベはそのまま飛び降りて闘技場内に入場する
[さぁ!!現在の倍率はこちら!!!]
この最強決定トーナメント賭け事を公認している
観客には機械が渡されており簡単な操作で勝つと思う選手に賭けることができる。
名前とオッズは巨大モニターですぐに確認することができる
予選では数が多いためゼッケンを渡されておりNO.で賭ける手筈になっている
選手が集まり1分間見た目や魔力などで強さを判断し賭けることができる
最高金額特になし
払えない場合魔王が全力で死よりも苦しい思いをさせると観客ルールブックに載っているため誰も無理して賭けることはない
50秒が経過した
リーベのNo,は19番
リーベは絶対強者級だが有名ではないため、オッズは78.8倍
低い評価を受けていてもリーベは気にせずただ暇そうに立っている。
飛影が笑う
悪巧みをしている時の表情であった
58秒
「19番に50億!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
飛影は一瞬でリーベに50億を賭けた
このオッズ表では最高金額もでてしまうためそれを隠すために我慢していたのだ
全ては金のため
魔王の発言に観客が驚きある者は愕然とする
[予選開始!!!!]
最初の予選が開始された
リーベはすぐに上へと跳躍
地上から30m地点
《黒霧》
黒い霧を発生させ椅子へと変化させる
空中に浮いている椅子に座り肘をつき見下ろしていた
参戦する気は全くない
理由は相手が弱すぎるからである
[乱戦の中一人優雅に観戦しているぅぅ!!]
実況の天使が驚いている
確かにルール上違反はない
「リーベ~まきで」
飛影が一声かける
距離は離れているが風華の風で声を届かせる
予選の制限時間は決まっておらず実力差が無ければ無いほど長期戦になるのである
飛影としては物凄くめんどくさい
飛影の言葉に溜め息をつくリーベ
「しょうがないわね」
椅子を霧に戻しそのまま落下する
(殺しそうで怖いわね…)
衝撃波で倒そうとしかけたが手加減は上手くないため殺しそうだと判断する
《黒霧》
[ど…どうしたんですかぁ!!?]
リーベは霧を発生させながら実況の首根っこを掴み端に移動する
ジタバタと暴れるが振り払われることはない
壁まで来ると振り返る
「よいしょ」
そして霧を雪崩のように放った
殺さぬようにした一撃は99人全員が霧によって足を捕まれそのまま壁に激突する
重傷でも頭蓋骨にひび程度である
「どうせ抜けれないんだし終わりでいいかしら?」
首根っこを掴んでいる実況に問う
実況の天使は青ざめながら首を振った
[ルール上予選通過者は2人なのであと一人必要です]
「面倒ね」
リーベは適当に選ぶとそいつ以外の選手の圧力を強くする
それだけで気絶した
「はい終わり」
[…]
呆然としている実況と観客
リーベに頭を叩かれて意識が戻る実況
[圧倒的ぃぃぃぃい!!!!予選開始から僅か5分!17番が圧勝しました!!!41番の方は運が良い!!]
『うぉぉぉぉぉおぉおおおおお!!!!』
絶対強者級の力の片鱗に観客は感動して雄叫びをあげる
リーベは出口からでなくそのまま跳躍して飛影のもとへと移動する
「終わったわ」
特に疲れた様子もないリーベ
モニターがリーベと共に飛影を映した瞬間
観客は魔王関係者かよぉ!!と嘆いた
賭けに大勝した飛影だがこれからは飛影の周囲にいるもののオッズは急激に上がる
1度しかできない大勝であった
(3500億か…美味しすぎるぜ)
静かに勝ち誇る飛影であった
[さぁ次は10分後に次の予選を開始します。Bグループの方闘技場へ]
「ん?次俺だ」
Bの記号の飛影
黒鋼も立ち上がるが飛影が手で制止させる
「予選だしいらん」
飛影が断る
余裕綽々である
「む…?我もBじゃ」
ギルギアの声
『!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!?』
周囲が完全に固まった
ただ二人を除いて
「奇遇じゃの、じゃが魔王が予選落ちはハズイのでな今死ねばどうじゃ?」
「はぁ~?誰が予選ごときで落ちるか!!お前こそ今の内に尻尾巻いて自殺しろよ?」
一瞬である
ほんわかとした雰囲気であったにも関わらず一瞬で粉砕された
互いにガンを飛ばし合う
周囲も唖然として動けない
まさかの数奇な運命
こんなときのための未来確知のシーレイだったが寝ている
「誰が尻尾巻いて自殺などするものか、自殺するのなら貴様を殺して我は生きる」
「殺せるもんなら殺してみれば~?どっちが殺られるかなんて目に見えてるけどなぁ」
喧嘩するほど仲が良いと言葉はあるがこの二人の間にはその言葉は無効化される
喧嘩しながらも二人は観客席から飛び降りて闘技場に降り立つ
その瞬間場内が沸き立つ
絶対強者級の二人である
観客のボルテージが上がるのも当然である
「予選など無しに今すぐ殺してしまってもよいと思うのじゃが」
「あぁそれには賛成だ、殺されるのはお前だがな」
だが関係ない
二人には既に周りは見えていない
参加者が集まり二人の様子を見てほくそ笑む者も現れる
全員が絶対強者級の同士討ちを期待しているのである
[さぁ!!2回目の予選が始まります!!!!絶対強者級が2人もいるなかでのオッズはこちら!!]
2番0.9倍
38番0.8倍
賭けても損をするだけであった
「おぉ、見たかチビ周囲は我が勝つと思っておるな。まぁ正しい判断じゃ」
「あぁ?俺等の領域まできてない奴の予想なんてどうでもいいことに気付かないのかババア」
飛影は2番
ギルギアは38番である
『あぁ?』
睨み合う
二人を見て
そのオッズを見て
準備運動を始める参加者を見て
実況が闘技場にいるのを見て
一番素早く反応したのはダドマである
ダドマはマイクを取り出す
[あ~いいか!よく聞け!!まず実況逃げろ!!観客席まで逃げろ!!次参加者!!この大会は殺しは無しだが自殺願望は基本的に放置している!!もし同士討ちを狙ってあわよくばなんて思ってる奴は自殺志願者だと判断する!!!!]
ただならぬ雰囲気
実況の天使は翼で飛翔し観客席まで逃げ込む
慌てて逃げる参加者もちらほら出てきている
「…死ね」
「…お前が死ね」
超至近距離で毒を吐き合っている飛影とギルギア
開始の合図がないだけで今手は出していないのである
同時に同じくらい魔力を高めている
魔力と魔力
殺気と殺気
それだけがぶつかり合っているだけであるがリングに亀裂が入り
風が吹き荒れ
火口にいるかのような熱が発生
重力が周囲で狂い始める
今度こそ同士討ちなんて馬鹿なまねを考えていた者達が逃げ惑う
ついに10人しか残っていなかった
しかも飛影とギルギアを抜いた8人は蛮勇でもなんでもなく腰が抜けて動けないだけである
「時間ですけど…どうしましょう?」
実況の天使がダドマの隣に着地し指示を仰ぐ
「とりあえず」
《方舟》
ダドマは魔法を発動する
移動魔法である方舟
絶対強者級の移動は許可がないと不可能であるが腰が抜けるような雑魚ならば話は違うのである
一瞬でドームの外まで移動させる
[勝負あり!!おら!飛影!!ギルギア!!終了だ!]
残ったのは2人だけ
予選を始める前に進出が決定した
「今死ね」
「すぐ死ね」
しかし二人は止まらない
二人してゆっくりと拳を握り締める
怒りで大会のことを忘れている
(((((((あ~これ無理だ)))))
二人を知る者達は同時に諦めた
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その後、ラインが《幻想魔境》を発動して
キレている椿を飛影に
キレているダドマをギルギアに幻覚を見せることでなんとか大人しくなった
その日は9回予選が行われ18名のトーナメント進出が決まった
今のところ
飛影、リーベ、ギルギア、ラインは既にトーナメント進出が決まっている
そして次の日は予選2日目である
他にすごいキャラを登場させるなんてことはありません
たぶん